カリフォルニア徒然草 または武蔵国人覚書

ダンナの海外赴任のため、想定外のアメリカ暮らしを経験。
日常のふとした出来事を、心覚として綴っています。

天狗とアバンチュール

2013-01-26 20:14:47 | 日本でお出かけ
今日はお天気が殊の外好かったので、思い立って高尾山に行って来ました。

何故にまた、このクソ寒い冬の最中に?と思われる向きも少なくないことでしょう。
これにはいろいろとワケがあるンですよ。。。


高尾山は、関東山地の東縁、東京都八王子市にある山です。

もともと山岳信仰の対象であり、修験道の霊場だったお山。
また現在は真言宗智山派大本山高尾山薬王院有喜寺の寺域となっているため、
昔から天然の森林が守られてきました。
明治の森高尾国定公園にも指定されており、キャンプやバーベキュー等、
また植物の採取、鳥類の捕獲も禁止され、豊かな自然が保護されています。

新宿から最寄りの高尾山口駅までは京王電鉄で最短47分。
都心から1時間足らずという好立地に加え、気軽に自然散策が出来るとあって、
年間を通じて多くの観光客や登山者が訪れる人気の場所です。

更に近年では、外国人旅行者も増えているといいます。
というのも高尾山は、レストランの格付けで名高いかのミシュランが発行する
日本旅行ガイド「Michelin Voyager Practique Japon」で、2007年から
なんと富士山に並んで三ツ星を獲得しているのであります。
スゴイぞ、高尾山!

しかし、そんなこんなで、すっかり知名度があがってしまった高尾山。
おかげで、ハイキングシーズンや紅葉の時期などのピーク時には
歩くのもママならない程トンでもないほどの混雑っぷり!!
ってことでも有名になってしまいました~

これじゃ、行列嫌いのダンナを連れて訪れるのは到底ムリ
だからオフシーズンの今は、ウチらにとっては絶好の狙い目と言えるのです。
バッチリ防寒対策して、イザ!出発しましょう

午前8時50分、
京王電鉄高尾山口駅に到着。

早朝とあって、周りには本格的な登山装備の人がかなり沢山居ます。
高尾山頂へは6本の自然研究路などの登山道が整備されており、
各種ルートを組み合わせて低山登山が楽しめます。
また同時に、大阪府箕面市までの11都府県約90市町村にまたがる
長さ1,697kmの東海自然歩道の起点
でもあります。
駅から登山口までは徒歩5分ほど。

建物の左側がケーブルカーの乗り場清滝駅
右側がエコーリフト乗り場の
山麓駅
高尾山ケーブルカー

日本一の急勾配31度18分を
登ります。

山頂までは、全行程徒歩で1時間から2時間程度とお手軽なハイキングレベル。
しかしながら、高尾山は標高599mと決して高い山ではありませんが、
登山口の標高も低いため標高差は小さくはない
甘く見てると意外に痛い目に遭うかもしれないという油断のならないお山です。
脚に自信のない方は、ケーブルカーで山上まで一気に上がってしまうこともできます。

下から歩いて登るコースは1号路、6号路と稲荷山コースの3種類。
ウチらは6号路で上がることにしました。
6号路は、途中に琵琶滝を経由するので琵琶滝ルートと呼ばれます。
沢沿いを歩くので、特に夏の暑い時には最適なルートだそうです。
ケーブルカー清滝駅南側の道路を400mほど進み、保養院の手前を左に入ります。

入り口には錫杖を模した石柱があって、いい感じ。
序盤は緩やかな登り。終始、沢の水音に癒されながらノンビリ歩きます。
琵琶滝に到着。

古くはここで多くの修験者(山伏)たちが滝に打たれて修行に励んだそうです。
今も、希望すれば一般の人でも滝修行が体験できるそうですよ~(有料)

この道は沢沿いのルートとあって、必ずしも日当たりが良いとは言えません。
そのためでしょうか、かなりの残雪が見られます。
場所によっては凍りついていて、かなり用心して歩かないと危ないような状態。
登山装備の方はアイゼンを装着して歩いてました。

大山橋を渡った後は勾配が急に険しくなります。
また沢の中を飛び石づたいに登る箇所があって、なかなかスペクタクル

沢を抜けると、山頂直下はこれまた急勾配な階段を登って行きます。
ここまで来ると日当たりは抜群で、陽射しの温かさを感じながら歩くと汗ばむくらい。
日当たりが好いとは言え、未だ気温は低く、地面は至るところ霜柱でジャクジャクの状態。

まるでエノキダケのような(笑)
見事な霜柱です。
昼は兎も角、朝晩は冷え込むのでしょうねぇ


遂に、山頂に着きました~

標高599.03m

なんとなく空が近く感じます。
先日の雪でしょうか。
まだ相当残ってますね。


見晴らし台から富士山が
見えました。
山頂付近に少し雲がかかっていますが、なかなか綺麗に見えてる方だと思います。
高尾山はパワースポットとしても有名です。
なんでも富士山から高尾山に龍脈(エネルギーの通り道)が流れ込んでいるんだって。

宇宙から注いだエネルギーを富士山が吸収。
それを5本に分散したエネルギーの1本が高尾山に流れてるのだそうな。。。
なので高尾山山頂は富士山に登ったのと同じエネルギーが得られるのだそうです。
某有名なスピリチュアルカウンセラーも、心霊現象に悩まされていたのが、
こちらで修行をして良いエネルギーに変えることができたのだとか。。。ホントかな
こちら側には相模湾が見えています。
江の島も見えてるんですが、
分かります?
都心方面を見てます。

関東平野って、本当に平らなんだな~
お天気が好いと、東京湾アクアラインや房総半島まで見えるらしいです。

山頂は広場になっています。
天気が良いので気持ちが良いから、みんなベンチに座ってお弁当を食べたりして、
景色を楽しみながら談笑してました。

さて、景色も堪能したし、そろそろ下界に戻るとしましょう。
下りは1号路を行くことにしました。

1号路は高尾山薬王院に参拝するための参道で、表参道ルートと呼ばれます。
山頂からは木立の間をゆるゆると下っていくと、程なく、薬王院の裏手側に到着。

山頂からやって来ましたので、最奥からのお詣りとなります。
奥之院(不動堂)は東京都の
有形文化財に指定されている由緒正しきものですが、最奥だし、見ての通り地味とあってか、立ち寄る人は少ない。

残り雪に埋もれるようにひっそりと静まり返っているのが、却って荘厳な空気を醸し出していました。

高尾山薬王院本社
(飯縄権現堂)


不動堂とは対照的に絢爛豪華
こちらも都の有形文化財に指定されています。

外壁の凝った彫刻の上には色鮮やかに彩色が施され、日光東照宮を思わせる華麗さです。
普通なら狛犬が鎮座しているハズの場所に、青銅製の天狗像が立っていました。

右側に鼻の高い大天狗、左側には烏の嘴を持った烏天狗
そう、ここ高尾山は天狗の住む 山なのです。

本社正面の鳥居を出て石段を下ると、左手に本堂が見えてきます。
高尾山薬王院有喜寺本堂

薬師如来と飯縄権現がお祀りされています。
先ほどの本社が朱塗りで神社様式だったのとは異なり、こちらは仏式の造り。

ここ高尾山は神仏習合で知られています。

賽銭箱に見えるのは黒地に
金色の三つ紅葉紋

天狗の葉団扇のようにも見えますね


本拝殿正面の左右に掛けられた巨大な天狗のお面

子供が怯えて泣いてたぞ~
仁王門の本堂側にも両天狗が阿吽のポーズをとる。

徹底してますね~
「天狗横断注意」の看板?!

ここまでくるともう。。。

境内にはこんなものもありました。
願叶輪潜
(ねがいかなうわくぐり)

ご本尊様の智慧の輪。

願いを掛けながらくぐり、その先にある大錫杖を高らかに鳴らします。
住所と名前を忘れずに唱えましょうね。
賽銭箱ならぬ賽銭蛸

両脇で天狗様がお守りしているのはお約束(笑)

しかし、なぜ“タコ”なのか?
実は、高尾山でタコは天狗と並ぶ重要なキーワードなのです。
それを知るためにも、どんどん下って参りましょう。
こちら、高尾山名物のたこ杉

樹高37m、目通り幹周囲6m、
推定樹齢450年

根っこがなんとも不思議な形をしています。
まるでタコ足のようじゃありませんか?
もう今となっては昔のこと、
高尾山は薬王院への山道もまだ険しく、参詣者にはたいそう難儀な山でした。
そこである夜、高尾のお山に住む天狗達が集まって道普請をやることになりました。
天狗様の神通力で参道は見る見るうちに出来て行きます。
しかし、もうすぐ薬王院というところにきて、一本杉と呼ばれる大きな杉が、
四方に根を広げて道のど真ん中にドカッと居座り、工事の邪魔をしておりました。
さすがに天狗達も困り、相談した結果「明日あの杉を切り倒して進むことにしよう」
と結論が出ました。

天狗達のこの相談話を聞いた一本杉は、切り倒されてはかなわないと、
あれよあれよ、一夜のうちに身をすぼめ、その大きな根をどかしました。
その動く姿がなんともタコのようだったとか。丸めた盤根がタコ足のようだとか。
おかげで参道は、邪魔もなく見事に完成したそうです。
それ以来このたこ杉は「道を開く」ということから開運のご利益があるといわれています。

杉の木のお隣には、たこ杉の力を頂いたというひっぱり蛸があります。
たこ杉の御利益にあやかろうと幹や根を撫でたり根っこに上ったりする来山者が多く、
杉の生育には好ましくないとのことで、2009年に建立されました。

なでて、拝めば、道が開けて、引く手数多のひっぱりだこ
間違いなし

と、お山のHPに書いてありましたよ~

みんなが撫でていくからでしょう
頭がツルツルになってますね

さらに下ると高尾山さる園・野草園に到着。
40頭近くのニホンザルがいて、係員が名前をよぶと返事をするとか。
ボスを中心にしたサル社会のしくみなどの解説も聞けるそうです。
野草園では、スミレなどの自生も含め、500種ほどが見られるのだそう。
今回はパスしましたが、次に来たときは寄ってみたいです。
ケーブルカーの終点、高尾山駅付近の展望台からの眺め

かすかにですがスカイツリーが見えました。

この先はもう、麓を目指してひたすらに下るのみです。
道は完全に舗装されており、もはや車道。
傾斜もかなりキツくて、かなり足に来ます。
歩くのにはちょっと不向きなルートじゃないかな。特に下りは~

薬王院から小一時間で、起点の山麓駅に帰ってきました。
いやぁ、お疲れ様でした、ウチら。もう、膝ガクガク、足が棒だよ

さあ、時刻は12時半過ぎ。
しっかり歩いて、しっかりお腹が空きましたね

高尾山名物の食べ物といえばとろろそば
明治以降、高尾山薬王院の参拝客に元気をつけてもらおうと振る舞ったのが始まりだそうで
麓の高尾山参道や甲州街道沿い、中腹や山頂まで、19もの蕎麦処があり、それぞれが独自のメニューを提供しています。
冬場には毎年“高尾山冬そばキャンペーン”を開催。地域ぐるみで盛り上げてまっせ
今回ウチらが訪れた
飯島屋さんのご自慢はこちら
たぬきトロロそば

どちらかというと淡白な味のトロロそばに、揚げ玉でコクが加わり、絶妙な味わいです。
ダンナがいただいたのは
こちらの山菜トロロそば

トロロと山菜が絡みあい、山の香りが漂います。
振りかけられた青ノリがふわふわのトロロにアクセントを加えているのもポイントのひとつ。
飯島屋

八王子市高尾町2477
TEL:(042)661-5960

麓にはトリックアート美術館や足湯があったり、
夏には標高500mからの夜景を楽しめるビアガーデン“高尾山ビアマウント”がオープン。
山登りだけじゃない楽しみ方もできる高尾山。
季節を変えてまた訪れたいと思います。
今回は会えなかったむささび

いつか君らにも会ってみたいな
(夜行性なので普通昼間は見られません
        




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