晴れ、ときどき映画三昧

「はじまりの ボーイミーツガール」(16・仏)70点


・ 優等生少女に恋する落ちこぼれ少年の青春ラブストーリー。




パスカル・ルテールのベストセラー「点字で書かれた心」を、監督3作目のミシェル・ブジュナーで映画化された、青春ラブストーリー。

チェリストを夢見る優等生少女マリー(アリックス・ヴァイヨ)へ密かに恋心を抱く落ちこぼれの少年ヴィクトール(ジャン=スタン・デュ・パック)。

ある日マリーが急接近、ホホにキスされ電流が走ったと舞い上がってしまう。それにはある秘密があった。

12歳の少年少女の恋といえば「小さな恋のメロディ」(71・英)を連想するが、主演のマーク・レスターに負けないデュパックの巻き毛でつぶらな瞳がとても可愛い。

「女は信用できない」などと大人びた言葉とはウラハラにドキドキだったり、親友アイカムに「どん底のお前に最後のチャンスだ」と励まされ勇気百倍。

マリーの急接近の理由が自分が利用されていることに気づき落胆し父親から「ウソのない愛は愛じゃない」とアドヴァイスを受けたり、さすがはアムールの国フランスならではの展開。

マリーは遺伝的難病で視力が落ち失明するかもしれないが、音楽学校の受験を諦めていなかった。その情熱の心を動かされ代返・代筆を買ってでるヴィクトールが生き生きとしていた。

二人の家庭環境の違いや、友達との関係などを織り込みながら最後は強引ながらマリーのチェロが劇場いっぱいに響く。

マリーに扮したヴァイヨはヴァイオリニストだけに楽器を演奏する表情はリアル感が溢れ吹き替えなしでチェロを演奏。

小説は4年後の続編があるそうだが、同一キャストで映画化されたら観てみたい。
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