抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

歯医者(とは限らないでしょうが)には、やはり、才能= センスが不可欠です… …。

2014-09-13 | 歯科治療

繰り返しますが、歯がなくても、死にません。



歯がなくても、食べることはできるし、噛むこともできるのです。

【歯がなくても、噛んでれば、ボケません。】


私は[それでも、(それだからこそ)歯は大切なのだ。

…できるだけ、抜かない(抜かれない)方がいい、と、素直に、わかりやすく(?)、


繰り返し、
云ってるだけなのですが……。]


   昔からの言い伝えに、
 【猿に水泳・犬に木登り】というのがあります。

  これは、《猿には、水泳の才能=センスは乏しく、》
   《犬には木登りは難しい》、という意味で、


  何事も、その才能=センスのないものにいくら教育しても、ある意味、無駄で、

 やはり、人には、得て不得手、向き不向きがあり、
(いくら本人がそれを望んでも)無理がある。
という教訓です。


  [それをその本人に教えてあげるのも教育者=師の、重要な務めだ。]  ということです。


  私の同級生に、成績は常に上位、留学もし、    博士号も、もちろん取得し… …

 という秀才が居ますが、
 彼は、手(その治療技術)が動かず、どうしても、

 臨床には向かず、
手が頭についていけないのです


 結果、彼は、臨床を諦め基礎医学の道に励み、

学者になり、

  国立大の歯学部の教授として、学者として、後進の指導をしています。

  かの、ノーベル賞の山中先生も、手術が上手くなく、


臨床には向かず、…

…基礎医学の道に転じ、云うまでもなく、
  大成し、素晴らしい業績を残しています。


  ここで、何度でも、強く、かつ、強調しておきたいことは、

 【私の優秀な教授になった同級生も、
  ノーベル賞の山中先生にしても、


  臨床には、不向き、臨床は苦手でしたが、

 断じて、不器用ではない。不器用ということではない!】
   ということなのです。

 山中先生などの、基礎医学には、

  正確な手順と細かい、繊細な実験と、…根気よく取り組まなくてはいけません。


緻密な作業の連続と繰り返しです。

  不器用ではできないのです。


   私はというと、
 まず、死体というのを見たくありません。

 動物でもです。

 本当に苦手です。

 だから、私は解剖医、監察医など、
全く、自分の選択肢にはありませんでした。

 (外科医は希望してましたが。)


  私は、コンビニ弁当の海苔や辛子や醤油の袋など、器用に開けられません。

 蛍光灯や電気などのの交換も、満足にできません。
  …しません。

 まあ、やる気の問題なのでしょうが、
  苦手、…嫌いですね。

  通常、人間の集中力の持続は二時間程度と言われています。

 私はまさに、その典型で、二時間を越えると落ち着きを失います。


 だから、自分にはデスクワークは向かないと思っていました。


 また、一匹おおかみ、マイペースな面があり、

 詩人、評論家(とりわけ映画評論家)になりたかったのです。


  まあ、とにかく、高校は1年半しか行ってません。

詩人の才能にも限界を感じて、

  国立の医学部はどこもおちて、


 私立の医学部は膨大な金がかかります。


 なんとか、喰わねばならず、それほど、金のかからない、歯科大学に滑り込みました。

 (言うなれば、中卒の歯医者です。)


 まあ、大学院まで行き、なりに集中力はあるので、
  臨床には向いてるかな…と。


 語学が苦手で(何しろ中卒です。)
   不良で落ち着きがなかったので、

  当然、学者の道は選びません。
 (頭は悪くないとは思っています。)
 (エラソウにすみません。)


 ただ、歯を残す治療には、
  【直径で、0.2ミリとう針を、歯の神経に通します。】


 まあ、それなりの技術(スキル)と集中力が必要です。集中力の持続が必要なのです。


 まあ、間違いなく、私は【短期集中型】なので、臨床医向きだと思い、自負しています。

 学者向きではありません。


   ここて、改めて、誤解しないで欲しいことは、
 勉強がてきても、
 治療は下手な、医者、歯医者がたくさんいるのか?
   というと、
 断じて、そうではありません。


   概ね、
 勉強ができない人は、
   やはり手も動きません。


 そもそも、《勉強ができない人は集中力の持続がありません。》


 学者はもちろん、気が抜けない、

  臨床の治療に不可欠な繊細な技術(スキル)
 に、集中力が保てない、
向上心のない、
 根気のない勉強ができない人に、

学者はもちろん、


臨床医としても、 優れた治療ができるわけがありません。。


 【要は、哲人、識者が昔から謂っているように、……己を知る!ということに尽きるのです。】


私の患者さんに、芸大をでて、海外でも活躍している女性のバイオリニストが居ます。

 私が、
 「私のようにリズム感がない者は、芸大なんて、夢のまた夢。…ピアノもやめましたよ。」
 と、言ったら、

 そのバイオリニストの患者さんは、

 笑いながら、

 「先生は、それに気付いたからいいのです。
  芸大にも、自分にはリズム感がないと、気付かないまま、
  音楽を続けている者が、たくさん居ますよ。」
  と笑いながら、言います。

 私は驚いて、聞き直します。


   リズム感がない人が、
  芸大に居るのですか? と。

「先生、それが居るんです。本人は、リズム感がないのを自覚してないのす。」

 私は、どこの世界もそうなんだと、
 改めて思い直しました。

 そうです。医者にも、歯医者にも、
  不向きなまま、続けている者が、まだまだたくさん居ます。


自分が気付いていない。  患者さんは困りますよね?

 下手すると、
  医者なら死にます。
 まあ、人間、そう簡単には、なかなか死にません。

  治るのに、時間がかかる、遅れる
 はあります。

 あとは、運(人生、運も絶対あります)ですね。

 まあ、歯で言えば、
 「歯の病気では、死に直結しない。」
 と、構えること。

 焦らないこと。(何事もですが。)

 《歯でも死にます。》   と、煽られないこと。

 但し、歯の病気は、
 痛いです。

 《その際、
 焦り、煽られ、
  急かされ、

 焦って、自分の歯を抜かない(抜かれない)こと。》

 あと、歯は見てくれには、密接に関わります。

 其れなりに、噛めて、
 見てくれがオカシクなかったら、

 (個性も大切。)

 やたら、白くしたり、
 削り過ぎて、
   人形のように揃えてもね… …。

 そこは、やはり、焦らずじっくり考えて。

 《歯の痛みを、最も速く、手早く取る方法は、
 歯を抜くことですからね。》

 あとは、《何もせず、薬でゴマカシ、引きずること。》

  時には、抜くことも、もちろん、必要です。

 ただ、すぐ抜く(抜かれる)とか、

 年2~3回は、定期的にケアに通院しているのに、
 《常に、同じ歯が問題を起こしているのに、
  同じ説明しかせず、
 「様子を見ましょう。」 で、せいぜい、薬だけ… 》

 もちろん、時間と経過観察、様子見も必要ですが。

 昔から、学者は、楽天的な方が大成すると云われてます。

 実際、優れた業績を残している学者は、
 楽天的です。
 (自殺してはいけないんですよ。)

 まあ、あまりにも、どこかの女の研究者みたいに、能天気でも困りますが。

 それに対して、
 臨床医は、
 【少し悲観的な方がいいと云われてます。】

 少しですよ!

 その方が、治療に慎重になるのです。


 学者は、死を見て、観て、
  臨床医は、生を、
  生身の人間を、         見る、観る、
     診るのですから。

 オドカスのはいけないですが、能天気でもね… …。

 臨床医はね。

だから、少し悲観的なのがいいのです。          (学者はね、アキラメズ、楽観的に、
 また 死体(実験)を繰り返せば。)


  しかし、【臨床医は、
   その生身の、唯一かけがえのない、

  世界でひとりの人、     あなた=オンリーワン  を見る、観る、診るのですから。】

 だから、個性も財産。
 歯も、まずは、
 あなたの自分の歯を大切にすることです。

 そこから、
 見てくれ、審美、
   抜くことも含め、
 考えていくことです。

 見誤りなく、焦らず、   煽られず、
 急かされず。

 むやみに、CTを撮られて、

   やたらでかい、マイクロスコープを、狭い口に入れられて、

 バイ菌の画面を見せられて、

 《時に、動機付けと、
 情報把握にはいいかもしれません。》


 しかし、
 何よりも、現段階では、もちろん医科もですが、

とりわけ歯科では、
 【直視、直接の触診、
 直接の聴診。
   直接、においも嗅ぐ。
何よりも、五感をもって、直接、触れることなのです!】

 で、私には、
 加えて、【第六感】       と、その治療技術=スキルがあります。


 ただ、ごめんなさい。
 物理的制約と、

 やはり、私も、そこらの人間。


 好き嫌いもあります。
  相性もあります。

 私も患者さんを選びます。


 ただ、プライベートな付き合いではありません。
  私はプロです。
(私はどの道、業界でも、プロを尊重します。)

  私は、ある意味、中卒の異色の歯医者です。

 第一印象で、即断もしないでください。


 人付き合いは、苦手で不器用です。


 CTだ、マイクロスコープだ、
   デジタル画面だ、
 バイ菌だと、

 そのコストを附けられてはね… …(納得すればいいですが。)


 ただ、しかし、ましてや、
 すぐ抜く(抜かれる)のはね… …。


 焦らず、
 [患者さんの方は、少し楽天的な方が… …

 とりわけ、私のもとには、

 歯医者に不信感、
  不安、
 コワガッテいる人が来るので。]


 わざわざ来院、通院、恐縮します。

 驕らす、傲らす、
 日々修行、勉強します。

 《相性はあります。》

 重々わかります。


 しかし、こんな奴ですが、

 誠実に、真摯に、
 誠意をもって、接しています。

 至らないところは申し訳ありません。


 反省、学習します。
 (人間、欠点も、個性です。人間味です。)


 【歯科の初心は、
 まずは、その歯が残るか、残せるかです。】
そこから、歯の治療が(抜くことも含めて)始まる、
治療をはじめるのです。

 これは、何度でも、私は繰り返します。


 焦って、自分の歯を抜かない(抜かれない)ことです。

 引きずらない、
 引きずられない。

 煽れない、
 急かされない、
   オドサレナイ、

 恐がらないことです。

 人生、何事も、初心を見失わないことです。

 迷ったら、初心に還ることです。


 自戒を込めて、改めて、そう思います。


 【幻冬舎】から私の本が出ます。
 (少しは大筋がわかるかな、…とも。)

 よろしくお願い致します。

… …初心不可忘…       …。

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