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戦争前後に生き抜いた女中の生涯『小さいおうち』

2023-06-02 08:00:45 | 歴史から学ぶ
戦争前後に生きた女中タキの哀しみは80を過ぎ亡くなるまで続いた、と言う。それは長く暮らしを共にした家、東京の街が戦争で期待を絶するほど酷く、一つの屋根の下で家族の様に暮らしていた世界から戦争で人も家も全てを断ち切られるという哀しみは想像を絶する。だが、昔を語る絵本が「イタクラ・ジョージ記念館」で現存していることで救われたのではないかと、想像したい。
『小さいおうち』中島京子
「概要」今はない家と人々の、忘れがたい日々の物語。映画化決定 昭和初期東京、戦争の影濃くなる中での家庭の風景や人々の心情。ある女中回想録に秘めた思いと意外な結末が胸を衝く、直木賞受賞作。
ー昭和10年~女中、タキが務めだした家、夫は玩具の重役、妻は専業主婦に子供一人の家での出来事が史実と共に語られた小説だ。第1次世界大戦後の好景気から節約から物不足の第2次世界大戦まで日本を一つの家庭から見たものだ。オリンピックも博覧会も当初は1940年に開催される予定だったが対戦で中止となった。
ー長年の女中仕事から山形の田舎に疎開、同じ頃学童疎開で都会からの児童(ヤンチャなガキ)保護役となる。昭和19年の秋、東京に大空襲。疎開してから1年と半年、学童が都会に帰るのを機に同行し、昔いた家を訪問するとそこにはモンペ姿の奥様がいた。
ー二人の会話で注目すべきことは、夫の仕事場にいた板倉と言うデザインをする男性のこと。それは唯一妻が浮気心を描いた男性で兵隊に招聘される前日に会う事を願った事だった。 だが、それはタキによって止められ思い出として残った。
終戦後、再び東京に戻るが「小さなおうち」は跡形も無く、空襲で夫婦ともに亡くなったと知らせを受ける。
ー「イタクラ・ジョージ記念館」を訪れたタキの姪はそこで過去を知ることになる。
「頭がいいって言うのは、人様のために働く仕事をする人」
「皇紀2600年、1940年オリンピックは一度戦争で中止になった」



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