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伊東良徳の超乱読読書日記

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インドカレー伝

2007-02-04 00:47:40 | 人文・社会科学系
 インドの代表的な料理とイギリスや外国で考えられている料理の生まれた経緯や変容をテーマに近代インドの風俗と歴史を描いた本。「インドカレー」が実はインドに古くからあるものではないことを多方面から語っています。
 まずは、ムガル帝国時代、イスラム文化の繁栄する中央アジアと比べて不毛の地で菜食主義中心のインドに肉料理やプラオ(ピラフ)の文化をもたらしたのがムガル料理であったこと。インドでは古来香辛料は黒胡椒中心だったところにポルトガル人が新大陸から唐辛子をもたらし、これが栽培・保存が容易なことから安く入手でき庶民に支持されて普及したこと。それらの要素を取り込んでインド各地で様々な香辛料を用いたスープ料理が発達したのをイギリス人が「カレー」と総称してイギリスに紹介し、これがイギリス人がほとんど味付けのない当時のイギリス料理に飽きていたことと帝国・植民地への郷愁から支持されたこと。しかし、その際、インドでの料理と違って、冷めた肉の使い回し方法とされたり、カレー粉や小麦粉を使うという形で伝わり、インドでの料理とはかなり違うものになったこと・・・。
 また、今ではインドが最大の産地で大消費地になっている紅茶は、イギリス人がインドに伝え、売り込んで紅茶を飲む習慣を広めたのだそうです。知りませんでした。
 この手の料理の由来を語る本では、レシピを載せるのもいいんですが、やはりその料理の写真(できるだけカラー)をつけて欲しいなと思います。


原題:Curry a biography
リジー・コリンガム 訳:東郷えりか
河出書房新社 2006年12月30日発行 (原書は2005年)

追伸:朝日新聞が2007年3月4日朝刊に書評掲載
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