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Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

映画『12か月の未来図』-教師として教育に悩んだ時に是非見たいフランス映画!

久々に、素敵な「教師」の映画と出逢いました。

その映画の名前は、

12か月の未来図
Les Grands Esprits (The Great Spirits)

と言います!

最近、自分自身、「教育ってどういうことをすることなんだろう」って考えることが増えてきました。

「先生」と呼ばれるようになって18年目(家庭教師を入れると20年以上!)、これまでは勢いやパワーで(悩みながらも)全力で突っ走ってきましたが、最近は、(自分の気力の減退も含めて)「難しいなぁ」「やりにくいなぁ」「どうすりゃいいんだろうなぁ」って思うことが増えました。

今の若い子たちはずばり「YouTube世代」。面白おかしい動画を見て育った世代。まぁ、僕らも僕らで「テレビ世代」で、そんなに違いはないと思うんですが、最近は、講義が始まって30分くらいは元気なのですが、それ以降、空気ががらりと変わって、みんなが辛そうなのが分かるんです…。

経験を積んだせいか、「あ、この子、もう聴いてないな」とか、「あ、あのあたりの子たちは、必死になって、寝ないように頑張ってるな」とかっていうのが見えてきたっていうのもあるのかな??

いずれにせよ、「教育する立場」の人間として、これからどうやって学生たちと向き合っていけばいいのかな?って考えることが多くなりました。

そんな時、たまたまYouTubeで、この映画の予告動画を見たんです。

この映画のある「ワンシーン」を見た時に、「これは見なきゃいけない!」「今の自分に必要な何かがこの映画にはある!」って思って、すぐにAmazonでDVDを購入したんです。

Prime Video版もありました!

この映画の舞台はフランスのパリ郊外。

EUの中でも、ドイツ、イギリスに次いで三番目に移民の多い国フランス。移民一世・二世を入れると、1600万人の移民がいて、フランス全人口の約24%を占めるっていうんです。24%っていったら、4人に1人は「移民」ということになりますよね。この映画のテーマは、「移民、貧困、学力低下」のパリ郊外の中学校に、エリート高校のベテランのフランソワ・フーコー先生が1年限定でやってくる、というもの。荒れに荒れた(移民の子どもばかりの)中学3年生(日本では中2)の担任となり、悪戦苦闘するという作品。

パリの超エリート校で「とてもとても厳しい先生」をしていたのだけど、「教育困難校にはベテラン教師を派遣すべきだ!」と(日本でいう)文部科学省の役人みたいな人に訴えたことがきっかけとなって、フーコー先生が派遣される羽目になる(ここが映画っぽくて面白い!)

日本の安っぽい教師ドラマや教師映画とは違い、「教育(授業)を通して子どもたちと関わっていく」というスタイルを最後まで貫く映画の描き方に、僕はとっても感動しちゃいました。

ストーリーはこんな感じです。

こちらの映画レビューだともっと詳しくこの映画の内容が解説されています(ネタばれに近いので閲覧注意)

僕がいいなぁって思ったのは、フーコー先生って、そんなにエネルギッシュな先生じゃないんですよね。どっちかというと、生まじめで物静かな先生。大人しい先生なんだけど、授業で求めるクオリティーは高く、荒れた中2の(移民の)子たちには「難しい」と感じる話を続ける。

最初は、子どもたちから抵抗を受けるけど、それでも「教育すること」をあきらめることなく、あの手この手を使って、子どもたちに分かるレベルにまで自ら降りていく。降りていくけど、そこから子どもたちを(学力低下から)引き上げようとする。「彼らに合うようなかたちで、勉強することの楽しさを教える」ということをやっていたんです。

この映画の中で、「カマス理論」の「学習性無気力」の話が出ていました。


人を襲うこともあるという気性の荒い魚、カマス。企業や組織を語る上でたびたび登場するのが、この魚の習性をとらえた「カマス理論」だ。水槽にカマスを入れ、その中にエサとなる小魚を放り込むと、鋭い歯で襲いかかる。次にその水槽に透明の間仕切りを設け、一方にカマス、一方に小魚を入れる。するとカマスは、エサを食べようとして何度も何度も間仕切りに体当たりを繰り返すが食べることができず、終いには諦めて、間仕切りをはずしても小魚を襲わなくなるというのだ。

引用元はこちら


この無気力になったカマスのようになっているのが、フーコー先生の子どもたちだ、ということで、フーコー先生は「授業」を通じて、子どもたちの無気力を取り除こうとする。そのために選んだのが、「レ・ミゼラブル」の本だった。

子どもたちが興味をもち、且つ、読み物として、作品としてクオリティーの高い小説を国語の授業で使う、というのにも、驚いたし、それを、移民の子どもたちに分かるように、またその作品の凄さを知ってもらえるように、従来の「国語の授業」の枠を飛び越えていく。

この映画の中でも、「ここは幼稚園じゃない」とか「彼らは幼稚園児じゃない」という言い方があって、彼らを「幼児扱い」していないところも、大村はま先生っぽくていいなぁって思いました。

それよりなにより、フーコー先生の素朴さと子どもたちと向き合う姿勢に心打たれました。ガンガン子どもに向かっていくタイプじゃなくて、静かに、穏やかに、そして知的に向かい合おうとする姿に、「自分に欠けているもの」を見た気がします。(ただ、彼も、私語や遅刻についてはかなり厳しい先生なんですけどね…)

映画の最後に流れていたメリー・ホプキンのこの名曲が、なんかとっても良かったなぁ…(n*´ω`*n)

ホント、いい映画でした。教育に悩む人に是非見てもらいたいなぁって思いました💛

頑張りましょう! すべては自分たちの子どもたちのために!

教育は死なない!!!

Education never dies!!

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