抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

北海道から二人の患者が来ました。

2013-06-13 | 歯科治療


  偶然ですが二人の患者さんが北海道から私のところに来院しました。

  もちろん、予約です。二人共、紹介無しで。

 言うまでなく、それぞれ別個で、偶然の来院です。
  お二人共、札幌から遠くないようです(私は地理には疎いので)が、渋谷からはね、充分遠いです。

  ひとりの人は東京にも詳しいようでしたが…。
  症状と私への訴えはお二人共似ています。

  〈3年程、3ヶ月に一回通院し、上の一本(歯)の歯の揺れが強くなってきた、というものです。〉

   で、…
3ヶ月に一回、することは衛生士が歯のクリーニングをし、

  最後にドクターが来て、一応、歯を診て、
「では、また3ヶ月に来てください。」 と、…の繰り返しだ、というものです。

    レントゲンは定期的に撮っていたようです。

 そして、最近の診察で、揺れが大きくなったことを、ドクターに言うと、
  「歯周病の末期だから、3ヶ月後か、その前でも、その歯は抜きましょう!……。」
  と言われたということです。

  二人共、40代の女性、   何本(歯)か治療した歯はありますが、全部自分の歯です。

 3年3ヶ月、レントゲンも含め、ドクターが診たのに、【ひとつの歯だけが、揺れが増している】のを…
  「また3ヶ月後に。」とか、
    あげく、
「歯周病の末期だから抜きます。」
  はないでしょう。

  デタラメです…!

 二人は3年3ヶ月の間、定期的に3ヶ月に一回、きちんと通院してたのですよ。

もちろん 衛生士ではわかりませんよ。

  だから、最後はドクターが診たんでしょう!

  同じ歯が揺れてきているのです。

  きちんととケアしている人が半年では【歯周病だけで】
  そんなに大きく揺れてくることはありません。
  ましてや、3ヶ月で!しかも同じ一本(歯)の歯が!……。

  で、3年後、「歯周病の末期だから抜きます。」
  というのがドクターの診断ですか?

  デタラメでしょう。


 3年3ヶ月、3ヶ月に一回、
  衛生士によるクリーニング?

   で、ドクターも診た? レントゲンも定期的に撮っていた?

  (ごめんなさい。)金の無駄。捨てたようなものでしょう。

  改めて、初心に還りましょう。

 《何の為の定期検診だったのですか?》

  で、(本当に偶然で、それぞれ別個の人が)
  私のところに、セカンドオピニオンとして、

  二人の人が北海道から来院したのです。
〔此処でまた改めて確認しときますが、お二人共それぞれ、別々の歯科医院で、別々のドクターです。〕

 正直、難しい診断ではありません。


  二人とも、要は、
【歯周病ではなく、歯が破折している】のです。

 二人に私が伝えたことは、ほとんど同じ内容です。

〔……そうですね…半年前から順を追って3年前の最初のレントゲンを見たいですね。

  同じ歯が揺れてきているのですからね。

  …結論からいうと、歯周病ではなく、歯が割れてるか、ヒビ、亀裂が入っています。

  こうなった経緯、経過が、今日の検査とレントゲンだけではわからないのです。

 3ヶ月に一回通院してたのなら、そうですね、治療をすればね、まず治ってました。

  歯周病でなく、病気の原因を治療せず放置してたのですからね。

 世の中、治らないけど死なない病気と、

 治らなくて死んじゃう病気と、

 治療しないと治らない病気、(治療すれば治る病気)があるのです。

  もちろん、治すのは患者本人です。
  【如何に的確に寛解・回復への道筋】をつけるかが、医師、歯科医師の医者、歯医者務めなのです。

  病気の軽重の問題ではありません!

 歯が割れてる、3ヶ月、半年と放置すれば揺れてくるに決まってます。

  意図的に放置したのではないのら、わからなかったのなら、その勉強不足は問題外です。

 だって、3ヶ月に一回診て、3年間わからなかったのです。

  患者本人(素人=しろうと)が疑問に思う前に、わからなければ、医者としてプロとして失格でしょう。

 せめて【わからないということを、よりできるだけ早くわかって】善処するのが、プロとしての務めで良心、誠意です。

  3年です。もう抜かず治すには手遅れかも。……

  でも、仕事で東京に来るとか、
  半年位東京に住むとかではないのに、

 北海道から通院するのはたいへんです。

  私がいうのもなんですが、歯だけの為に東京に来るのは…。
  私ごときの為に…。

 何かありがたいことですが。

半年、1年位なら、抜かずに治る確率は高いのです。
だって、検診には来てた。歯を大切にしている人なら、…其を、3年後いきなり、歯周病の末期だと、【しかも同じ一本(歯)に症状限られていた歯を!】抜きましょうとは…。……。

繰り返しますが、病気の軽重ではないのです。

癌なら【明らかな症状が出て放置し、見逃したら、2週間で死にます。(それはかの名医、近藤誠先生も指摘しているのです。

歯だからね、死なないけど、抜くか抜けてくるかですけどね。…

でも、それはやはり病気の軽重云々の問題ではないですよね……。

わかりますよね…?……!…。〕


 今まで、セカンドオピニオンとしては海外からも来たことはあります。(私は語学は苦手なので、原則、日本語のできない人は診ません。)

 いまだ勉強していますが、国語、日本語は大好きです。

  仕事絡みとはいえ、関東、甲信越、近畿からは通院してくれる人はいます。(本当にありがたいことです。)恐縮します。

  で、北海道からわざわざ来てくれた、二人の患者さんですが(デキタ話のようですが、それぞれ全く別々の人なので、)

 私は札幌を中心に(地理に疎くて申し訳ありません)歯医者を一生懸命、二人と話し合いながら探し手配の段取りをつけました。

  そして、改めて紹介した歯科医院の詳細と私のコメントを付け加えた手書きの文書を書留で、個々それぞれに送りました。

  私はトコトン親切にします。時に大きなお世話と誤解を招くくらい…。

   ただ、例えば、知り合いでも何でも、
 「…必要だから、明日その本貸してくれないか?」と頼まれると、
  私は、もちろんその本を届けます。


  その際、その相手が、  「ああ、それ? どうでもよかったんだ。」とか、
 「…そうそう、忘れてた…。」とか反応されると、…

 《…だって、君、必要だからできれば明日貸してくれ、と昨日私に言ったばかりだろう……?》
 と思い、シュントなり、引いてしまいます。


 怒ったり、攻撃的になったりはしませんが、

  以後、余程のことのない限り、

以後、その相手には関わりたくなくなり、その相手に対しては一切何もしなくなります。

  で、今度は《冷たい奴》と誤解されることもしばしばです。

  それでいいと思っています。八方美人は嫌いです。

  そのぶん、わかってくれる人からのかけがえのない喜びを得ることもあります。

  数少ない親友との仲もより深まります。

(昔、共産党の先生から、ひとりふたりの親友より、20人、30人の親友を持つ方が幸せだろう!と、叱られたことがありますが、子供心に、何、頓珍漢〈トンチンカン〉なこと言ってるんだろうと思いましたね。この先生は、もちろん40年以上前ですが、北朝鮮の教育を誉めてましたからね。)

  私はトコトン親切にします。

 私は原則、患者さんとはプライベートな付き合いはしません。(12年いる二人の優秀な助手とも、プライベートではコーヒーも共にしたことはありません。)

 患者さんを差別しません。

  ただ、どうか、だから、だからこそ、
  【無断キャンセルはしないでください。】

  無断キャンセルが続くと、私は退(ひ)きます。

   もちろんセカンドオピニオンは構いません。

  私は自分の診断、治療技術=スキルに、医学的根拠をもって丁寧に時間はかけます。

それだけの自信と自負もあります。

日々、勉強、技術的にも研鑽を積んでます。

  だから、無断キャンセルはもちろん、

  短期間、同時に、私と他の歯医者と二股、掛け持ちはなるべくしないでください。

 焦らず、一端は止まって、私と接してください。
 もちろん、その後、物理的にも心理的にも私のもとに通院しなくても構いません。(当然ですよね。)

  私はいい意味で患者離れもします。

小さな手作りの歯科医院です。(私と二人の優秀な助手だけの)

  自分の範を越えてれば、矯正でも、インプラントでも、医者でも、大学病院でも、大病院でも、紹介する誠意、全力は尽くします。

  二股、掛け持ちをかけている場合はその旨も、説明してください。

 一度に一気に多くの人の人の意見は聞かず、焦らないでください。

 1ヶ月はもちろん、場合によっては半年でも、歯は抜けてきません。

 まずは私の所で一端止まってください。

  浮気がひどくなると、信頼関係も危うくなるものです。

  【まず何より無断キャンセルはしないでください。】

 人間です。相性も好き嫌いはあります。

 カタックルシイことではなく、何事にも右も左もなく、秩序、常識、ルールは大切です。

  ただ、人間、《暗黙のルール》というのもあると思います。

 私は《暗黙のルール》こそ、《誠意》だと思います。

 私は《そういう意味での誠意》は尽くし、トコトン親切にします。

 私は文章は上手い?ですが世渡りは下手です。

  引きこもりがちの欠点だらけの男です。

 ただ、シンプルに(シンプルイズベストです)自分がされたくないことは人にはしません。

  それでも、人間、わからないことだらけです。
  でも、みんな一緒で同じなんて、人生おもしろくありません。つまらないです。

  人生不可解。

 かの天才詩人、宮沢賢治、そして、私の大好きな作家、…

  稲垣足穂(イナガキ タルホ)も云ってます。

  【……ワカラナイノガネウチナノサ…】

   と…。


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赤ん坊を連れてきても大丈夫です。 安心して気をつけて来てください…。

2013-06-04 | 歯科治療

…… 「…この歯は残せませんと言われ、相談だけでも思うのですが、赤ん坊がいるので…。

  主人のいる土曜日か、母に預ければと思うのですが…。「なかなか難しくて。で、近くに行くと、やはり、抜くと言われ…近くの歯医者だからといって、赤ん坊を預かってくれるわけでもありませんしね。」

  こんな患者さんの訴え、問い合わせが増えました。

  土曜日等、何とか都合つけて来る人もいますがたいへんです。

  中には、間に合わず、抜いてから(抜かれて?)来る人もいます。

  歯を抜く前に、焦らず、私に聞いてください。
 11年以上いる二人の助手と共に、親切に対応します。

  今は薬も材料も優れています。

  焦らず、抜かず、応急処置でも、場合によっては半年位は大丈夫です。(歯医者の技術=そのスキルにもよりますが。)

  《もちろん、治療は終えて、治して、年2~3回の定期健診とクリーニングが大切なのですが。》

  しかし、近年、何しろ、すぐ抜く歯医者が多くなったので。

 骨は再生しますが、歯は抜いたら生えてきません。

「…早いとこ抜かないと酷い目に合いますよ。と言われまして…。」とか、
   「妊娠と子育てで歯を悪くして…。」とか、

「抜かないと手遅れになる、…なりますよ…!と強く言われて。」
 と訴えて来る人もいるのです。

「…抜いてから、先生のこと知りました。」
「もっと早く先生のことに気がつけば…。」
「先生の評判を聞いて…。」
「先生を紹介されて…。」
云々……。と云う患者さんが…増えましたね…。増えたのです。


 早く抜かなくても、酷い目には合いませんから…。…
   早く抜いて(抜かれて?)酷い目に合わないでください。

逆に、早く抜いて(抜かれて?)からでは、…手遅れですから。!……!!

 私の診療は、痛み等、緊急性を除けば、原則ほぼ完全予約制です。


 また、私は、私の診療中の患者さんが、予約外に来ることはまずありません。(自他共にに認めてくれています。)

   治療には集中し念を入れているのです。

 当然一回の治療時間もかけるし、一回の治療時間が長くなることもありますが、最終的には(いい意味で)早く終るのです。

  2年以上週一回通っても、十本(歯)近くの歯が一本(歯)も治ってないという患者さんが(相談も兼ねて)来ること等はしばしばです。


 かの近藤 誠先生ではありませんが、「……治さない方が儲かりますからね。」と、つい言ってしまうことも…。


  だからまた、だからこそ、私は《無断キャンセル》が続く患者さんは、その後の治療の継続をお断りすることもあります。


安心して気をつけて、赤ん坊を連れてきても大丈夫です。


  但し、診療中だけですよ。


  また、厳格な意味で、その手の施設、資格があるわけではありません。

  「買い物に行っている間、赤ちゃんの面倒見てるからね…。」
……
という《いい意味合いでの信頼関係》に基づいた気持ち〈ノリ〉で、相談してください。


  私のところに通わなくても構いません。
 相性も気分も物理的問題もあるでしょう。


  だけど、原則、《同時に他の医院との掛け持ち=二股(ふたまた)は掛けない》でください。


  【一端、中断して私のところには来てください。】


   その歯を抜くかどうするか?…残るか残せるか?…インプラントも含めて、何がベストかベターか……


    私の診察、診療、診断が、最終判断くらいの気持ちで来てください。

  但し、穏やかにリラックスして肩の力を抜いて気楽に。


  私は精神科医とも、友人も含めて交流がありますが、


  [医学を知らない歯医者も多いですが、
  心理学を知らない精神科医もそれはそれは多いです。]

私はそこらの精神科医より、外様だからこそ、よっぽど患者さんの気持ちがわかること、みえてくることがあります。

   DV,虐待,、ストーカー居るんですよね。困ったものです。考えられません。


  社会学の分厚い教科書の一節にこんなことが書いてあるそうです。(優秀な文系の親友が《手書きの手紙で》で教えてくれました。)


  […道徳教育においては【曖昧なものに耐えうる能力】について考えさせることが肝要です。
   …【曖昧なものに耐えうる能力と情熱】がなければ、人間、生きてゆく価値はないと思います。……]。


 赤ん坊を連れてきても大丈夫です。気をつけてきてください。

  相談してください。


   手遅れになる前に。


 人生はやはり長いです。焦らないことです。


   骨は再生しますが、歯は抜いたら生えてきません。歯は唯一、物理的に食物を消化する大切な臓器です。【臓器なのです。】

  快眠、快食、快便!   ですよ。


  歯科の初心はまずは、     その歯が残るか残せるかです。

  まずはそこから(抜くことも含めて)なのです。

  いきなり「その歯は抜きましょう。」はないでしょう。…!


  初心忘るべからず。       初心不可忘。


  赤ん坊を連れてきても大丈夫です。

  相談してください。
 ………

  手遅れになる前に。
   何事も焦らないことです。

 ……自戒も込めて。……。

私は【最終判断】の手伝いをします。(大学病院に【紹介無し】で行くのは、医科でも歯科でもこれまた最悪の選択ですからね。)


[……曖昧なものに耐えうる能力と情熱がなければ生きてゆく価値はない…。]と、私も思います。改めて、ここで、つくづくそう思います。…!

道徳と礼儀、礼節を真面目に考え考慮しても………。……―
…。

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