伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年に続き2023年も目標達成!

「ずっと元気」をかなえる歯科患者学

2023-04-05 22:23:55 | 実用書・ビジネス書
 夫を看取った後の高齢女性である「私」が自分の経験や友人の悩みを話題にしながらかかりつけの歯科医「T先生」に相談し、口腔衛生や歯の健康がさまざまな場面で健康に大きく影響する(口の中を不衛生にしていたり歯周病を放置したりすると誤嚥性肺炎や各種の重大な疾患につながり命の危険もある)という話題を論じ、それに歯科医師と歯科衛生士のコメントをつける形で説明した本。
 それは真理/真実なのでしょうけれども、歯科医と歯科衛生士から、歯だけではなく全身の健康のために、歯の治療をしましょう、定期的に歯科の診察を受け歯石を除去しましょう、入れ歯の調整をしましょうと言われると、営業的な匂いも感じてしまいます。医療費についての歯科医の愚痴(「保険診療で設定されている歯科医師に支払われる技術料が他の先進国に類を見ないほど低いのです。とくに前述のクラウンや保険の義歯などでは、製作費や材料費などを考慮すると、歯科医院にはほとんどお金が残りません。国民はなぜか歯科医師が高収入だと考えているようですが、一般的な歯科医院経営は苦しいのが実情です」:151ページ。あとがきの203ページでもさらに繰り返されています)を読むとたいへんなのだなと思います(私の経験でも、これまでに歯科医の自己破産を2件やりましたし)けれど。まぁ、支払・収入の件で愚痴を言いたいのはどの業種でもあることで、弁護士も国選弁護費用(刑事事件)とか法テラス事件の弁護士費用(民事事件)が低く抑えられていることに不満を持っているのがふつうですが。
 「高齢者の中には夜中のトイレを気にして水分摂取を控える人がいます。これは虫歯や歯周病の進行を促してしまい、口腔内とそして全身にとって危険なことですので注意が必要です」(185ページ:唾液の分泌を減らさないためということです)には、ちょっとドキッとし、悩ましく思います。


高橋英登、高見澤たか子 クインテッセンス出版 2021年5月10日発行
コメント
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