川風が心地よい。
石のぬくみを尻に感じて、振り込むたびに釣れてくるのは、あぶらはや。
ここら辺では、べらこと呼んでいる。
初夏の丹生川である。
上丹生には、タカハヤが多く、下丹生ではもっぱらコイツが多く、立派に棲み分けてる。
仕掛けは極小、極細、尺上の虹鱒でも掛かったひには、あえなく糸はプッツリ
以前ならおおわらわで、太い仕掛けに替え、もう一度狙うところだが……。
ウィスキーゴクリと一口。煙草いっぷく、再びベラコと遊ぶ。
引き強し魚
流心へ逃れんと
弓なりの竿立てて抗へ
餌はクロカワ虫。
川に立ちこみ、ひっくり返した石の裏側に
へばりついた巣のなかに、うごめいているのが成虫。こいつは虹鱒用。
まだ幼い黒くて細いやつが、湿らせたティッシュにのせてある。
やがてふ化の季節、日暮れ時ともなると、カゲロウの大群が、命の儚さをただよわせて、
川上へ舞うように飛んでゆく。
二タ刻で死すかげろうの
群れて舞う
川面に霧は下流より湧く
最上流の水源地の水を取り込んでいるのが、
醒ヶ井養鱒場。東洋一の規模だ。
そこから宗谷川、丹生川、天の川と名を変えて、琵琶湖へ注ぐ。
最近はめっきりと水量が減ってしまった。山の保水力が減少してしまったからだ。
子供の頃は深い淵があり、飛び込んでは、
水しぶき高く上げたことも、もう帰らぬ夢の世界だ。
盛夏になっても、川遊びの子供の姿を見かけない。親が許さないのだろう。嘆かわしい限りだ。
自然界での生の営みを通して、川から多くのことを学んだ。
この丹生川も、それらの川のうちの一つである。
石のぬくみを尻に感じて、振り込むたびに釣れてくるのは、あぶらはや。
ここら辺では、べらこと呼んでいる。
初夏の丹生川である。
上丹生には、タカハヤが多く、下丹生ではもっぱらコイツが多く、立派に棲み分けてる。
仕掛けは極小、極細、尺上の虹鱒でも掛かったひには、あえなく糸はプッツリ
以前ならおおわらわで、太い仕掛けに替え、もう一度狙うところだが……。
ウィスキーゴクリと一口。煙草いっぷく、再びベラコと遊ぶ。
引き強し魚
流心へ逃れんと
弓なりの竿立てて抗へ
餌はクロカワ虫。
川に立ちこみ、ひっくり返した石の裏側に
へばりついた巣のなかに、うごめいているのが成虫。こいつは虹鱒用。
まだ幼い黒くて細いやつが、湿らせたティッシュにのせてある。
やがてふ化の季節、日暮れ時ともなると、カゲロウの大群が、命の儚さをただよわせて、
川上へ舞うように飛んでゆく。
二タ刻で死すかげろうの
群れて舞う
川面に霧は下流より湧く
最上流の水源地の水を取り込んでいるのが、
醒ヶ井養鱒場。東洋一の規模だ。
そこから宗谷川、丹生川、天の川と名を変えて、琵琶湖へ注ぐ。
最近はめっきりと水量が減ってしまった。山の保水力が減少してしまったからだ。
子供の頃は深い淵があり、飛び込んでは、
水しぶき高く上げたことも、もう帰らぬ夢の世界だ。
盛夏になっても、川遊びの子供の姿を見かけない。親が許さないのだろう。嘆かわしい限りだ。
自然界での生の営みを通して、川から多くのことを学んだ。
この丹生川も、それらの川のうちの一つである。