ゴルフ大好き会計士の公私根?同ブログ

会社経営力強化(仕事)も、ゴルフ(プライベート)も、どちらも好き!楽しい!真剣!が大切・・『根』は同じと思っています!

戦わない経営

2015-11-16 07:57:37 | SHAFT経営
靴下専門店の『靴下屋』さんをご存知でしょうか?
「タビオ」という会社が展開している靴下の全国チェーンで、創業者の越智氏が一代で築き上げたブランドです。『靴下屋』の靴下がとても履き心地がいいと噂を聞き、私も東京に行った時に池袋店で購入してみました。確かにとても履きやすく、ズレ落ちてこないのでとても気に入ってしまい、軽井沢のアウトレットで『靴下屋』を見つけた時にもまとめ買いしてしまいました。

越智氏が一貫して掲げている経営哲学は、孫子の「不戦の戦略」。常に、戦わずして勝つにはどうすればいいかを考え抜き、実践しています。私も先輩からの教えで「孫子の兵法」、「三国志」などの中国古典を読みましたが、なかなか徹底して経営の実践に生かすのは難しいと感じています。しかし越智氏は徹底して「不戦の戦略」を貫いているのですごいと思います。

「創業以来、僕はずっと戦わんかった。価格で争ったことも、デザインで競ったこともない。競争相手が自分の味方になるようにしないといけません。僕は今まで一度も靴下業界の人たちを敵やと思ったことがないんです」と、さらっと言ってのける越智氏。経営理念は「およそ商品は造って喜び、売って喜び、買って喜ぶようにすべし。造って喜び、売って喜び、買って喜ばざるは、道に叶わず」。とことんこだわっていいものを精魂込めて作れば、みんなが喜んでくれて、自分も嬉しくなる。他社と競争すれば自分も相手も疲弊しますが、いいものを作れば業界の発展につながり、他社も喜ぶはず。

この越智氏、あそこにいい靴下があると聞けば、どこへでも飛んでいき、全神経を集中し、五感をフル稼働させて靴下を感じるのだとか。店員さんの目を盗んではそっと靴下を噛んだり、頬に当てたりして微妙な感触を確かめたり・・・・・。
「もちろん独りよがりではいけませんが、お客様が求めるものは何かと全力で考え、脇目も振らず一途にいいものを作る。それを良心的な価格で売れば、必ず買っていただけるはずです」。

モノがあふれ商品自体の差別化が難しい現代にも、こんな素晴らしい経営者がいるのですね。