バス停に並び、ひょっと隣を見たら、病気のためサークルを数年休んでいるKOさんらしき人。
「あらっ」目を合わせて大分痩せたKOさんの眼差しを確認して(やっぱり)「KOさん?」
「そう、十キロ以上も痩せたの。それでやっと回復の兆しが見えてこうして外に出られるようになったのよ」
「良人が亡くなって、そうして息子が亡くなったでしょ。パニックになって記憶も飛んでしまって・・・すべてがネ・・・。でも、娘に『お母さん、じゃぁ、わたしは何なの!』って言われ初めてハッと我に返ったのね、きっと」
バスの中でいろいろ話しているうちに「で、お母さんはお元気?」と、話題を変えると、
「元気、元気で百歳を迎えて・・・野田総理大臣が金杯と賞状を持って実家(川崎)に来てくれたのよ、お付のSPも見えてもう大変な騒ぎ」
「すごいわぁ、でも野田総理大臣もお忙しいでしょうに」というと、
「そうね、だからうちの母は百歳になるけど、元気で介護保険を一度も使ってないからじゃないか、って思うの」
「そう、すごいわ!」
「その母に、『あんた、痩せたわね』って言われてしまったわ」
「心配掛けないように頑張らなくちゃね」
「ほんとうに・・・。」
数学の教師だった息子さん、受験生の教え子に「頑張れ、がんばれ、がんばれ、がんばれ・・・」と、長く綴ったメールを見たとき泪したというKOさん。最期まで起死回生の信念を貫徹・・・死の三日前、拒否し続けた末期治療勧告に静かに肯いたという。
「いろんなことあるけど、頑張りましょうね」
お互いそう言い合って別れた。
生きている者は、生きねばならないという責務を負っている。
《どんなことがあっても》
「あらっ」目を合わせて大分痩せたKOさんの眼差しを確認して(やっぱり)「KOさん?」
「そう、十キロ以上も痩せたの。それでやっと回復の兆しが見えてこうして外に出られるようになったのよ」
「良人が亡くなって、そうして息子が亡くなったでしょ。パニックになって記憶も飛んでしまって・・・すべてがネ・・・。でも、娘に『お母さん、じゃぁ、わたしは何なの!』って言われ初めてハッと我に返ったのね、きっと」
バスの中でいろいろ話しているうちに「で、お母さんはお元気?」と、話題を変えると、
「元気、元気で百歳を迎えて・・・野田総理大臣が金杯と賞状を持って実家(川崎)に来てくれたのよ、お付のSPも見えてもう大変な騒ぎ」
「すごいわぁ、でも野田総理大臣もお忙しいでしょうに」というと、
「そうね、だからうちの母は百歳になるけど、元気で介護保険を一度も使ってないからじゃないか、って思うの」
「そう、すごいわ!」
「その母に、『あんた、痩せたわね』って言われてしまったわ」
「心配掛けないように頑張らなくちゃね」
「ほんとうに・・・。」
数学の教師だった息子さん、受験生の教え子に「頑張れ、がんばれ、がんばれ、がんばれ・・・」と、長く綴ったメールを見たとき泪したというKOさん。最期まで起死回生の信念を貫徹・・・死の三日前、拒否し続けた末期治療勧告に静かに肯いたという。
「いろんなことあるけど、頑張りましょうね」
お互いそう言い合って別れた。
生きている者は、生きねばならないという責務を負っている。
《どんなことがあっても》