心象風景 絵描きブログ

美術のこと、旅のこと、いろいろを心象風景を描くようにつづる絵描きの雑記。

疫病と錦絵 その6

2020-08-19 23:43:11 | 美術

文久2年、歌川芳艶の版画「流行麻疹けん」。

江戸時代、狐拳のようなジャンケン遊びの錦絵がたくさん作られた。

それに擬えて「麻疹けん」としたもの。

人々の関心事をなんでも遊びにしてしまう江戸気質か。

麻疹の症状を「小児ハかるい。大人ハ重荷。」と歌わせている。

食品の「あしきもの」「よろしきもの」も。

現在、テレビやネットで「コロナ」の情報を得る。

同じように、版画を通して人々は情報を共有していた。

感染病の恐怖は、いつでも、どこでも、人の気持ちを揺さぶる。

恐怖を知恵で、少しでも抑えようとする。

情報豊富な今、冷静に賢く疫病と向き合いたい。