抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

インプラント事故、《雑感》…。

2013-03-13 | 歯科治療


  インプラントで死亡事故を起こした、東京の飯野先生が有罪になりました。

  もちろん、私は飯野先生と知り合いではありません。

飯野先生は、本来、勉強も、実績もある先生だと思います。(本当です。)

 ただ、医者、歯医者、真面目な患者の話を聞くと、だんだんと医療常識から、かなりはずれた治療をするようになってきてしまったようです。

……
 まさに、金儲けの治療だったのでしょう…。

 私はインプラントを勧めませんが、再三、繰り返してるように、
   インプラントを全否定するものではありません。

  ただ、【有罪】
というのは、相当のものだったのでしょう。

  私は、(もちろん、大多数の良識ある人達も)
  原則、【過失は罪ではない】と、信じ、思っています。

  もちろん、酔っ払い運転、居眠り運転、無免許運転など、とんでもありません!

  大罪です。

 ただ、規則を守り運転してて、いきなり、車の前に飛び出してきたら、急ブレーキをかけても、
  ぶつかります。

 これは、弁護士、検事、裁判官、医者、患者等、真面目な人達の意見、実際の分析からの結論ですが、

 医療訴訟の100件のうち、医者に否があるのは、
  1件か2件です。

 100件のうち2件、おかしな医者がいるのも充分こわいですが、

  大多数の医療訴訟は、報じませんから、

 とんでもない医者が報じられると、まるで、多くの医者が悪いように思われがちです。

  医者の多くは、多くの医者は、患者さんの治療に全力を尽くしています。

 患者さんの快復に努め、その全快を信じ、祈っているのです……。

  誠意を尽くしているのです。本当です。

みんな、一生懸命ですよ!

 だからこそ、あえて、断言します。

 【過失は罪ではないのです。】

 そりゃあ、命に関わることです。医療行為は重く、責任が伴うのは当然です。

 人間、誰しも間違いはあるし、する。完璧などありえない!
 と、簡単に言えるものではありません。

 しかし、やはり、人間のすることです。
 ミスはあります。
 完璧ではありません。

 何事も、100%はあり得ません…。

  あまり、ミスだ、ミスだと攻められ、責められたりすると、…
 「こうすれば、こうやれば、この手術をすれば、この治療を施せば、生きられる……。
  でも、上手くいかなければ、死ぬ……。

  だけど、このままでも、このままでは、間違いなく死ぬ!…死ぬのは時間の問題だ…。」                     と、いう状況、ジレンマに陥り、迷った時、

 「…いいや、何もせずにいる方が、いいや、無難だ。訴えられ、責められたらやだ…。」

 と、【いい意味での思いきった治療】をしなくなります。

 悪い意味で、【無難に…して…治療を逃げてしまいます。治療をしなくなってしまう】のです。

なかでも、 特に歯科は、歯を抜かなくても、残さなくても……。

 抜いても死なないし、
 うまく、インプラントにすれば儲かるし、


 たいして、儲からなくても、義歯(取り外しの入れ歯)にすればいいや……(くどいようですが、インプラントは入れ歯の一環です。)

 と、なってしまうのです。

俗に云うところの《やらずの大関。》です。

ストレスになるし面倒だ…何もしないでおこう…です。

  だからこそ、
 【原則、過失は罪ではないのです。】

  医療行為に限らず、何事にも、過剰に攻めすぎない、…責めすぎないことだと思います。

  其が、お互いの為…ひいては自分の為です。

 キリストではありませんが、規則を破った者に多くの民が石をぶつけた時、
 「…おまえたちの中で、罪をおかしたことはない、と、言い切れる者はいるのか!…この者に石をぶつけることができる資格のある者がいるのか?…!」

 皆…石をぶつけるのをやめました。


まあ、
  そんな中、インプラントで、【有罪になった】というのは、
飯野先生は、初心を忘れ、…

 何時からか、初心を見失っていたのでしょう。
 ……。

 お金、金儲けにも、目を眩ませていたのでしょう。

本来の 自分を亡くしていたのです。


 金は、時にごくごく常識的判断を、時に、しばしば、簡単に狂わします。
  「…えっ!あの人が……?」
 殺人事件をも起こします…。…
 ですよね?…。

 世の中、毎日、古今東西、金の絡まない事件はありません。

《金(かね)は、宗教です。麻薬です。トリツカレルと自分を失います。》

 自身、日々、自戒を込めて、反省です。

常に、 《初心忘るべからず》が、日々肝要です。

 《歯科の初心は、
 まず、歯が残るか、
 抜かず、
  残せるか……
 なのです。》


 で…その原点から、
 歯を抜く、被せる。
 充填する。

  義歯、インプラント(インプラントは入れ歯の一環です。)と、進めるわけです。


 なるべく、抜かず、もちろん、不必要に削らずに……。


ところで、

   歌手の〈都はるみ〉=みやこはるみさんは、
  もう20年以上前ですか、…二年、歌手活動をやめ、その間、

  インプラントを相当、埋め込んだそうです。

 確か、ラジオでも本人も言ってました。

  相当の金もかけて。

 「……取り外しの入れ歯(義歯)では歌えない、と…。」

 私は、義歯でも歌えると思いますが、

 それはともかく、

 インプラントは、直接、骨に埋め込む分、顎関節を直撃します。

  自分の歯は、優れた、それは優れた、精巧な【歯根膜】というクッション=感覚器があるので、顎関節を直撃しません。
  これが肝要で、その考慮がないと、

 顎関節は、腰と同様、体の関節の全ての関節を支配する、【要(かなめ)の関節】なのです。

 体を支配する中心的な、要(かなめ)の関節なのです。

 自分の歯、自分自身の歯には関節を直撃しない仕組みがあるのです。

 【歯根膜】には、(人間には)【神の技】としか思えない、それこそ、人智の到底及ぶことのできない(まだ解明もされてない…理屈抜きの精巧な仕組みがあるのです。…!

     都はるみは、インプラントを契機に、明らかにアクションも迫力もなくなりました。

体調をしばしば崩し、ずっと病気がちです。

 年齢はまだ60代です。まだ充分若いです。

  先日、復活コンサートをしましたが、元気なく、正直、全く声は出ていませんでした。

  気管と喉を病んでたということでした。

  あの声、あの関節の動きでは、耳(場合によっては目も)悪くなってるんじゃないかなあと、思われます…。

  インプラントの丁寧な定期的なケア、噛み合わせのチェック。

  そもそも、インプラントの噛み合わせはきちんとしてたのか?

  ただ、いずれにしても、インプラントは顎関節を直撃しますからね。

 《食い縛り》等、含めた、3~4ヶ月に1回の口腔のメンテナンス。

 毎食後、1回、3分以上、の正しい歯ブラシ……等々…。

  プロの歌手です。当然、していなければなりません。…!

  酒飲んで、時に、憂さ晴らし。(いいよね、ストレス解消です。)

 でも、歌手です。声が出なくて、体調がすぐれなければ、ストレスも何もありません。

  憂さ晴らしどころか、気分が沈み、それこそ、憂鬱で精神も病みます。

  私の最も尊敬してる作家、《坂口安吾=サカグチ アンゴ》ではありませんが……。

 「…人間、精神、精神、…根性などと云うが……肉体をナメチャいけない…、肉体を軽くみないことだ。……肉体をバカにしちゃいけない…。」
  です。

 その通りです!
まさに、その通りなのです。

 都はるみさん自身、そして、インプラントを施した歯科医師も…

 彼女の声が出なくなった原因の1つにインプラントが関わっていたと思っていないのですかね?…?…!

 多くいる真面目な歯科医師で、それなりの入れ歯、義歯、取り外しのものでも、作って、きちんと装着してれば、あの程度だったら歌えた思います。

インプラントにしないで、
 取り外しの入れ歯でも、きちんとケア、メンテナンスしてれば、(少なくとも、今の都はるみさんを見ている限り)
  もう少し声も出て、

 第一、肺や喉も病むこともなく、

 もっと動けて、
 快便、快食、快眠だったような気がしてなりません。

   私はインプラントを全否定するものではありません。

 ただ、口の中は、肺炎菌はもちろん、ウイルス、バイ菌の宝庫です!文字どおり、入り口です。

 ……歯はまず、自身の歯を残しましょうよ!……。

  抜く前に、考えてください。

 私に限らず、
 【ないしは、こんな私でも、診てもらおうかな、と、思ったら、】

  どうか、抜く前、抜かれる前に来てください。

痛い人を明日来てくれとは言いませんが、…


 お互いの都合、事情もあるでしょう…。


  予約が、1週間、2週間先になるかもしれません。


 それまでに、急な痛み、応急処置が必要な際は(私の名を言っても構いません。)


 どうか、 身近なところで、仮に処置してもらってください…。

  抜く前に、抜かれる前に………。

どうか、そうしてください。

 再生医療はまだまだ先、遠い先の話です。


 歯は抜いたら、もう、生えてきません。【はえてこないのです。】


 もちろん、私でも抜くことはあります。

 抜くのも、治療の一環です。(時に、他の歯を守る為にも…。)


 至らないとこも、相性もあります。【相性は大切です。何より、その信頼関係にも。】


  よく聞いて、全力、
 誠意は尽くします…。


 歯は抜いたら生えてきません。はえてこないのです………!


 何事も人生、じっくり構えて、焦らないことです。


 【初心不可忘】
………

ところで、もう1つ!
ねぇ、もうやめてくれませんか、週刊誌さん。


【不当に低い歯科の医療費の不当、理不尽なおかしさ、大多数の真面目な歯医者の報われていない矛盾している事実、現実その現状を、正確に真摯に報道しない】で、


インプラントを煽るのはやめませんか…。


インプラントの需要はアメリカでは減っているのです…。

インプラントの利点を報じるのは結構です。


【私も否定はしません。】

しかし、煽るのは、真面目な優れたインプラントの術者も喜ぶところではありません。


インプラントそのものの危うさを報じないで、【インプラントは自分の歯だ、と、報じるのは、煽るのは、もうやめましょうよ!】

…真面目な医者、歯医者は呆れてます。………!

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