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「術なき術」を知るとは『弓と禅』

2020-08-22 08:08:03 | 歴史から学ぶ
武道の真髄は「無心状態」(我を離脱)とある。 さすれば達人は弓の的が見えなくとも的を射る事が可能だと言う。 スポーツの極意でもあるかもしれない、と言うのは力んだポーズ、仕草では殆ど上手くいかない。 力を抜き、ある程度自然(試練で鍛えた体の動き)に任せる事が良い結果を出している。野球でもゴルフのプロ選手のスイングを見ると素人でも理解できる。 修練とは体を鍛えながらその感覚を覚えさせる事、それはいつも同じ事をする矛盾との戦いでもあると言えるかもしれない。
『弓と禅』オイゲン・ヘリゲル
西洋哲学・論理主義と日本の弓道修練の行を媒介として自らの神秘的体験の書である
弓道修練稽古の手順
    筋肉を使わずして弓を弾くこと
    精神の集中を持って呼吸法を絶対的な要件とする
    矢を放つには、これを放とうという意思を全く持たないで放つこと
    的を見ないでいることが必須(我を離脱して絶対無の立場に徹すること)
・博士の得たものは「身を以てする実例を通じて人間が与え得る唯一のもの『弓道における禅』、それは師範との「以心伝心」であり「術なき術」を知り「無」を体験した事である
柳生但馬守(将軍の剣道指南役)にある日、旗本の武士が訪れ指南を願い出た。但馬は一見して以前剣術の習い事で何流なのかと聞いた。ところが全く剣術を学んだこともないと答え、但馬はそんな筈はないと再度正すと、その男は「習得したことのあるものは少年の頃、武士としていかなる場合も死を恐れるべきにあらずと、死の問題と組打ちしました」と答えると、但馬は「貴殿は技を学ぶには及ばぬ。立派に師範でござる」と答えたと言う。
・「我を離脱」とは
    死の試練を堪え、生死を達観した人無畏(無恐怖の状態)の境地を得た者
    無心状態を意図的に持つことができる人が達人となる
・「指南役・剣師の仕事」とは
    敵が迫って来る打ち込みをあたかも予感した覚知と回避の術を持って行い、さらに無媒介の電光石火のような反作用で反撃できる体制を感覚的に覚えさせること 「心の動き」と「精神的な鍛錬」
・「弟子が指南・師になる」とは
    奥義を心得た者、師範の「生きた奥義」を知るものは師を超えることができる。 それは注意力を極度に緊張させ、抜け目なく敵を見守り、敵の打ち込みを技表通り防ぎ止め、また有効な攻撃をする事ができるようになる事(無心・無我、沈潜状態)




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