Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

稲妻

2018年08月29日 11時14分34秒 | 俳句・短歌・詩等関連
 昨日に続き朝からどんよりとした天気。蒸し暑い。気温は30℃には届かないと思うが、湿度が85%もある。

★来し方の一処にはかにいなびかり     天野信敏
★稲妻にとも綱青き水垂らす        庄司たけし
★秋雷の終はりは嗚咽隠岐の島       熊谷愛子


 秋の激しいいなびかりを見ていると、時空を飛び越えて、過去のある一瞬が強烈な光とともに照らし出され、その時の自分にたじろいでしまうことがある。今から思えば恥ずかしかったこと、至らなかったことの方が多い。成功や楽しいことは照らし出されない。いなびかりは本の一瞬の出来事だが、思い出されたその事象は妙に心にいつまでも引っ掛かる。
 稲妻は意外と海が似合う。遠く続く暗い海や闇の夜に隠れている断崖や背後の山を照らし出す。そして一番近くにある小さな船を舫う綱も照らす。遠くを照らす稲光、手前を照らす稲妻どちらが遠くの時空をより照らすのか。
 隠岐の島は古くから遠流の島として名高く、後鳥羽上皇、後醍醐天皇の配流地である。特に後鳥羽上皇は此処で亡くなっている。配流者の恨みのような激しい秋の雷も終わるときは、嗚咽のように静かに消えていく。

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