shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

秋の薬師岳ハイキング(前編)

2024-10-08 10:23:37 | 山行・旅行
山の師匠のS氏とは、毎年どこかの山に出かけている。今年はお互いの都合から、10月初旬に北アルプスのどこかの山へ行こうと決めていた。ところが10月になると秋雨前線が掛かり、雨の日が多くなった。唯一2日続けて晴れそうなのが10月5日、6日だった。土曜・日曜だったが、ここを逃すとまた雨になるので、決行した。行き先は紅葉が期待できそうな薬師岳(標高2926m、日本百名山)とした。

下の写真は10月6日に太郎兵衛平付近の登山道から観た薬師岳である。手前に紅葉したチングルマ、中段は草紅葉と灌木(沢筋は混交樹林)、上段は緑のハイマツ帯、そして薬師岳の山頂部は白くて、背景に秋の青空が広がるという理想的な構図が得られた。CPLフィルターを用いて撮影した。


さて、それでは山行の様子を順に追っていきたい。
山行前日の10月4日は移動日で、正午にS氏が住む群馬県を出発し、登山口のある富山市の折立に17時に到着した。そしてすぐに登山口に隣接するキャンプ場にテントを張った。キャンプサイトは広々としている。一方張られたテントは我々のものだけで、炊事場もテーブルも独占できた。駐車場にはクルマがたくさん並んでいて、車中泊のハイカーが多くいた。面倒なテント泊よりも手軽な車中泊ということらしい。


その夜は日本海の海の幸をふんだんに食し、19時に就寝した。そして翌朝5時まで広いテントでぐっすり眠った。
10月5日、ヘッドランプがなくても周囲が見えるのを待って起床した。洗顔を済ませテントを撤収し、朝食を摂った。クルマに積んで置いた登山靴に履き替え、ザックを担ぐと準備完了。計画より多少早く、6時47分に出発できた。
 

今回は折立(標高1350m)を出発して薬師峠(同2294m)にあるキャンプ場で1泊し、翌日に薬師岳(同2926m)に登り、来た道を戻り折立へ下山するという計画だ。初日は1000mほどを登るが距離が7.3kmと短いので、7時出発でも12時半にはキャンプ場に着ける。
(地図をクリックすると大きくなります。)


登山道に落葉した樹木の葉が落ち重なっており、また粘土質の急登が続き、前日の雨で滑りやすく慎重に歩いた。
赤く色づいていたのはウルシ科の樹木だ。橙色に熟した果実がたわわにぶら下がっていた。恐らくヤマウルシだろうとS氏と話した。
 

針広混交林の中を歩く登山道の脇には、スギ、モミ、ゴヨウマツ、ブナ、ミズナラなどの大木が多く見られた。8時ちょうどにアラレちゃんの絵がある展望所に着いた。
 

(スギの巨木とS氏)


8時33分に三角点(標高1871m)があるベンチに着き、15分休憩した。北側に雲海が広がって見えた。


(ナナカマドの果実)


三角点ベンチを過ぎると傾斜が緩やかになり、遠望が楽しめるようになってきた。雲海は北側だけでなく、南西側にも広がっていた。


(ネバリノギランの秋姿)


(ヤマハハコの残花)


登っていくに従い空が近くなっていく感じがする。
 

雲海、青空、草紅葉。どれもに秋を感じる。
 

(歩いている筆者。S氏撮影)


(クロマメノキ)
クロマメノキはツツジ科スノキ属の落葉低木。熟した果実は甘くて美味しく、生食するほか、ジャムや果実酒に利用されている。


10時16分、五光岩ベンチ(標高2189m)を通過。太郎兵衛平(同2330m)まで2.0km。左手に薬師岳を見ながら、遊歩道のような道を歩いて行く。
 

11時9分、太郎平小屋に到着。キャンプ場の料金を支払い、ベンチで休憩した。正面に薬師岳がきれいに見えた。
(S氏撮影)


また南東側には、黒い塊の水晶岳(標高2986m、日本百名山)、尖形のワリモ岳(同2888m)、その右手前にお椀を伏したような形の祖父岳(同2825m)、その後に鷲羽山(同2924m、日本百名山)、さらに右に三俣蓮華岳(同2841m)が見えていた。槍ヶ岳はここからだと三俣蓮華岳の後に隠れていて見えないようだ。






太郎平のベンチで35分休憩し、キャンプ場へ向かった。


12時2分に薬師峠にあるキャンプ場に到着した。テントを設営し、水汲みと休憩をした後、13時にS氏は薬師岳へ向かい、筆者は周辺で写真を撮った。

(シラタマノキ)


(アカモノ)


(ゴゼンタチバナ)
 

(コミヤマカタバミ)


(紅葉したカエデの仲間)


(クレソンに似た植物)
沢の水が当たる場所に生えていた。この時期に標高が2300mを越える場所で花が咲いている植物は稀なので驚いた。オオバタネツケバナ(アブラナ科タネツケバナ属。花期は4~7月)かもしれないが自信はない。
 

(ワサビに似た植物)
やはり沢の水が当たる場所に生えていた。ワサビと異なり葉に鋭い鋸歯があった。葉を囓ってみたがワサビ独特の辛さや香りがなかった。


(?)


(ネバリノギラン)
 

(15時過ぎのテント場の様子)
その後若干テントの数が増えて、この日は20張りほどが利用していた。水場が近くトイレもきれいで、とてもよいテント場だと思った。


S氏は薬師岳まで3時間で往復して、筆者が夕食の準備を始める前の15時59分に戻ってきた。高齢者になっても健脚に陰りはない。
夕食はカロリー重視で、レトルトカレーにカレーヌードル。その後翌日の準備をして、18時半には眠りについた。

秋の薬師岳ハイキング(後編)に続く。
※秋の薬師岳ハイキング(後編)は10月13日に投稿予定です。
コメント (8)
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