伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

PTAグランパ!

2017-04-19 21:26:56 | 小説
 大手家電メーカー「西芝」の営業統括本部長を務めた「モーレツ社員」だった定年退職者武曾勤と、3児の母でスーパー「トモエツ」のレジ打ちのパートタイマーの内田順子が、小学校のPTA副会長を押し付けられ、ゲームセンターのバイトの24歳金髪男の会長織部結真やママ友の主吉村雅恵らと織りなす軋轢・騒動を描いた小説。
 「昭和」な会社男的価値観の中で、正義感と孫可愛さから、正論をぶち邁進する武曾勤の浮き上がり/はた迷惑をコミカルに描くことを基調に、異端を許さぬママ友軍団のプレッシャーと息苦しさに息をひそめるように生きてきた内田順子が武曾家(娘で大手商社「角紅」課長のキャリアウーマンの都を含め)への反発/嫉妬から武曾勤の正義感にほだされて踏み出すのをはじめ、対立しばらばらだった登場人物の気持ちがほぐれまとまっていく姿/それぞれの成長がテーマになっています。
 自らの現役時代は家庭をまったく顧みず娘の都の学校行事など出席することもなくわずかな家族での休日/旅行も常に途中で仕事に出て行っていた武曾勤が、孫の友理奈が都に同じ扱いをされ寂しそうにする(しかしけなげにふるまう)姿に都を叱責してしっぺ返しを食うシーンがたびたび登場します。何度地雷を踏んでも悔い改めない/自覚しない人物だから、現役時代もそうできたのだ、とも考えられますけど、そこまで学習できないものでしょうか…
 ちょうど今月(2017年4月)からNHKBSでドラマ化され、放映中だそうですけど、全然知らずに読みました。相変わらず、テレビ見ない派なもので…


中澤日菜子 角川文庫 2017年3月25日発行 (単行本は2016年5月)

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