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伊東良徳の超乱読読書日記

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運営からトラブル解決まで 自治会・町内会お役立ちハンドブック

2015-04-06 21:27:35 | 実用書・ビジネス書
 自治会・町内会の実情と、規約・会計などの運営についてコンサルタントの視点からのアドバイスをまとめた本。
 自治会・町内会は、(地方自治法に「地縁による団体」という位置づけがあり、不動産の所有主体となるために認可を受けて「認可地縁団体」になると地方自治法上運営の規制を受けることになりますが、そうでない限りは)特に法的な根拠や規制がなく、基本的には任意の団体として自主的に定めた規約に従って存立し運営されていくものですが、自治体からさまざまな補助金・助成金を受け、行政の下請的な役割を果たす部分もあり、法的な性格は玉虫色というかはっきりしません。
 タイトルには「トラブル解決まで」とありますので、弁護士としては少し期待したのですが、第5章「知っておきたい自治会・町内会の素朴な疑問」に11のQ&Aがあるのが唯一それに関する部分のように思われ、いずれも設問も回答もごく抽象的で、「トラブル解決」というには心もとない感じです。
 横浜市での調査によると、自治会・町内会に加入しない理由のトップは「班長や役員になりたくないから」(37ページ。ちなみに同じページの「佐世保市の場合」は、次のページの記載と合わせ読むと鹿児島市の間違いではないかと思われます)とされます。これについてどういう解決法があるのかなとみていきますと、終盤で、単発的なイベントで終わるのではなく継続的に地域の絆を深めるような場を作っていくことが大事だとして、例えば夏休み父子アウトドア料理教室→男の料理教室(月1回)→○○町オヤジの会とステップアップしていく(122~123ページ)、会報誌やホームページのほとんどがすでに終わった行事の報告では誰が真剣に見るか(124ページ)など、コンサルタントらしい視点でアドバイスがあり、なるほどなと思いました。


水津陽子 2015年3月10日発行 実業之日本社
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