ゴルフ大好き会計士の公私根?同ブログ

会社経営力強化(仕事)も、ゴルフ(プライベート)も、どちらも好き!楽しい!真剣!が大切・・『根』は同じと思っています!

「駅伝」にビジネス手法

2015-11-30 07:45:08 | SHAFT経営
今年のお正月の箱根駅伝。33年間箱根駅伝から遠ざかっていた青山学院大学が総合優勝したことには大変驚かされました。
率いたのは原監督。就任前には10年ほど中国電力の営業マンをしていたという異色の監督です。弱小チームを総合優勝させるまでのプロセスは、ビジネス手法を多分に取り入れたものでした。

10ヵ年計画を策定しPDCAサイクルを回すといったことから始まり、適材適所の組織作り等々。中でも目を引くのが、『チームと個人の「自立」を促す指導法』です。発想力豊かな若手に「どうすれば速く走れるようになるか」を自ら考えさせ、実践させる。能動的にやらせた方が監督の力量を超えるアイディアが出てくる。監督は、そのトレーニングをいつやるべきなのか、今なのか、半年後なのか、5年後なのかを判断するだけだそうです。
また、「目標管理シート」を導入し、チームとしての年間目標、個人としての月間目標と、それを実現するための具体案がびっしりと書き込まれています。

原監督曰く、「私は安定したサラリーマン生活を捨て去り、“覚悟”を決めて青学陸上部の監督になりました。そうした覚悟をもって是非会社経営にあたってもらいたいものです。それと、会社のリーダーであるからには自分の心構え、理念を従業員に対して積極的に発信していくことが大事です」
1ヶ月後に迫った箱根駅伝。今年も青学旋風に期待します。

戦わない経営

2015-11-16 07:57:37 | SHAFT経営
靴下専門店の『靴下屋』さんをご存知でしょうか?
「タビオ」という会社が展開している靴下の全国チェーンで、創業者の越智氏が一代で築き上げたブランドです。『靴下屋』の靴下がとても履き心地がいいと噂を聞き、私も東京に行った時に池袋店で購入してみました。確かにとても履きやすく、ズレ落ちてこないのでとても気に入ってしまい、軽井沢のアウトレットで『靴下屋』を見つけた時にもまとめ買いしてしまいました。

越智氏が一貫して掲げている経営哲学は、孫子の「不戦の戦略」。常に、戦わずして勝つにはどうすればいいかを考え抜き、実践しています。私も先輩からの教えで「孫子の兵法」、「三国志」などの中国古典を読みましたが、なかなか徹底して経営の実践に生かすのは難しいと感じています。しかし越智氏は徹底して「不戦の戦略」を貫いているのですごいと思います。

「創業以来、僕はずっと戦わんかった。価格で争ったことも、デザインで競ったこともない。競争相手が自分の味方になるようにしないといけません。僕は今まで一度も靴下業界の人たちを敵やと思ったことがないんです」と、さらっと言ってのける越智氏。経営理念は「およそ商品は造って喜び、売って喜び、買って喜ぶようにすべし。造って喜び、売って喜び、買って喜ばざるは、道に叶わず」。とことんこだわっていいものを精魂込めて作れば、みんなが喜んでくれて、自分も嬉しくなる。他社と競争すれば自分も相手も疲弊しますが、いいものを作れば業界の発展につながり、他社も喜ぶはず。

この越智氏、あそこにいい靴下があると聞けば、どこへでも飛んでいき、全神経を集中し、五感をフル稼働させて靴下を感じるのだとか。店員さんの目を盗んではそっと靴下を噛んだり、頬に当てたりして微妙な感触を確かめたり・・・・・。
「もちろん独りよがりではいけませんが、お客様が求めるものは何かと全力で考え、脇目も振らず一途にいいものを作る。それを良心的な価格で売れば、必ず買っていただけるはずです」。

モノがあふれ商品自体の差別化が難しい現代にも、こんな素晴らしい経営者がいるのですね。

サッカー本田選手の経営哲学

2015-11-10 16:04:20 | SHAFT経営
サッカー日本代表の本田圭祐選手は経営者としての顔も持っています。
小学生向けのスクールからトップチームまでの実質的なオーナーであり、特にオーストリア3部のSVホルンというクラブチームの経営には多くの時間を割いています。また、来月幕張に自社グラウンドを開設し、サッカーだけでなくテニスやゴルフをも楽しめるようにするのだとか。

業態を広げるオーナー本田氏の経営は、単なるお金持ちのお遊び経営ではありません。
経営をしていく上で、哲学・フィロソフィーを最も重要視しており、以下のような発言をしています。

「企業理念としては、世界で最も競技人口が多いサッカーを通じて人々に夢や希望を与えたい」
「合わせて、サッカーだけでなく他のスポーツでも地域への貢献につなげたい」
「企業に理念がないと単なる動物園になっちゃいますんで、会社が歩んでいく方向をしっかり社員全員に伝えることこそトップの役目なんです」
「言うのは簡単だけど、自分のやりたいことを現場に落とし込むのは簡単ではない。継続して発信しないと」

とても現役サッカー選手の言葉とは思えないですね。

SVホルンのオーナーになったのも、日本人だけでなくアジアの選手の欧州挑戦の機会を増やしたいとの思いがあると言います。
理念を掲げて行動に移し、そして思いを継続的に現場に発信していく。これこそ経営トップとしての使命であると思います。

変わり続ける製糸会社

2015-11-04 08:08:17 | SHAFT経営
先日、富岡製糸場の記事を書きましたが、もう一つ、ご紹介したい製糸出身の会社があります。
下着メーカーの「グンゼ」。約120年前に京都で創業し、富岡製糸場と同じく繭から生糸を作る製糸業で隆盛を極めました。当初の社名は「郡是」。「国是」や「社是」などの言葉と同じで、郡の地場産業を強くするという意味を込めて社名が定められました。

「グンゼ=下着」というイメージがあると思いますが、売上に占める下着の割合は50%にすぎません。残りの50%はというと、
・もやしなどの野菜の包装袋(水滴がつかない特殊加工)
・タブレットの表面フィルム(透明電極加工)
・医療縫合補強材(繊維で培った技術を生かした、体内に吸収される手術時縫合補強材)
・医療再生血管(繊維の加工技術を生かしたメッシュ構造で、本物の血管を作り出す)
・ペットボトルに巻いてあるフィルム(フィルムを収縮させてどんな形状にもフィット)
・カニのパッキング(同上)
などなど。

創業者の波多野鶴吉氏の代から、「既存事業に安住している暇はない」との方針のもと、常に新しい事業展開を模索しているのです。実際に、1900年代初頭に化学繊維のレーヨンが爆発的に普及し、生糸の相場が急落したピンチの時にも会社は持ちこたえ、今に至るまで大きく成長しています。

中小企業では、グンゼのように新たな事業分野に次々とチャレンジしていくのは難しいですが、参考にすべきは、『グンゼの新規事業に共通している重要な点は、既存事業を「深堀り」しているということ。決して全く関係のない分野に飛び込んで行っているのではないということ』です。
中小企業にとっても、業績がいい時ほど危機感を持ち、常に「革新」の考えを持って経営をしていく大切さについて、非常に学ぶところの多い企業だと思います。