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コナン・ドイルを知る16通の手紙『スターク・マンローからの手紙』

2021-05-13 07:45:11 | 歴史から学ぶ
コナン・ドイル=探偵小説家と思いきや、この小説=自伝を描く内容で、医者であるドイル=マンロー(小説の主人公)の人生経験から幅広い分野での思い・考えを物語っている。ドイルのジャンルは幅広く、ミステリー、歴史、空想科学、宇宙、宗教、政治、医学に精通した小説家(60篇のシャーロック・ホームズの生みの親)である。特にドイルは人生に必須の「寛容と忍耐」を強調している。昨今この薄っぺらい社会になると「寛容でかつ忍耐」ある大人も減っていると感じる。
『スターク・マンローからの手紙』アーサー・コナン・ドイル
「概要」親友の裏切り、破滅、そして心やさしい人々との出会い…貧しい青年医師の波瀾に満ちた自画像、ドイルが、自らの人生哲学や宗教観を色濃く映し出した名作。
・この小説「スターク・マンローからの手紙」はほぼコナン・ドイルの私生活と連動した内容になっていることでドイルの生涯を知る上においても参考になる。 本文は主にドイルの集積された知識の発散場所(手紙)となっており、宗教、歴史、宇宙、科学、政治、経済、特に人間関係の思いを色々な角度から分析、評価し米国に移った友とやりとりするものだ。貧しい青年医師がいかに世間に、商売に、人間関係に対処したかを読み解くドイル36才の時の小説だ。
・この小説は16通の手紙を米国に移った友、スワンボローとのやりとりを描いたもので、小説では医学部を卒業したマンローは家計が苦しく就職先の選択がなく医者の補助などをして生活の糧を生み出していたところから始まる。その後ちょっと変わった友人、カリングワース(一人の人間が二重の矛盾した性格を持つ)に誘われ共同で病院経営をすることになる。だが、実際は雇われ医者としてカリングワースの邪魔にならないような対応で治療することになるが、その基本は「診察は無料」として薬代で儲ける事、を攻めの開業とした。それは正当な治療ではなく「気合」であり「脅し」的な姿勢を見せる医者であることを責めていたが、逆に避けもの扱いにされ追い出されることになる。だが、マンローを追い出した後、後々それが裏目に出て夜逃げ状態になる。しかし友人としての仲は続けようとした
・カリングワースの病院から去り自分の病院を開業することになる。その町は小さく、労働者も貧しい人々が多く、財政的にも多難な開業となる。一人会開業に向け着々と進めていくと生活費がなくなり質屋とお世話になりながらなんとか切り抜けようと苦労する。すると一人の老人が助け舟を出してくれる。ある日急患を診ると富裕層の精神異常者でマンローの隣の部屋でしばらく預かり看病することを引き受けるが突然亡くなってしまう。その患者の家族と密な関係を持ち、その家族の娘と結婚することになる。幸福で商売も軌道に乗り出した矢先、2人で旅に出るが電車の事故で2人とも亡くなってしまう。
印象に残る文章・言葉
    「知的に不健康なものが道徳的に健康ではありえない」
    「『カブトムシの目』はほんの3インチ先しか見えないが先を信じることだ」
    「君が自分で安っぽくしてしまうと、人からも安っぽく見られてしまう」
    「ついに行動を起こされましたね。奮闘することは絶対に墜落ではありません」
    「大人しい人でも一度宗教に浸されるととても恐ろしい人間に変身することがある。 これはその人の深層にある残酷な部分を宗教が引き出してしまうことがあるからだ
    「女性の心こそ、僕達がだらしなくさせない限り男性の全ての長所を伸ばしてくれるものだ。女性の愛情が男性の全ての生活や全ての行動に『自分のためにではなく』という動機を与えてくれることを知らなかった」
    「カリングワースの僕に対する酷い仕打ちは病気のせい、病気による脳の障害によるものだったと考えることにした。もし精神が錯乱した男に殴られたとしても、腹を立てないだろうから
    「君ならもっと活躍できるよ。君ならもっとだ。小さい穴があったら足から飛び込んで見たまえ。こちらが準備を整えてさえいればチャンスはいくらでもあるものなのだ」
    「人は2つの面を持っている。 寛容と忍耐、慈愛、節制、平和、人間や動物への思いやりだ


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