伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。今年は15年ぶりに目標達成です(11/29)。

猫はときどき旅に出る

2013-04-15 20:24:44 | 小説
 楠三十郎という名の小説家兼脚本家兼演出家兼映画監督が小説を書くのに苦慮し芝居と映画で生じた多額の借金を抱え、苦心惨憺しながら南極やアメリカを放浪する様子を描いた、自伝的小説。
 3部構成を採ってはいますが、初出が「すばる」の第1部が2001年12月号、第2部が2003年12月号、第3部が2012年9月号という、11年越しで、エピソードも重なっていますが、トータルのストーリーとしての展開はあまりなく、酒浸りの愚痴と妄想を読ませる作品という気がします。
 アルコール漬けの三十郎の酔った頭に浮かぶよしなしごとで、「人妻を略奪する勇猛果敢、純粋劣情、あとは野となれ山となれ精神が長寿の源である」(15~16ページ)と断言されています。う~ん、深遠な人生の極意か…残念ながら私は長生きできそうにない。
 タイトルの主語は猫なのに、冒頭に「これは猫の話ではない」と書かれ、猫が初めて登場するのは全体の7割が流れ去った243ページ。与太話とアル中の妄想につきあうのがかなり苦しくなった挙げ句のことです。
 本の作りが、右ページでもページ数が左肩に振られていて、こういうの、しゃれてるようにも思えるけど、実際にページを繰っているとやっぱり見づらいとわかりました。


高橋三千綱 集英社 2013年2月28日発行

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1 コメント

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痛飲の欲求が喚起されました (aisym)
2013-05-14 22:20:18
はじめまして。
私は第2部の「ペンギンの後ろ姿」が抒情的で一番いいと感じました。

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