2年前に、オーストリア航空でウィーンに行ったとき、
機内の雑誌で、赤坂に「カーウントカー」というお店があるのを知った。
若き天才シェフが作るオーストリアの皇帝料理店・・・
(シェフの神田さんは、僕と同じS50年組。学年は一つ上だけど)
同じ50年生まれで、しかもKm(マイスター号)をもってて、
しかも、今東京で美食家たちに注目されていて・・・・
それ以来、ずっと行ってみたかったが、行けずにいたが、
遂に念願のカーウントカーに行くことができた。
(ちなみに、オープンは3年前くらい。知ったのは早かったのに)
小泉元首相も愛する内閣総理大臣官邸近くのレストラン。
(HPで小泉元首相のお姿を拝見できます)
オーストリア料理専門店ということで、まさにkeiにぴったり。
僕も一応オーストリアと関係の深い人間の一人ってことで(汗)
場所は、溜池山王から徒歩4分程度。虎ノ門からも5分程度。
内幸町からも8分くらい、新橋からも徒歩12分くらい。
一つ路地を入ったところにあるので、ちょっと分かりにくいかな。
けれど、雰囲気のよいレストランが並んでいるので、
それほど分かりにくくはないかな。
隣りには、オーストリアの高級菓子店があり、
この一帯だけ、かなりエレガントな雰囲気をかもし出している。
入り口は、とてもオシャレで、大人な感じがした。
この日は期間限定、特別コースメニュー一種のみ。
一名15,000円という、僕にとっては超高額コース料理。
けれど、その値段にふさわしい料理が食べられるということで、
胸をときめかせてやってきた。
その料理とは、ハプスブルク家の宮廷料理(!?)。
100年前のレシピを見ながら、かつての宮廷の料理を再現。
現代の日本のマイスターが当時のマイスターの味をカバー!
(2008年にも出されているので、毎年この時期ってことかな?)
最初のおもてなしは、お隣、カヤヌマのKuchenを。
チーズ味、ペッパー味、ナッツ味でした。
名前は、Schöne Grüss von der Küche(キッチンからのご挨拶)。
フォアグラを豚の背脂で包んだオードブル。
これが震えるほどに絶品で、思わず笑うしかなかった。
背脂でフォアグラを包むなんて・・・ 凄すぎる・・・
甘みと深みが舌の中で暴れまわる感じ。
甘酸っぱいフルーティーなソースも半端なく美味い。
続いて、カイザーゼンメル(パン)。
これがなければ、オーストリアの料理は語れないでしょ。
見た目は普通のカイザーゼンメルだけど、食感は全くの別物。
普通のカイザーゼンメルよりも小さくて、中がふわふわしている。
オーストリアのHOTELなんかで食べるゼンメルよりも食べやすい。
これは日本人用にアレンジされているのかな?
バターももちろん手作り。二種類のバターがあった。
左が濃厚なバターで、ザルツブルクの岩塩がかかっている。
この塩が凄かった。甘さとしょっぱさが同じくらい。
甘いお塩って、、、
こちらは、「エリザベート皇妃が愛したスープ」。
最初、ブイヤベース系の魚介スープだと思い、
オーストリアでも魚介スープが飲まれてたのか?!と思いきや・・・
このスープ、鶏しか使っていないとのことで、びっくり仰天。
サフランが入っているので、味的にはパエリアのような味わい。
それで、ブイヤベース/地中海スープに類似しているとのこと。
味的には、かなり貝系のダシの風味に似ていた。
なんか、味のカラクリで遊ばれているような・・・
それくらい、お見事なスープでした。
具は、心臓と鶏肉。心臓は臭みなど全くなくて、食べやすかった。
続いては、牛腿肉のラグーとパンで作ったクヌーデル(団子)。
これも欧州料理を知っている人なら結構驚くはず。
こんなクヌーデルは食べたことがないし、見たこともない。
食感はジャガイモの方が僕は好きだな。
ただ、こういうクヌーデルが宮廷料理だったんだなぁ、と。
僕はやっぱB級系の普通のクヌーデルの方がいいや(汗)
こちらも珍しい魚料理。鱸(すずき)を使用したソテー料理。
「鱸のソテー テピヒムッシェルンのソース カルトフェルビューレを添えて」
(テピヒ=絨毯、ムッシェルンは貝、カルトフェルはジャガイモ、
これが分かると料理の内容が分かるだろうな~)
カルトフェルビューレはドイツ~オーストリアの定番料理。
もちろん今の普通の庶民も日々食べるものです。
鱸はすごくカリカリに焼かれていて、香ばしさが一入だった。
口直しの菫(すみれ)のシャーベット。
エリザベートは菫がとても大好きだったということで。
菫の花そのものがシャーベットにされているとのこと。
この中に花もおしべもめしべも全部入っているんだとか。
そして、メイン料理(Hauptgericht)!
「仔牛ロース肉とシュバイネファルスのローラーデ サワークリームのソース」
という長い名前。
ドイツ語だと、「Kalbsrouladen-gefüllte Kalbsschnitzel」とのこと。
ローラーデというのは、ミートロールの意。
今回の料理は、仔牛の肉を豚の背脂で巻いたミートロールであった!
それにサワークリームがかかっていて、まさに未体験テイスト。
食感がすごく良くて、プリプリっとしながらも、まったり感があった。
添え合わせにシュペッツレがあった。
今じゃ庶民の代表みたいなドイツパスタだけど、
これもかつては宮廷料理に使われていたんだなぁ~
***
以上、ここまでがコース料理の全貌でした。
***
K.u.Kにきたら、是非食べたいのがこちらのハム(Schinken)だ。
目の前で切ってくれる豚のハムは見る価値もある。
この肉の塊全部がハムになっている。
われわれのハムの常識を塗り替えるすごい逸品だ。
ビールも充実でした!
Restaurant K.u.K.(レストランカーウントカー)
港区赤坂1-4-6
ランチ(水~土)11:30-13:00(L.O)
ディナー(月~土)18:00-20:30(L.O)
日曜日・祝日OFF
*PS*
このお店の凄いところは、店員さんの対応のよさのみでない。
多くのブログやサイトで、店員さんの接客の良さが挙げられているが、
それだけが、ここの本質ではない!
むしろ、ここの店員さん全員が相当のドイツ~オーストリアマニアだ、
ということだ。
働いている人全員が、ドイツやオーストリアについてかなり詳しい。
ドイツ語をちょっと出しても、すぐに対応してくれる。
ドイツ語圏のお客さんが多いのか?
それとも本当にマニアなレストランなのか?
いずれにしても、こちらのお店の凄さは、
接客のみならず、店員さんのレベルの高さにあると思う。
是非是非、一度、この超エレガントなオーストリア料理レストランに
行ってもらいたいと思う。
大切な人と、大切なときに、大切な時間を共にするために。
心からオススメです。
(学生たちには、平日の昼間に行くことをオススメしたい。
昼なら学生でも手が届くと思うので)