この 第11章からは、坂本先生の言葉がビシビシ伝わるってくる。
「見る目」がいかに作られたものかを知らされる事例が続く。
ここまででも自分が知らず知らずのうちに身につけていた常識に気付かされてはいたが。
先生は、とんでもない数の版画を見続けて、版画の影響力に気づいたと聞く。
複製である版画は 持ち運びに有利。
それは、船に乗って、荷物に紛れて、世界中に広がっていった。
版画を見て、見知らぬ世界に妄想を膨らませた人は多いはず。
犀や象をユニークな表現で残したのも、版画の影響かもしれない。
我々が「独自」と思うものも もう一度検証する必要があると気付かされる。