先ほど「日本美術の歴史」(辻惟雄)を手にして読み始めたが、1頁も読まないうちに、寝てしまった。本日の読書は諦めた。少し呑みすぎたようである。
ようやく読書の気力が戻ってきたものの、酔って、分厚い教科書のような本を読むこと自体が、著作者に失礼な話である、という自覚はある。酔った時はやはり、読書は控えめにしなくてはいけない。
だが現役時代は、居酒屋の片隅で文庫本を読みながら、焼酎のロックを呑むのが慣例であった。マルクスもシェークスピアも、白川静も網野善彦も、洲之内徹もほとんどがそんな読書の仕方であった。現在では居酒屋に一人で入ることはあまりなくなったので、読書はもっぱら喫茶店でコーヒータイムとともに。あるいは家ではベッドの友として読書タイムを確保している。
コロナ禍の措置が一応解除になり、居酒屋に顔を出す機会が増えてきた。しかし最近は複数で訪れる機会が多くなり、読書どころではなくなった。
思い出したが、20代のころの職場の同僚で、私と同様に居酒屋で読むのが趣味の人がいた。彼は推理小説一辺倒であった。異動してしまい、付き合いはなくなったけれども、ときどき思い出す。翻訳物が好きで、一週間に2~3冊は読む、と言っていた。一人暮らしの6畳間が一年で本であふれるらしかった。一年に一度は古書店に売りに行くとのこと。
結婚して子どももできたそうだが、今でも読んでいるのだろうか。私も人のことは言えないが、家族にとっては迷惑な趣味ともいえる。
本にまつわるエピソードはたくさんある。ときどき思い出して一人笑いをしている。
二次災害がないことを祈りたい。
金沢区の液状化も心配。
水道管の折損も心配。
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