今回のシングルは、重々しくてメロディアスでスロウで切なくて心が激しく揺れ動くような一曲。京の叫び声もますます派手さを増している。もはや何にも形容しがたい独自の世界観が展開されている。
新曲としては、タイトル曲のDOZING GREENのみ。しかし、この1曲が10曲以上の重みを感じさせる仕上がりになっている。激しさと静けさ、美しさと醜さ、相反するものが見事に止揚されている。これ以上に切なくて、これ以上に凶暴な曲が他にあっただろうか。ディルアングレイの最大の魅力である静と動の弁証法は、この新曲でも見事に発揮されている。あと特記すべきは、シャウトと、映画の終わりのようなエンディングが聴きどころかな。
マゴッツのライブバージョンもかなりすごいことになっていた。ライブの臨場感がよく出ていて、(決して聴きやすくはないけれど)別の視点でマゴッツを堪能することができるだろう。これで1260円はお買い得かも。
どこまでも孤立無援にわが道を突っ走るディルアングレイ。ホント、すごいモンスターバンドだと改めて認識した。