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「思いやり」ができず生涯孤独の人生に『イタリアン・シューズ』

2021-05-01 07:51:51 | 人生を「生かす」には
恋人(夫)に置き去りにされ、「思いやり」を最後まで期待していた母、「家族の絆」を取り戻そうと期待した娘も最後には父を捨てることになる。それは何事も自分中心でしか考えない父の人生全てに、我が儘すぎた性格だったからだ。愛も恋も感じない、人を信頼し、信用することもない、寂しい人生が最後まで孤独となる、がこの小説だ。世の中、一人で暮らせない事もない、だが、多くの人と会い、語り、寛ぐが本来の姿かも知れない。孤独ほど退屈な事もないはずだ。
『イタリアン・シューズ』ヘニング・マンケル
「概略」ひとり島に住む元医師フレドリック。ある日彼のもとに、四十年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。治らぬ病に冒された彼女は、星空のもと森のなかに広がる美しい湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めに来たのだ。かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにする。だが、その旅が彼の人生をを思いがけない方向へと導いていく。
我が儘な人生をいつも選ぶフレドリック。40年前に何も伝えないで恋人の前から突如として逃げる。自分のやりたい事をしたいがために渡米し医者になる。だが12年前に医者の免許を剥奪される。それは医者としての不注意から健康な女性の腕を切断してしまう事故を起こしたことだ。自分の思うまま、やりたい事だけする。他人の命令、指示指導など嫌なことは嘘をついてまで回避、逃亡するような性格で、盗み聴き、他人の者を勝手に漁るなど、人の事、思いはお構いなしの性格の持ち主となる。だから信じれるのは自分だけ、周りの人も誰も信頼、信用しなく最後まで孤独となる。ハリエットに言われた言葉「今までの今も取るべき責任を取らず、逃げてばかりいた。これからも決していい人間にはなれないと思う。娘をちゃんと扱うこと、そうすれば娘もあなたにちゃんとしてくれるでしょう」
40年前フレドリックの恋人ハリエットは突然姿を消したフレドリックを憎んだ。それはその時はすでに妊娠しており夫としての役割を責めてたいと思ったからだ。67歳、フレドリック65歳になるまで探さなかったが病魔に悩まされ最後の約束を叶えるためにフレドリックの住む島に赴く。約束とは美しく小さな湖に一緒に行き泳ぐ事だった。辛うじてフレドリックに助けられその湖に行くが湖は氷結しており泳ぎはできない、が実現。だがもう一つの願い事、ハリエットの一人娘ルイースと会うこと、そこで父親だと紹介する事だった。
ハリエットの最後の言葉「私は生涯あなた以外の男を愛さなかった。私があなたのところにやってきたのは、その愛を見つけるためだった。あなたから取り上げたあなたの娘を与えるためだった。でも何より、私は一生の間愛し続けた人のそばで死にたかった。私はあなたを憎むほど人を恨んだこともない。でも憎しみは痛いもの。そして痛みはもう十分に経験したの」
・一人娘ルイースは突然の父の紹介で母の苦労を語ったが、父はまさか自分の子供がいるとは思いも知らなかったことで全く動じることもなく父を恨んだ。母ハリエットは日毎に体力が落ちいつ逝ってもおかしく無い状態で念願の三人の写真を撮り、周りの人々を招待したパーティーを開催する。人々の繋がりと家族の絆を確かめ、母ハリエットの嬉しい姿をやり助けるために
やがて期待した父のちゃんとしたことができずルイースは父の元を離れると、娘の思いの篭ったプレゼントの手作り靴がフレドリックの下に届く。


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