少し驚いた 「振り」 をして

今日は　眼科受診日

『瞬きを　しないでくださいよ』　『パシッ』

『瞳孔を拡げる目薬ですよ　左目ですね』　「はい」

一通りの検査を終え　　診察を待っていた時です

隣に座った　高齢女子が　話し掛けてきたんです

『おじいさんも　白内障手術しちゃったん？』

“ん！　おじいさん！！”
少し　ムッ！としたんですが・・・そこは堪えて

「ええ　右も左も　左は・・・・」　説明しかけると

『わたしゃあなぁ　だんだん　見えんようになりょうるんよー
このまま見えんようになったらどうしょう　思うてなぁ』

『わたしゃぁ　なぁ・・・・・』　「はぁ」
『わたしゃぁ　なぁ　・・・・』　「はぁ」
『わたしゃぁ　なぁ　・・・・』　「はぁ」

もう・・・・　次から次に　『あれやこれや』を

そして

『わたしゃぁ　車の運転しょうるけぇなー
目が見えんじゃぁ　免許更新してくれんけぇ　診てもらいにきたんでぇ』

“ええっ！　いくらなんでも”
“背中も曲がり　とても　運転は・・”

で　聞いてみたんです

「何歳になられるんですぅ？」　

『歳？　なんぼに見える』

そう聞かれれば・・・
８０歳は　十分超えている　と思ったんですが・・・
相手は　女子　少なめに言うほかありません

「７５？」

『そんぎゃぁに　若うないで　８５』

「えっ！　肌も艶々して・・・　若う　見えます」

少し驚いた「振り」をして　言ってみたんです

すると

『なんぼう　若ぅ見えても
　　　　　　目が見えんようじゃぁ
　　　　　　　　　免許は　貰えんのんでなぁ』