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近江・東迎山城 甲賀の五十三家の雄族 伴氏の城塞群の一つ 方形単郭モデルを踏襲し残存状態が良い

2021-09-27 | 歴史

東迎山城は滋賀県甲賀市水口町下山小字迎山にあります。甲賀の城郭によくある一辺が約50mの四方の土塁囲みの単郭で一部に水掘が残っていました。水口工業団地の縁辺部にあり一部分が改変をうけていましたが、原形をよく保っていました。伴氏は甲賀五十三家の中でも勢力が大きく、下山城を中心にいくつもの城塞が付近に残されていました。
 今回の参考資料は(1)「甲賀市史 第七巻 甲賀の城」甲賀市史編さん委員会編2010  (2)Website、マイ広報紙の「広報こうか」などです。   ※下山城と伴屋敷城はこちら



東迎山城 野洲川の支流・思川の河岸段丘上に築かれ、道を挟んで西側には西迎山城がある
 思川と泉川が削り残した段丘上は、近年大規模な工業団地として開発され周辺まで改変の波が迫っていましたが城址はほぼ残存している状態でした。


東迎山城 方形単郭の遺構があり②、⑦および④の堀跡には水が見える A、Bから入って見学できる
 現状、主郭Ⅰは東西約60m、南北50mの削平面ですが、Ⅰ郭東辺と南東辺の土塁が後世に削られている可能性があるかもしれないと思いました。②の堀跡は溜池として利用され、今も水を湛えていました。堀⑦は雑草に覆われていましたが一部に水が見えていました。堀④の⑤部分にも水が僅かに見えていました。
 ※駐車は迎山集会所を利用させていただきましたが駐車は自己責任で。


東迎山城 迎山集会所から城址全景と堀⑧を見る Bは堀⑧の入口
 堀⑧は近年の工業団地の開発で改変を受けていました。Bからの見学路は有りませんが虎口へ登ることが出来ました。見学路は北側のAからのルートがメインのようでした。


東迎山城 Ⅰ郭 平坦面には多数のシイタケのホダ木        ※ひどいピンボケ写真ですね
 Ⅰ郭はシイタケ栽培に利用されているようで、多数のホダ木が組んでありました。


東迎山城 南側の虎口a 土橋を通ってⅠ郭に入る。土橋の両側に堀
 虎口aの南側の土橋から入るようになっていて往時は追手の虎口だったようでした。土橋の両側に堀④と⑧がありました。Ⅰ郭南辺の虎口は両側の土塁を後世に削ったように見え不自然な平場が両側にありました。今は土橋の南側に工業団地が出来て社屋と駐車場になっていました。


東迎山城 堀② 水を湛えている 西から    溜池として利用されている?
 堀②は後世に溜池として利用するため堀幅を広げたように見えました。湧き水でも有るのでしょうか今も水を湛えていました。 


東迎山城 堀⑦ 西から 埋まりかかっているが水が見える
 写真では雑草に隠れていますが堀⑦には水が見えました。この堀は水掘だったように思いました。左側の道を奥に回り込むと見学路Aがあり北東隅の虎口①に達します。


東迎山城 堀③  南から     左手にⅠ郭 多少の風化は有るがほぼ完存
 東辺の堀③はほぼ完存のようですが水は見えませんでした。高低差の関係で往時もこの部分まで水は来ていなかったのかも知れません。 
 

東迎山城 南辺の堀④ 東から  右手にⅠ郭 奥の部分⑤に水が有った
 南辺の堀④もほぼ完存状態で、写真の奥⑤の部分に水が少し見えました。堀③、④が常時水をたたえた水掘だったかどうかは確認出来ませんでしたが空堀だったのかも知れませんね。


東迎山城 Ⅰ郭土塁⑥の北辺 東から
 Ⅰ郭の周囲の土塁は一部が削られているようで全体に竹が繁茂していました。北辺部分は竹が多いですが土塁はよく残っていました。
 
東迎山城は駐車場所から近く、甲賀の残りの良いスタンダードな単郭方形の城郭を見学でき、興味深い水掘もあり、良かったです。


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