shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

谷川主脈縦走(前編)

2023-06-07 05:29:25 | 山行・旅行
6月4、5日で、谷川主脈を縦走してきました。
今回の山行では、ロープウェイの天神平駅を出発し、谷川岳(トマの耳・オキの耳)、オジカ沢ノ頭、大障子ノ頭、万太郎山、エビス大黒ノ頭、仙ノ倉山、平標山を縦走し、平標登山口に下山しました。途中、大障子ノ頭の東にある避難小屋で泊まりました。
トマノ耳までは多くのハイカーで賑わい、また仙ノ倉山・平標山も賑わっていましたが、それ以外では静かな山歩きを楽しむことができました。
歩行距離は19.1km、累計標高差は上りが2121m、下りが2460mで、下りの方が大きいのは出発地点と到着地点で標高が異なるためです。
途中で観たお花のことを中心に、ご覧いただきたいと思います。

登山を開始する前に、関越自動車道下牧PAから観た谷川連峰をご覧ください。右に見える双耳峰が谷川岳(左からトマノ耳、オキノ耳)です。中央のなだらかなピークがオジカ沢ノ頭です。左の荒々しい山はオジカ沢ノ頭の南にある俎嵓(まないたぐら)で、今回は登りません。今回は右(東)から左(西)に向かって歩きました。
また今回歩いた道は、谷川岳から平標山までが上越国境(群馬県と新潟県の県境)になります。


それでは歩いた順に振り返っていこうと思います。
先ずは谷川岳インフォメーションセンターの無料駐車場に車を駐め(8時20分)、ロープウェイで天神平に上がり、そこから登山を開始しました(8時45分)。
歩き出すとすぐに黄色い花が現れました。エチゴキジムシロ(バラ科キジムシロ属)のようでしたが、自信がありません。またシラネアオイ(キンポウゲ科シラネアオイ属)も咲いていました。エチゴキジムシロらしい植物は標高が高いところでも多く観られ、シラネアオイは天神尾根では天狗の留まり場から肩ノ小屋にかけてでも観られました。
 

登山道の谷側にムシカリ(別名オオカメノキ、スイカズラ科ガマズミ属)が観られ、この樹は稜線付近でも観られましたが、標高の高い所では葉が小さく低い所では大きいのが印象的でした。
10分あまり歩くと田尻尾根分岐に到着です。5月中旬に来た時にこの辺りに残っていた雪はすっかり消えていました。田尻尾根分岐を過ぎると、目の前に谷川岳が大きく見えます。
 

さらに2、3分歩くと、山側にイワカガミ(イワウメ科イワカガミ属)とツバメオモト(ユリ科ツバメオモト属)が咲いていました。
谷川岳ではイワカガミとヒメイワカガミが観られます。イワカガミの葉には両側に鋸歯が十数個あり、ヒメイワカガミの葉には1~5個しかないので区別できます。今回はイワカガミが各所で咲いていました。一方、ツバメオモトを観たのはここだけでした。
 

この日は上空に雲がなく、半袖でも暑いくらいの陽気でした。ウグイスやカラ類の鳴き声が時々聞こえていました。
5月中旬にたくさん観られたイワウチワ(イワウメ科イワカガミ属)の花が観られず残念だと思っていたら、熊穴沢避難小屋の手前で1株咲いていて嬉しかったです。また、ショウジョウバカマは、この辺りではすべて花が終わっていました。
 

熊穴沢避難小屋を越えると急登になります。この日の序盤は体調もよく、すいすい登っていきました。それが後々影響したかもしれません。
坂を登ると左側に景色が広がります。
目の前に見えるハイカーが歩いている稜線が天神尾根で、雪渓の先に肩ノ小屋があります。肩ノ小屋から主脈稜線が左(西)に伸びて、中央左のピークがオジカ沢ノ頭です。オジカ沢ノ頭の手前から南に下る尾根が中ゴー尾根で、谷川温泉に続く登山道があります。左の岩稜は俎嵓です。


スミレが咲いていました。最初に観たものは葉に鋸歯があり、その後観たものは大きな全縁の葉をしていました。最初に観たものがミヤマスミレのように思いますが、自信がありません。後のものはスミレサイシンかもしれませんが、自信がありません。
どちらもタチツボスミレのようです。後の写真に写っている大きな葉はマイヅルソウの葉でした。よく見ると後にマイヅルソウの蕾も見えます。keitannさんありがとうございました。
 

黄色い花もたくさん観られました。これはエチゴキジムシロ(バラ科キジムシロ属)ではないかと思いますが、自信がありません。黄色いスミレも観ましたが、ここでは写真を撮りませんでした。
これから歩く山が近くに見えてきて、遠くの山も見えるようになってきました。
 

天狗の留まり場は展望がよく休憩に適したところです。今回は人が多くてスルーしました。
近くに白い花が咲いていました。ミヤマハタザオ(アブラナ科シロイヌナズナ属)のように思いました。また天狗の留まり場を過ぎたところでムラサキヤシオ(ツツジ科ツツジ属)が咲いていました。
 

振り返って見ると出発点の天神平駅とスキーゲレンデがずいぶん下に見えました。しかし今回のルートではまだ歩き始めたばかりなので、気を引き締めました。
やがて雪渓に到達しました。5月に来た頃よりずいぶん雪が減っていました。今回は雪が緩んでいることを想定してアイゼンを持参していません。つぼ足で問題なく登れました。
 

肩ノ小屋に10時59分に到着し、ザックをデポしてトマノ耳とオキノ耳に向かいました。いつもはザックを降ろすとスイスイ歩けるのですが、この日は足が重く感じ、不吉な予感がしました。しかしまだ撤退を考えるような不良はありません。
高度を上げていくと、これから歩いて行く稜線がよく見えました。
 

トマノ耳は一旦パスして、先にオキノ耳へ向かいました。稜線上にはアズマシャクナゲがたくさん咲いていました。
 

アズマシャクナゲの特徴は、雄しべが10本あることと、花冠の上部が5裂なことです(ホンシャクナゲは雄しべが14本で、花冠の上部が7裂)。
 

オキノ耳です。たくさんのハイカーが来ていました。


振り返って観たトマノ耳です。こちらにも人が多かったです。


オキノ耳には11時28分に到着しました。
 

この季節としては遠くの山までよく見えたので、山座同定を試みました(自信はありません)。自分が登った山が見えるのは気持ちが良いものです。


山頂直下にハクサンイチゲが咲いていました。昨年6月にはハクサンコザクラ、ハクサンチドリ、ホソバヒナウスユキソウが観られたのですが、時期が早いためか観られませんでした。
 

戻ってトマノ耳に立ち寄りました。そして肩ノ小屋に戻り、いよいよ歩いたことのない道へ進みます。
 

谷川主脈縦走(中編)に続きます。

コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする