晴れ、ときどき映画三昧

『鉄道員(’58)』 85点





鉄道員(’58)


1958年/イタリア






モノクロならではのレンブラント・ライトと切ない音楽








総合★★★★☆
85



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
85点




演出

★★★★☆
85点




ビジュアル

★★★★☆
85点




音楽

★★★★★
90点





カルロ・ポンティ製作によるピエトロ・ジェルミ監督・主演でイタリアのネオ・リアリスモ代表作品。
運転歴30年の鉄道員アンドレア(P・ジェルミ)とその家族の喜怒哀楽を末っ子サンドロ(エドアルド・ネボラ)の視点で描いた人間賛歌の物語。
この作品を初めて観たのはリバイバル上映で17才だったが、サンドロの父への憧れと家族を思う直向きさに思わず涙した青春の記憶が残っている。この頃のヨーロッパ映画は必ずテーマ音楽が印象的で、切ないテーマ音楽が忘れられない。このテーマと「禁じられた遊び」「太陽がいっぱい」などギターを弾くキッカケになったことでも思い出深い。
第二次大戦の傷跡がまだ残っているイタリア。最新の電気機関車の運転手アンドレアは貧しいながら良妻賢母のサラ(ルイザ・テラ・ノーチェ)に家庭を任せ、同僚と酒場でワインを飲みながら歌を歌って疲れを癒す日々。長女ジュリア(シルヴァ・コンナ)はハズミで妊娠、長男マルチェロ(レナート・スペツイアーリ)は仕事がなく悪い仲間に巻き込まれ、順風満帆とはいえない。
そんな家族に末っ子サンドラはまるで天使のような存在。オーディション200人から選ばれたエドアルド・ネボラはチョッピリ太目のアイドルでこの作品ではナレーションまで務めるキイマンだ。「自転車泥棒」など男の子が主役のイタリア映画には名作が多いが、この映画もそのひとつ。
P・ジェルミは実年齢42歳で老け役を見事に演じ俳優としての実力もさることながら「わらの男」(’56)「刑事」(’59)など監督としても有能振りを発揮していて、大好きな監督のひとり。今観るとかなり荒い筋書きではあるものの、モノクロならではのレンブラント・ライトと呼ばれるレオニーダ・ベルボーニの光と影の映像とカルロ・ルスティケリのテーマ音楽が、家族の苦悩とささやかな喜びを描いて物語を盛り上げている。




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