獅子丸のモノローグ

☆気まぐれ不定期コラム☆

薄幸なる5ドア車たち(11) 日産・ティーノ

2007年03月27日 | カタログ倉庫

   
 日産車には「ティ」で始まる車名がなぜか多い。
 モダンリビング「ティアナ」、サニーの後継車「ティーダ」。
 そして、アナタは「ティーノ」というクルマを憶えているだろうか。

   
 それは、幅が広く前席2人+1、後席3人の5+1コンセプトの「WIDE」。
 コンパクトな全長で最小回転半径4.9mを実現した「SHORT」。
 高いアイポイントの視界の良さとゆとりある室内高を実現した「HEIGHT」。
 この三位一体のコンセプトを実現して’98年に登場した、きわめて理想主義的なクルマであった。

   
   
 なによりも、このプレーンで欧州車チックなスタイリング。
 ウィンドウグラフィックス、テールランプの処理などが、とても好ましい。

   
 エアロパーツをまとった「エアロスポーツ」なる仕様も存在した。
 だがコレは、このクルマには、ちょっと無理やりっぽい感もある。

   
 インパネも有機的なデザインでなかなかヨイ。
 オーディオがカセットなのは、やはり時代の流れを感じますが。

   
   
   
   
 前席3人掛けを実現したことにより、シートアレンジは多彩で、小物入れも多彩に揃っている。
 ファミリーユースにはうってつけであろう。

   
   

   
 2000cc車のエンジンは低排出ガス(LEV)で、ハイパーCVTを搭載。
 1800cc車はリーンバーンエンジンで省燃費を実現。
 当時としては、メカニズムも新しかった。

   
 当時の日産お得意の「トリプルセイフティー」コンセプトを採用。

   
 さらに、乗る人に優しい「インナーグリーン」。

   
 そして、普通のモデルの価格は169.7万円~207.6万円。

   
 エアロパーツで武装した「エアロスポーツ」は最高価格の218.6万円である。
 うーん、価格もそんなに高くない。

   
 ボディーカラーとインテリアカラーの組み合わせも割とセンスが良いではないか。

   
 今思うと、このクルマが売れなかったのが不思議である。

 やはり、これにミニバンの居住性を期待すると、裏切られるのかもしれない。
 「前席に3人乗れる」ということを、前面に押し出しすぎたのが失敗だったのかも。
 2000年には、前席を2名掛けにした「5人乗り」仕様を追加発売。
 2002年には、結局「6人乗り」仕様を廃止して、「5人乗り」1本に絞るというように、その販売戦略は錯綜していた。
 さらに疑問なのは、安全性を前面に押しだして広告展開していた日産なのに、このクルマの中央席のシートベルトは、前後席とも2点式だったのだ。 
 後年発売された、似たようなシートアレンジの「ホンダ・エディックス」は全席に3点式を装備している。

 しかし、このクルマ、私は結構好きである。
 そのスタイルは、エディックスあたりよりもずーっと趣味がいいと思うのだが、日本では、なぜか売れなかった。
 日本での生産はひっそりと2003年で終了したが、欧州では昨年まで作られていたという。
 欧州では受け入れられていたのに・・・もう、合掌するしかない。

コメント (8)
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