晴れ、ときどき映画三昧

『大統領の陰謀』 80点





大統領の陰謀


1976年/アメリカ






ジャーナリストの仕事振りが克明に伝わってくる








総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
90点




演出

★★★★☆
85点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
80点





ニクソン大統領が辞任に追い込まれるキッカケとなった「ウォーター・ゲート」事件。追いかけた2人の新聞記者がどのように記事にしたかをタイムリーに描いた138分の社会派ドラマ。米アカデミー賞助演男優賞(ジェイソン・ロバーズ)など4部門を受賞している。
事件発生は’72.6月でニクソン大統領辞任が’74.8月。先ずは、その1年数ヶ月後に公開されたことに驚かされる。原作者でもある記者役が、ロバート・レッドフォードとダスティ・ホフマンというキャラクターの違う異色の組み合わせも魅力。
あまりにも有名な大事件なので、予備知識があることが前提になっている。アラン・J・パクラ監督の演出とウィリアム・ゴールドマンの脚本は、コツコツと取材するジャーナリストの仕事振りを克明に伝えてくる。時が経て今日の日本人が観ると名前が次から次へと出てきて、その人物がどういうヒトか追いかけるのが精一杯なのが難点。しかし彼らの仕事振りと上司たちの報道姿勢が憧れの対象となるほどカッコいい。とくに主幹のベン・ブラッドリー(J・ロバーズ)は<憲法修正第1条にある報道の自由、この国の末来のためにやれ>という泣かせる名文句がある。お陰でホワイト・ハウスから名指しで非難されたりする。日頃は机に投げ出した長い脚で原稿にダメだしをする厳しい上司でもある。
入社9ヶ月の新米社会部記者ウッドワード(R・レッドフォード)と叩き上げのバーンスタイン(D・ホフマン)が掴んだ特ダネをベテラン政治記者に渡していたらこの記事は成立しなかったハズ。バックアップしたローゼンフェルト、ブラッドリーのジャーナリズム魂がしっかり描かれている。当時斬新だったワシントン・ポストのオフィスも今観るとタイプライターとダイヤル式の電話に時代を感じる。映画は事件発生から7ヶ月間を描いて、TVなどのメディアや司法にバトンタッチされて行くが、ワシントン・ポストが果たした役割は大きい。
後年(’05)ウッドワード記者の情報源だった謎の人物「ディープ・スロート」(ハル・ホルブルック)がFBI副長官だったことが判明、この事件が「警察のメディア利用」という新たな側面が見えたのも興味深い。




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