抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

どこで、いい意味で差別化するか…?の問題なのです。……。

2014-04-03 | 歯科治療



卒業したての者を含めると、歯医者の5人にひとりが年収3百万円以下…(医者の年収の五分の一です。)


   何しろ、歯医者は過剰、多すぎです。

  もともとの資産のない者は、現在、歯科の開業は厳しいです。

   レントゲン、消毒機器、診療機器(ユニット)等々、高額なものばかりです。

  薬剤など細々の器具、材料等々… …キリがありません…。

   で、人件費。

 良心的なきちんとした診療をするにはアシスタントなしでは実際のところ不可能です。


 まあ、優秀な助手が居れば、(名ばかりの衛生上など、不要、無用です。)

 衛生士など看護婦さんに比べれば、話になりませんから。


   優秀な助手が居れば、正直、衛生士などという職業は不要で、

 看護師、ケアマネージャー等の人材を育て、衛生士も、きちんと教育して、そちらに廻した方がいいのです。


  話を戻します。

一般の歯科医は勤務医も厳しいのです。


 病院の歯科は、採算が合わないのです。

  だから、病院では、研修医か、癌、外科手術、顎関節等、其なりの設備の必要なものに、特化されがちになるわけです。

  逆に、それら病院外科系の歯科医師は、一般の歯科治療はしませんし、第一できません。

  要は、医科に緊密に連携してないと、病院では歯科は保険では採算が合わないのです。(研修医は教育しているので、当然、採算は関係ありません。)


  で、… …所謂、一般の歯医者は、チマチマと開業する他ないわけです。

  で、昨今の歯科医の過剰です!


  どうしても、収入を増やすのに、やはり、治療も、過剰になり、

   儲けのいいインプラントに傾くのです。


   そうです!          「抜いてインプラントにしましょう。」
 という、常道、定石に……。


 しかし、これを、断じて、【常識・定番にしてはなりません】。… …
  いけないのです。


  私は、インプラントを全否定しているのではありません。


 《インプラントは最終兵器》と、繰り返し、主張、警告しているだけです。


  治療技術(スキル)が、未熟なまま、インプラントを学ぶ危険性はもちろん、

   インプラントに先走り、

   《普通の歯科治療も、未熟なまま、きちんとできない、こなせなくなっている歯科医が急増しているのです。》


 これは、患者さんはもちろん、その歯科医にとっても、悲劇です。

 《インプラントも未熟、虫歯の治療も歯周病もわからない、

…義歯も入れ歯もろくに作れない、どうしていいかわからない。》(インプラントも入れ歯です)

【そのすべてが中途半端な未熟な歯医者が、いっぱい居るのです。】



   私のところに、茨城から、東京で、下の前歯、4本インプラントをしたという、30過ぎの女の人が来ました。

  6年前ということでした。

  まず、4本、インプラントが連結してあります。


 まず、これが論外!

 歯は、一本(歯)離れているのです。

 原則、連結してはいけないので。


   もちろん、ブリッジは連結です。

  インプラントの利点は、【歯を連結せず】ということにあるので。

  四本、インプラントを連結するなんて!

  中の二本が駄目になります。


 案の定、茨城からの患者さんも、中の二本の骨が腐り、

  結局、二本のインプラントのブリッジになってました。最悪です。(見てくれも悪いし。)


   骨は再生するので、ブラッシングと、メンテナンスを怠らなければ、ということでしょう。


 「東京でインプラントをすれば、と思って…。
  ずっと、違和感があり……

  下の前歯四本なので、まあ、どんどん噛んでるとこでもないし… …。」

   インプラントは5年以上はもっていますが、中の二本は2年で駄目。


  100万円以上、かかってます。

   で、実は行きにくいから,と、そのインプラントを施した歯医者には行ってません。

   最初の2年は、3ヶ月に1回は通ってたらしいですが、

  違和感を訴えても、様子を見ましょうとだけ。

  で、近くの歯医者にメンテナンスで通い、

  そこで、駄目になった二本のインプラントを除去してもらった。」
とのこと。


   しかし、元々、下の前歯四本を、抜くと勧めたのは、茨城の、その近くの歯医者なんですね。


  で、(それもいけなかったのですが)

 自分で、東京のインプラントの歯医者をさがして、手術したわけです。


  で、また、近くの同じ歯医者に、

 「今度は右奥の下の歯も揺れてきたから,抜きましょう。」
 と言われ、いよいよ、私の所に来院した次第です。


  茨城の人というか、田舎の人は人がいいですね。(とりわけ東北の人は)

  しかし、また、田舎の歯医者は、その人のよさにつけこんで、

  治療を引きずり、

 あげく、すぐに歯を抜く歯医者も多いですね。


   地方から,来院する患者が多くなって、つくづく、ますます、実感します。

  田舎とはいえ、歯医者は過剰ですから、
   どこも経営は厳しいです。


 田舎だと、都会と違って、

  保険外の、高額な治療は少ないのかもしれません。

   で、患者さんを、引きずり、

 また、クリーニングだ、様子見だ、ブラッシング指導だ、… …その成果だ、チェックだ、メンテナンスなどと、……


   人のよさにつけこんで、しょっちゅう患者さんを呼ぶんですね。


   (尤も、東京でも、その手の歯医者は多いですが。)


   チマチマと、金を稼ぐ必要もあるのでしょう。
  歯医者が厳しいのは、    どこも厳しいです。

 もちろん、他人事ではありません!


   【だから、どこかで、秀でることも必要なのです。】


 私の、人より秀でているのは、

  【何より、その歯を残す治療技術(スキル)にあります】


  そこを中途半端にしない為には、とにかく、義歯、インプラントなどの入れ歯(くどいようですが、インプラントは入れ歯の一環です)、

  歯周病から顎関節、医学的なものまで、きちんと知らなければ、


 【できるだけ歯を抜かない、その歯を残すという私の優れた治療技術(スキル)は、駆使できません。】


   インプラントも、連結して埋め込むような、

 残せる歯を、安易に抜いて、インプラントにする中途半端な未熟な歯科医では、

   おそらく、他の治療も、たいしたことないのでしょう。

   《木を見て森を見ざる》では、いけません。


 【他人より優れた、秀でたものを持っている人】
  スポーツでも、芸術・芸能界でも、経済界、政界でも、

 【そのそれぞれの世界、分野で、やはり、頭ひとつ、飛び抜けているでしょう?… …】

   私はインプラントを全否定するものではありません。

   しかし、100万円以上かけて、かけて、見てくれも噛み具合も悪かったら、

   インプラントに金をかけることないでしょう。

 《見てくれの悪いインプラントは、ドラキュラのような、狼男みたいですよ……まるで、口の中の凶器があるようで。》

  そんなのに、
 お金はもちろん、
 命までかけることないでしょう。


  【歯は明眸皓歯、見てくれに大きく関わります】

  見てくれだけだったら、取り外しの入れ歯でも綺麗なものがたくさんあります。


 歯に金をかけることはともかく、

 命をかけることはありません。

 ましてや、高い金をかけて!


   歯の病気では、原則、それだけでは死にませんよ。

 焦ることはありません。焦ることはないのです。

   ただし、快く食べて、
 大口を開けて、笑いましょうよ!


  美味しく食べて、笑えば、気分爽快でしょ?


  それにしても、

《始めにインプラントありき》の 金儲けは論外として (もちろん、インプラントは医学的にも、多々、問題はあります)


  近頃の歯医者は、
 「この歯は、残りません。
  手遅れです。無理です。
   もうだめです。 抜きますょう。」
と、
 どうして、すぐ諦めるのでしょうか…?

 中には、レントゲンも撮らずに… …。


 歯医者が諦めたら、

 患者さんは、抜く方向に傾きますよね。


 わからないのだから。    … … …

 だから、毎度毎度、言うのです。

  何事も、初心を見失ってはいけません。


   私は世渡りには不器用です。

   とにかく、
 どこでも、
 [初めての所、場所には、最初は、いまだに、独りでは行けません。
   コンビニすら、

 一回目だけは、誰かに付き添ってもらうのです。]
  まあ、ある意味、

 この変なブキヨウさ、
  臆病なところが、

  治療には、いい意味での、丁寧さにつながっている気もします。


 〈つむじ曲がり〉なところが。また… …。


   初心を、日々常時忘れなければ、何事も大きく道を踏み外し、
取り乱すこともないと思うのです。


 他の歯医者にはない治療技術(スキル)があるのは、

 確かに、いい意味での、差別化であり、私の売りでもあります。

  自負もあります。


 しかし、いい気になって、おごってはいけません。

  初心を忘れてはいけません。

  【患者さんの方も、どうか初心を忘れないでほしいのです。】


[歯科の初心はまずその歯が残るか、残せるか]

 なのです。

 そこから、(抜くことも含めて)治療が始まるのです。


 患者さんも、焦らず、
   初心を忘れないでください。… … …

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