抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

人間、【噛めるのは小臼歯のおかげ】です。…

2014-04-26 | 歯科治療

人間、【噛めるのは小臼歯のおかげ】です。…
…[当然、小臼歯を抜いての矯正も安易にしないことです。]



人間、最も噛み込んでいる歯は、小臼歯なのです。

改めて、いいですか、[小臼歯を大切にしてください!]

小臼歯の優れた機能を持っているのは、人間だけです。


  小臼歯は、通常、奥から、3番目と4番目の歯です。

   前からだと、4番目と5番目の歯になります。

つまり、前から3番目までが前歯、

4番目、5番目が小臼歯、
6番目、7番目が大臼歯というわけです。


   で、〈親知らずは通常数に入れない〉ので、


   人間の歯は、左右、上下で、

   【全部で28本(歯)という前提で、検査、診断、

診察していくわけです。】


  人がスムーズに顎を動かして、気持ちよく噛めるのは、小臼歯のおかげです。

 この4番、5番と、その前の3番(犬歯)が、

  通常は噛みやすく、顎を誘導、導くのです。


  犬、猫、ライオン等、肉食動物は、犬歯、つまり前歯と奥歯しかありません。

  で、パクパク、クチャクチャと、肉を引き裂いて食べているのです。

  人間のように、品よく、さまざまなものは食べられません。

  もちろん、猿にもゴリラにも小臼歯はありますが、人間のように品よくスムーズには誘導できません。


  だから、安易に小臼歯を抜いて、矯正、歯並びを直してはいけないのです。


  例えば、歯が80歳で20本あれば困らないと云います。


  つまり、奥歯の8本がなくても、小臼歯まであれば、20本。

   これでいいわけ、いいのです。


   入れ歯(インプラントも入れ歯の一環)
  もブリッジも、義歯もなしでいいのです。


 一生、自分の歯で過ごせる計算です。


  小臼歯を安易に抜いてはいけないのです。

  やむを得ず、抜くのなら、奥歯です。


  気をつけることは、矯正医とグルになっている歯医者です。


 私のもとにもそれの犠牲になった患者さんが来ます。


 「歯周病になりたくなかったら、矯正しなさい。」
  と言われ、

  指定の矯正医に行かされた、というものです。
   で、歯を抜いて、矯正したら、具合が悪いという患者さん達です。


   [口が狭くなって… 頭も痛くなったり、
  肩もこる時も… …]


   歯を抜いて、矯正したら、口が狭くなるのは当然です。

  矯正で、
 逆に歯周病も進行し、
 噛みにくくなり、

   … …
  まさに、矯正医とグルになった歯医者に騙されたのです。



  矯正は金もかかります。

  騙した歯医者は、
 矯正医から、紹介料をもらうのです。バックマージンというやつです。



   銀座、日本橋辺りではこんなのもあります。
医者と歯医者のグルです。

「金属は体に悪いから白いものに変えなさい。」

  と言って、
 やはり指定の歯医者に、その医者が紹介するのです。

    で、その悪徳医者は、やはり、歯医者からバックマージンをもらうのです。


   金属アレルギーは、しかるべく検査をすればわかるし、

   特別、不都合がなければ、

  何も金属を白いものに、(騙されて)安易に変える必要などありません。


  見てくれ(特に前歯、小臼歯あたりに、
  金属の色が人に見られたくない、


   審美性を考慮するのならともかく…。…

   第一、歯科で使用する金属が、体に悪いわけがないでしょう。

  特に、ゴールドが体に悪いわけがありません。

  保険の金属には、ゴールド以外、
   パラジウム、銀などが入ってはいます。

 それだって、
 悪いものであるわけありません。


  日本は安全性にはうるさいし、厳しいです。


  もちろん、アレルギーというのはあります。

 それは、きちんと検査すればいいことだし、


   バカ医者、悪徳医の口車に乗ってはいけません。


 騙されてはいけません。

   まさに、詐欺商法です。振り込め詐欺と同じです。


   {きちんとした真面目な、
  医者、歯医者は、
  特定の矯正医、
  特定の審美歯科を指定はしません。}


  【選択肢、
 選ぶ自由、余裕を患者さんに親切に与えます。】


 まったく、
 さらに、こんな人も、
 遠く地方から少なからず、私の診療所には来院します。

  (恐縮します)


 半年以上、週1回のペースで通って、

 「治らないから、この歯は抜きましょう。……」  という症例です。


 で、1回の治療時間は、30分以内はもちろん、
   10分以内なのですね。


 アインシュタインの言葉をまた引きます。

 〈人のやる狂気のひとつに、
   同じ誤った結果を、何度も繰り返しいるのに、
 方法を変えず、
    違う結果を期待することだ。〉


  まさにそうです。

 半年以上、治療方法を変えず、


 あげく、
 「治らないから抜きましょう。」
  はないでしょう。

 酷いです。

 アインシュタインの云う狂気ですよ。



 患者さんは私に言います。(言ってくれます。)


 〈私の診療所に時間をかけて通っても、

  1回の治療時間をかけてもらって、

 きちんと治れば、
 時間も金も無駄ではありません。〉

 ましてや、歯を抜かないですめば

 で、私でも、残せない歯なら、
  それも納得します。〉

 と。……恐縮します。ありがたいです。


 確かに、私は、難しい治療には1回の治療時間をかけます。


 で、週1回は、私は診ることはできません。

 月1回という患者さんもざらです。


 もちろん、通う回数は少なくするよう努めてます。

 なるべく早く、
 年2~3回だけの検診とクリーニングだけで済むように。


  (しょっちゅう、特に衛生士の類いが通わせようという歯医者には行かないことです。)


  …… 私は《ヤラズの大関》にはなりません。


 と言って、私は横綱だと、うぬぼれません。

 【ただ私は横綱を目指し、日々修行し、稽古しています。】


  確かに《ヤラズの大関》は楽です。


 気持ちはわかります。

 患者さんに絡まれたり、クレームはつけられたくありません。


  もちろん、私だって!

 正直、非常識な患者さんもたくさん居ます。


 でも、《ヤラズの大関》エラソウにふんぞり返って、

 治らないから抜きましょう、ではいけません…私はやです。


  大関で満足して、修行も稽古もせず、横綱を目指さないなんて。


  一生懸命稽古している平幕力士の方が、ずーっとましです。(当然です)


  近頃は、
 大学病院でも安易に歯を抜くことがあります。


 酷いのは、《大学病院ですよ》
  と、エラソウなヤラズの大関がいることです。


  ただ、私のところには、(開業医はもちろん)
大学病院でも失敗したのも含め、

 大学病院からの紹介の患者さんも居ますし、


  なかには、大学病院の専門性故の視野の狭さを自覚している歯科医も居ます。


 そうした歯科医が、私のことを患者さんに伝えてくれるのです。(改めて恐縮します。)



  歯医者はとにかく過剰です。


 バカな、悪徳医、詐欺商法の歯医者は10軒に1軒あるかないかでしょう。

  しかしそれだけあると、
  (また、真面目な歯医者は、いい意味で目立たないから)


  多くの歯医者が悪いと思われがちです。


 困ったものです。


 私も疲れます。

 でも、日々、修行して横綱を目指します。


  私は【歯を抜かない治療技術(スキル)には、自負も、その医学的評価も、実績も、
何より才能があります。】


  歌の文句ではありませんが、


 家では、ただゴロゴロしてて、
  女房、子供からもよく叱られます。


   文学部出身なので、
 映画と本は、其れなりに、詳しく好きですが、


 普段は、アナログな不器用な男です。


  ただ、
 私は何事にも、人一倍プロフェッショナルを重んじ、尊敬します。


 【餅は餅屋です。】


  私は【歯をできるだけ抜かない、残すプロフェッショナルです。】


  〔歯科の初心は、
   まずは、
  その歯が残るか、
   残せるかです。〕


  詐欺まがいの歯医者は論外として、


 あまりにも、
安易に抜く歯医者が多いです。



 患者さんはもちろん、
歯医者も諦めず、


初心を忘れてはいけません。


  【特に、
 特に、小臼歯は、安易に抜かない、抜かれないことです。】


 最も大切な、
 また、その治療が難しい歯が小臼歯です。
   小臼歯なのです。


 だからこそ、
 また、治らないからと、

 矯正云々と、

 時に、抜かれてしまうのです。


  【人間にしかない最重要な、大切な歯は小臼歯です。小臼歯なのです。】


 とにかく、改めて自戒と反省を込めて、何事にも、初心を見失わないことです。


    歯医者も患者さんも諦めず、
 迷ったら、どうか、


どうか、今一度、初心に還ってください。…
初心に… … …。…
!…焦らず、歯を抜かず、抜かれず。……

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どこで、いい意味で差別化するか…?の問題なのです。……。

2014-04-03 | 歯科治療



卒業したての者を含めると、歯医者の5人にひとりが年収3百万円以下…(医者の年収の五分の一です。)


   何しろ、歯医者は過剰、多すぎです。

  もともとの資産のない者は、現在、歯科の開業は厳しいです。

   レントゲン、消毒機器、診療機器(ユニット)等々、高額なものばかりです。

  薬剤など細々の器具、材料等々… …キリがありません…。

   で、人件費。

 良心的なきちんとした診療をするにはアシスタントなしでは実際のところ不可能です。


 まあ、優秀な助手が居れば、(名ばかりの衛生上など、不要、無用です。)

 衛生士など看護婦さんに比べれば、話になりませんから。


   優秀な助手が居れば、正直、衛生士などという職業は不要で、

 看護師、ケアマネージャー等の人材を育て、衛生士も、きちんと教育して、そちらに廻した方がいいのです。


  話を戻します。

一般の歯科医は勤務医も厳しいのです。


 病院の歯科は、採算が合わないのです。

  だから、病院では、研修医か、癌、外科手術、顎関節等、其なりの設備の必要なものに、特化されがちになるわけです。

  逆に、それら病院外科系の歯科医師は、一般の歯科治療はしませんし、第一できません。

  要は、医科に緊密に連携してないと、病院では歯科は保険では採算が合わないのです。(研修医は教育しているので、当然、採算は関係ありません。)


  で、… …所謂、一般の歯医者は、チマチマと開業する他ないわけです。

  で、昨今の歯科医の過剰です!


  どうしても、収入を増やすのに、やはり、治療も、過剰になり、

   儲けのいいインプラントに傾くのです。


   そうです!          「抜いてインプラントにしましょう。」
 という、常道、定石に……。


 しかし、これを、断じて、【常識・定番にしてはなりません】。… …
  いけないのです。


  私は、インプラントを全否定しているのではありません。


 《インプラントは最終兵器》と、繰り返し、主張、警告しているだけです。


  治療技術(スキル)が、未熟なまま、インプラントを学ぶ危険性はもちろん、

   インプラントに先走り、

   《普通の歯科治療も、未熟なまま、きちんとできない、こなせなくなっている歯科医が急増しているのです。》


 これは、患者さんはもちろん、その歯科医にとっても、悲劇です。

 《インプラントも未熟、虫歯の治療も歯周病もわからない、

…義歯も入れ歯もろくに作れない、どうしていいかわからない。》(インプラントも入れ歯です)

【そのすべてが中途半端な未熟な歯医者が、いっぱい居るのです。】



   私のところに、茨城から、東京で、下の前歯、4本インプラントをしたという、30過ぎの女の人が来ました。

  6年前ということでした。

  まず、4本、インプラントが連結してあります。


 まず、これが論外!

 歯は、一本(歯)離れているのです。

 原則、連結してはいけないので。


   もちろん、ブリッジは連結です。

  インプラントの利点は、【歯を連結せず】ということにあるので。

  四本、インプラントを連結するなんて!

  中の二本が駄目になります。


 案の定、茨城からの患者さんも、中の二本の骨が腐り、

  結局、二本のインプラントのブリッジになってました。最悪です。(見てくれも悪いし。)


   骨は再生するので、ブラッシングと、メンテナンスを怠らなければ、ということでしょう。


 「東京でインプラントをすれば、と思って…。
  ずっと、違和感があり……

  下の前歯四本なので、まあ、どんどん噛んでるとこでもないし… …。」

   インプラントは5年以上はもっていますが、中の二本は2年で駄目。


  100万円以上、かかってます。

   で、実は行きにくいから,と、そのインプラントを施した歯医者には行ってません。

   最初の2年は、3ヶ月に1回は通ってたらしいですが、

  違和感を訴えても、様子を見ましょうとだけ。

  で、近くの歯医者にメンテナンスで通い、

  そこで、駄目になった二本のインプラントを除去してもらった。」
とのこと。


   しかし、元々、下の前歯四本を、抜くと勧めたのは、茨城の、その近くの歯医者なんですね。


  で、(それもいけなかったのですが)

 自分で、東京のインプラントの歯医者をさがして、手術したわけです。


  で、また、近くの同じ歯医者に、

 「今度は右奥の下の歯も揺れてきたから,抜きましょう。」
 と言われ、いよいよ、私の所に来院した次第です。


  茨城の人というか、田舎の人は人がいいですね。(とりわけ東北の人は)

  しかし、また、田舎の歯医者は、その人のよさにつけこんで、

  治療を引きずり、

 あげく、すぐに歯を抜く歯医者も多いですね。


   地方から,来院する患者が多くなって、つくづく、ますます、実感します。

  田舎とはいえ、歯医者は過剰ですから、
   どこも経営は厳しいです。


 田舎だと、都会と違って、

  保険外の、高額な治療は少ないのかもしれません。

   で、患者さんを、引きずり、

 また、クリーニングだ、様子見だ、ブラッシング指導だ、… …その成果だ、チェックだ、メンテナンスなどと、……


   人のよさにつけこんで、しょっちゅう患者さんを呼ぶんですね。


   (尤も、東京でも、その手の歯医者は多いですが。)


   チマチマと、金を稼ぐ必要もあるのでしょう。
  歯医者が厳しいのは、    どこも厳しいです。

 もちろん、他人事ではありません!


   【だから、どこかで、秀でることも必要なのです。】


 私の、人より秀でているのは、

  【何より、その歯を残す治療技術(スキル)にあります】


  そこを中途半端にしない為には、とにかく、義歯、インプラントなどの入れ歯(くどいようですが、インプラントは入れ歯の一環です)、

  歯周病から顎関節、医学的なものまで、きちんと知らなければ、


 【できるだけ歯を抜かない、その歯を残すという私の優れた治療技術(スキル)は、駆使できません。】


   インプラントも、連結して埋め込むような、

 残せる歯を、安易に抜いて、インプラントにする中途半端な未熟な歯科医では、

   おそらく、他の治療も、たいしたことないのでしょう。

   《木を見て森を見ざる》では、いけません。


 【他人より優れた、秀でたものを持っている人】
  スポーツでも、芸術・芸能界でも、経済界、政界でも、

 【そのそれぞれの世界、分野で、やはり、頭ひとつ、飛び抜けているでしょう?… …】

   私はインプラントを全否定するものではありません。

   しかし、100万円以上かけて、かけて、見てくれも噛み具合も悪かったら、

   インプラントに金をかけることないでしょう。

 《見てくれの悪いインプラントは、ドラキュラのような、狼男みたいですよ……まるで、口の中の凶器があるようで。》

  そんなのに、
 お金はもちろん、
 命までかけることないでしょう。


  【歯は明眸皓歯、見てくれに大きく関わります】

  見てくれだけだったら、取り外しの入れ歯でも綺麗なものがたくさんあります。


 歯に金をかけることはともかく、

 命をかけることはありません。

 ましてや、高い金をかけて!


   歯の病気では、原則、それだけでは死にませんよ。

 焦ることはありません。焦ることはないのです。

   ただし、快く食べて、
 大口を開けて、笑いましょうよ!


  美味しく食べて、笑えば、気分爽快でしょ?


  それにしても、

《始めにインプラントありき》の 金儲けは論外として (もちろん、インプラントは医学的にも、多々、問題はあります)


  近頃の歯医者は、
 「この歯は、残りません。
  手遅れです。無理です。
   もうだめです。 抜きますょう。」
と、
 どうして、すぐ諦めるのでしょうか…?

 中には、レントゲンも撮らずに… …。


 歯医者が諦めたら、

 患者さんは、抜く方向に傾きますよね。


 わからないのだから。    … … …

 だから、毎度毎度、言うのです。

  何事も、初心を見失ってはいけません。


   私は世渡りには不器用です。

   とにかく、
 どこでも、
 [初めての所、場所には、最初は、いまだに、独りでは行けません。
   コンビニすら、

 一回目だけは、誰かに付き添ってもらうのです。]
  まあ、ある意味、

 この変なブキヨウさ、
  臆病なところが、

  治療には、いい意味での、丁寧さにつながっている気もします。


 〈つむじ曲がり〉なところが。また… …。


   初心を、日々常時忘れなければ、何事も大きく道を踏み外し、
取り乱すこともないと思うのです。


 他の歯医者にはない治療技術(スキル)があるのは、

 確かに、いい意味での、差別化であり、私の売りでもあります。

  自負もあります。


 しかし、いい気になって、おごってはいけません。

  初心を忘れてはいけません。

  【患者さんの方も、どうか初心を忘れないでほしいのです。】


[歯科の初心はまずその歯が残るか、残せるか]

 なのです。

 そこから、(抜くことも含めて)治療が始まるのです。


 患者さんも、焦らず、
   初心を忘れないでください。… … …


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