抜かない歯医者のひとりごと

歯の健康は全身の健康につながる。渋谷で開業中の保存学認定医が、なるべく歯を抜かない治療にまつわるトピックを語ります。

不健康にして、金儲けする職業は、歯医者だけ?(多様性が大切です。)

2021-10-30 | 歯科治療

遺伝子は自分勝手です。免疫には、倫理観=幸福論は無用、不要です。


ー~「まず、私は、何を言いたいんだろう?

ふと、頭によぎったのは、~患者を不健康にしてまで、金を儲けたくない、の一事(いちじ)だ。


で、唐突に、こんな言も、頭に浮かんだ。

ロマン・ローランの小説、

(ベートーベンをモデルにしたとも云われる)

主人公、ジャン・クリストフの言、


「失敗は、人間を成長させる。

…君が、失敗したくない、と言うのなら、簡単だ。

何もしなければいい。」


〈今、やることは、その歯を抜くことじゃないだろう!〉

私は、日々、怒り、叫んでいます。


[【できることをやる】のが、

目の前のできることから、まずやるのが、医の本道、大前提です。


とりわけ、歯医者は、この前提が分かっていません。

《歯医者には、医者でない歯医者が多すぎです。》


私は、つくづく、

「努力は報われない。

正直者はバカをみるなあ。」

と思います。


それでも、私は、正直者でありたいと、思うものです。


綺麗事でも、いい子ぶるのでも、ありません。


《辛いこと、シンドイこと、やなこと、苦労は、退屈しません。》

凡人の退屈は、絶対に、不善と不幸に繋がっています。


坂口安吾(サカグチアンゴ)の云うところの、

「…悲しみ、苦しみは、人生の花だ。

悲しみ苦しみを逆に花さかせ、たのしむことの発見……、


第一、失恋は得恋より、よっぽど退屈しない…

退屈は、人間の営みでは、不善、不幸である。

退屈は、魔の退屈だ。」


私は、だから、

努力が報われなくても、

正直で、割りに合わなくてもも、

私は、正直でありたいと、


正直者で在りたいと、

行動するものです。

《退屈は、魔窟=悪魔の棲み家です。》


キリスト教ではありませんが、

〈信ずる者は救われる〉

これは、ある種、宗教の公理で、人間にとっては、永遠の葛藤でしょう。


私は、釈迦・ブッタは好きですが、無宗教です。


私を信じてください。と、言いたいところですが…、

先ずは、私を信じてほしいのです。


神は、とりわけ、一神教では、

信じない者は、救いません。

殺すことすら、あります。

何しろ、神ですから。


しかし、私など、そこらの凡人です。


しかし、しかして、また、

【私は、歯を残すプロ、スペシャリスト】です。

私を信じてくれなければ、救えません。

歯を残せません。


というのは、

私も、治療のやり直しをすることがあります。

(で、その手の治療は、大学病院も含めて、抜くという歯を、残す治療です。

残せない、残せない、と言われた歯の治療です。

または、大学病院も含めた治療の尻拭いです。)


それを、残す治療、手術です。

私は、歯の神経の専門医ですから、私の治療は、手術も、治療後も、手術後も痛みはありません。


正直、若い頃は、まだまだ未熟でした。

勉強し、悩み、反省し、学習、…研鑽、修行、修練です。


そんな私でも、

「これは、やり直します。」

と、説明すると、

失敗と不信を思い、私を信じなくなる患者さんが、稀にいます。

もちろん、10人にひとりどころか、100人にひとりいるかと言っても、言い過ぎではないですが。

ただ、私の所は、もともとが、歯医者に不信感を持っている人が、来院するので。

(で、ネット時代です。)


私を信じてくれなければ、

私を信じなければ、救えません。


私は、神ではありません。

見放しません。


と同時に、

人間です。失敗もあります。

[ただ、ここで、断言、強調したいのは、

取り返しのしようない失敗は、断じてしない。

ということです。]


加えて、困るのは、私は、やり直しの治療は、治療費を重ねて取らないことがあります。

(もちろん、説明して。)


しかし、それをまた、私の失敗と、思い込み、

不信感をつのらせる人もいるのです。


で、高い治療費の歯医者に行って、めちゃめちゃにされる人もいるのです。


私は、正直、愚かな人だなあと、

言い過ぎかもしれませんが、

バカだなあとも。


で、口車もあるのでしょう。

高額の治療です。

やんわりと、巧みに、治療の失敗を、私のせいと、患者の不養生のせいにするのです。


常套句は、

「骨が弱い。歯周病が酷い。

骨に感染している。

歯が割れてる。

歯にひびが入っている。云々。」

等々、あることないこと、ないこと、あること、並べ立てます。

(思い当たる人、いるでしょう。)


で、今のうちに抜いて、

悪くならないうちに、

…とりわけ、噴飯ものは、ガンにならないうちに、抜きましょうです。

まさに、確信犯です。


いいですか?

繰り返しますが、

抜け抜け詐欺師達の常套句の最後、極めつけは、

《いずれ、この歯は駄目になる。》です。


いいですか!、今、目の前にある危機を救わなければいけないのです。

今、やれることに全力を尽くすことです。


九州地方で、

50年に1度あるかないかの、大雨の災害があったとき、

「うん、これは、地球温暖化のせいだ。」

と、悠長に言っている、学者、役人、政治家がいました。

それに対し、農家の人が、怒鳴っていましたよね。


「地球温暖化?そんなの、世界で、お偉いさんがやってくれ!

50年に1度あるかないかの災害が、毎年来ているんだ!

まずは、土地の強靭化、国土を強くして、目の前の、

今の災害を、未然に防いでくれ!

また来年も、50年に1度あるかないかの災害で、地球温暖化かよ!」


この怒り、叫びは、当然至極、小学生でも分かります。

(というより、素直な小学生の方が、的確かもしれません。)


転じて、歯医者はどうでしょう。

目の前の、救える歯を救いません。

(救えない、勉強不足の輩もたくさんいますが、)


やはり、よくも悪くも、失敗と、このご時世、クレームもね。


それなら、

《安全に?…安全策として、

抜く方向に、誘導するのです。

冒険せずに?

触らぬ神に祟りなし、ですかね。》


で、巧くいけば、

インプラントです。

《健康な骨に、穴を開けて。》

金も入るし。


(後日、触れますが、今、インプラントの需要は、減っています。

加えて、広告料、宣伝費の取り返しに、必死です。)


繰り返します。

いずれ駄目になるから、歯を抜く、というのは、

50年に1度あるかないかの災害は、地球温暖化のせいだから、と

何もしないことと、一緒です。寸分、変わりません。


目の前の死にそうな人を見て、

「いずれ、死ぬんだから。」

と、何もしない、救おうとしない、助けないことと同じです。


失敗したくないから。

自分の成長より、我が身の安全だ。


歯なんか、抜いても、抜かれても、死にやしない。

何とか、残しても感謝されない。


何より、金にならない。割りに合わない。

(実は、歯を残す治療技術がない。

治療方法も分からない。)


私は、歯の神経の専門医、スペシャリストです。


前にも、記しましたが、天皇陛下(今の上皇)の心臓の手術をした、天野篤先生は言っています。

「私は、心臓のバイパス手術では、日本一、世界一と云えるくらいの自信はあります。

しかし、他の心臓の手術では、私以外にも、名医はたくさんいます

でも、バイパス手術を極めるには、他の心臓の手術を、極める勉強と研鑽が不可欠です。」


歯もそうです。歯の神経の治療を極めるには、歯を残すには、

当然、歯周、歯肉、粘膜、義歯、入れ歯、被せもの、材利、テクニック、インプラント、等々、そして、歯を抜く=抜歯も極めるべく、勉強、研鑽が不可欠なのです。


私は、どこにでもいる、そこらの凡人です。


失敗もあります。

しかして、また、私が歯を抜く時は、

歯も神経も、歯周も、歯肉も、粘膜も骨も、(生物は)すべてが、緊密に繋がっている、分けることはできない。

分けられないと、熟慮し、考えぬいてのことです。


【要は、心地よく、食べて、話して、喋って、噛めて、過ごせるように。】


と、目の前の、あなたの歯を、残すこと、救うことが、私の使命です。

初心です。救いです。


というのは、私が、限りあるからです。

私個人は、私の人生は、私限りです。


今、コロナ禍もあり、遺伝、免疫が流行り(はやり)です。


しかし、今更ですが、遺伝も免疫も、極めて、利己的です。

ただ、生かすことが仕事です。


倫理も何もありません。

障害者になろうが、寝たきりになろうが、生きる屍になろうが、

犯罪者になろうが、人殺しも何も、そいつを、生かしとくのが、遺伝子の努め、務め、使命、役割です。


目の前の危機は、遺伝子にとっては、そいつの生命を生かしといて、後は、駄目なら、次の世代へ。


限りある命、個々のこと、個人のことなど、ましてや、

個人の幸せ、喜び云々など、遺伝子にとっては、全く、関係ありません。

当然至極なんですけど。


地球温暖化も、災害も、遺伝子には関係ありません。


宇宙規模で、遺伝子は、利己的に働いています。

だからこそ、そもそもが、多様性が、当然なので、大切なのです。


遺伝子(免疫)は、ウィルスは、あまりにも、ワカラナイ、の、一言(ひとこと)なのですが、また、記します。


限りある人生の、そのまた、更に、限りある歯を、目の前の歯を残すこと。


目の前のやれることをしないで、

生きる屍になって、細胞化して、人間でなく、ただ生きる、生きるだけなのですか?


細胞と化して、生きているだけなのですか?


歯を残すのが、歯医者の初心です。


私の治療を信じて、(時に、治療をやり直ししても、)

長く、気持ちよく、心地よく、

自分の歯で、話し、食べて、笑って…。私の治療で。

私を信じてくれた多くの人、…。


私は、悩み、笑い、全力を注ぎます。

初心と使命と、達成へと。


私の本、

【この歯医者がヤバい・幻冬舎新書】

【やってはいけない歯の治療・KADOKAWA】


【歯医者のホントの話・KKベストセラーズ】

よろしくお願いいたします。

電子書籍でも、評判です。


健康な骨に、穴を開けるのが、目の前の危機を救うことなのですか?……。

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする