文久2年、歌川芳艶の版画「流行麻疹けん」。
江戸時代、狐拳のようなジャンケン遊びの錦絵がたくさん作られた。
それに擬えて「麻疹けん」としたもの。
人々の関心事をなんでも遊びにしてしまう江戸気質か。
麻疹の症状を「小児ハかるい。大人ハ重荷。」と歌わせている。
食品の「あしきもの」「よろしきもの」も。
現在、テレビやネットで「コロナ」の情報を得る。
同じように、版画を通して人々は情報を共有していた。
感染病の恐怖は、いつでも、どこでも、人の気持ちを揺さぶる。
恐怖を知恵で、少しでも抑えようとする。
情報豊富な今、冷静に賢く疫病と向き合いたい。