ラーメンの起源はどこか?
中国か、それとも、日本か?
日本だとすると、いったいどこのどのお店のラーメンか!?
定説としては、1910(明治43)年、浅草の来々軒、ということになっています。
…ですが、拙著『学びの実践学』でも論じたように、それ以前からもラーメン的なものは提供されていました。「ラーメン」とは呼ばなかったものの、われわれが言うところの「ラーメン」なるものは存在していました。1884年には、函館の養和軒で「南京そむ(そば)」が提供されています。
僕もこれまで世界各地の中華料理店に行き、いくつもの「Noodle soup」を食べてきました。間違いなく、中華風のヌードルスープは中国発祥のものでしょう。あまりにもレパートリーも多くて、中国のヌードルスープ文化には圧倒されるものがあります。
が…、しかし、中国で食べるヌードルスープは、日本で食べるいわゆる「ラーメン」とは(やはりどう考えても)違うんです。一番決定的なのは、中国のヌードルスープは、あくまでもスープであって、メイン料理ではなく、逆に日本のラーメンは、食事の中心に位置する、という点だと思います。日本のラーメンは、いつでもラーメンが中心で、その片隅に、餃子やチャーハンや野菜炒め等が置かれます。
それから、中国のヌードルスープと日本のラーメンの違いとして、「醤油を使うか否か」というのがあります。中国のヌードルスープには、まず醤油は入りません。塩か担々系(ゴマ系)か…。それに対して、日本のラーメンの原風景は「醤油」のラーメンになります。1910年誕生の来々軒@浅草もまた、(今の味につながる)「醤油ラーメン」を生み出したということで、多大な評価を得ているわけです。
話は長くなりました…。
浅草の来々軒の味、すなわち「来々軒の醤油ラーメン」は、この日本中で(少なくとも)二軒のお店で食べられます。一軒目は、我が千葉県の千葉市。千葉都市モノレール「天台駅」から徒歩で20分ほど、「千草台団地」の一角にあります「進来軒」です。このブログでも既に何度か紹介しています。(たとえばこちら)
それともう一軒、なんと岐阜県にあります、大人気店「丸デブ総本店」の「中華そば」は、まさに来々軒の醤油味の中華そばなんです。昨年9月末に岐阜に行き、実際に僕も食べてきました。たしかに、進来軒とほぼ同じ味わいでした(…と僕は感じました)。
元祖「醤油味ベースの中華そば」を創造した「来々軒」の味が楽しめるのは、来々軒と丸デブ総本店(それ以外にも、来々軒に影響を受けて生まれた「大貫」の味を継承する「大貫本店@尼崎」も「日本最古の現役店」として存在しています)。
そういうわけで、改めて「来々軒」の味を求めて、向かいました。
進来軒@穴川
へ!!
自分の生活圏内に最古の醤油ラーメンを出すお店があるんですから、もっと行かないと…、と。
営業時間は、11時~14時の3時間のみです。
ご注意を!!
アクセスも簡単ってわけではありません。
JR路線的にも、かなり行きにくい場所にあります。
千葉都市モノレールだと「穴川駅」が最寄りになりますかね。
しかも、この進来軒の近くには、もう二軒の素敵なお店があるんです。
昭和の面影を残す千草台団地近くの素敵なエリアであります。
…
店内は、どこにでもありそうな昔ながらの中華食堂。
カウンター席に、テーブル席。
厨房には、かつて「来々軒」で修行された店主さんがいます。
何も知らなければ、なんてことない「町中華」のお店そのもの。
でも、出てくるのは、日本最古の醤油ラーメン…。
なんて、ロマンティックなんでしょう。。。
メニューです。
こういうお店に来ると、どうしても「チャーシューメン」が食べたくなります。
今回もやっぱりチャーシューメンで、、、(;^ω^)
あと、ここ、進来軒のチャーハンがすこぶる美味しいと評判でして、、、
ラーメン&チャーハンならセット価格があるのですが、、、
でも、やっぱりチャーシューメンが食べたい、、、
すると、、、
「Bセットにチャーシュートッピングができますよ」
とのありがたいお言葉が…!
というわけで、、、
ジャジャーン!!!
こちらが、進来軒のチャーシューメンです!!
いや、厳密にいえば、ラーメン+チャーシュートッピング、です(;^ω^)
ノスタルジックなチャーシューがてんこ盛り💛💛💛
いい眺めでありますね~~~。
この一杯こそ、日本にラーメンが広がるきっかけを作った奇跡のラーメン!
スープは、、、
丸デブ総本店とほぼ同じ味わいだ!!\(^o^)/
やっぱり「この味」が、来々軒の味だったんだ、と半ば確信しました。
醤油の味がしっかりとベースにあって、オイリーさも程よくあって。。。
中国のヌードルスープとは異なる次元のヌードルスープとなったその味。
これを、僕らは「昔ながらの中華そば」と呼ぶのでしょう。
でも、よ~く味わってみると、そこに「味の深み」がやっぱりあるんですね。
素人じゃ出せない醤油ラーメンの奥深さ、といいますか。
20代や30代の頃には、この深みには気づけなかったなぁ、、、って思います。
中国のヌードルスープに醤油を入れただけでは、こんな味にはなりません。
何度か、海外のChinese restaurantで試してみましたが、食えたものではありません。
醤油を入れただけのラーメンではなく、醤油の美味しさが引き立つラーメン。
きっと、これに成功したがゆえに、来々軒は「伝説店」になったのでしょう。
進来軒の厨房には、巨大な寸胴があり、そこに中華スープが炊かれています。
そのスープに合わせる「醤油ダレ」。このタレもまた、来々軒ゆかりのものなのでしょう。
中華系動物スープ+醤油ダレ、この「異色」の組み合わせこそ、「大発見」だったのでしょう。
前に、動物系のスープを作って、醤油に合わせたことがありますが、…まずかった…(;^ω^)
美味しい醤油ラーメンを作るというのは、簡単そうで、とても難しいんですよね。
そうした観点で、このラーメンのスープを飲むと、歴史の重みを感じます。
岐阜の名店「丸デブ総本店」とほぼ同じ味わいですし、来々軒もきっとこういう味わいだったんでしょう。
来々軒は、昭和51年に閉店(廃業)してしまいます。(僕は1歳!)
この来々軒の最後の時期に修行された進来軒の店主さん。
どんな気持ちで、最初の(来々軒の)一杯を食べたんでしょうかね!?
麺は、こんな感じです。
麺はさすがに丸デブ総本店とは全くの別物ですね(;^ω^)
丸デブ~の麺は、ホントビックリするくらいに独特でしたからね。
こちらの進来軒の麺は、どちらかというと王道の中華麺。
町中華の麺といえばこれでしょう!という王道の麺であります。
来々軒の麺って、どこのどういう麺だったのかなぁ、、、。
麺もきっと「進化」しているでしょうから、かつての麺も味わいたいものです。
ラーメンも、歴史の中にあって、その中でゆっくりと変貌してきた料理なんですよね。
というか、ここまで変貌し続ける料理って、他にあるんだろうか、、、と。
チャーシューも、じっくり味わうと色んなことが思い浮かびます。
感無量でした。
…
で、、、
実はここで食べるのはお初という、、、
半チャーハン
です!!\(^o^)/
「進来軒のチャーハンはめちゃめちゃ旨い」というのは千葉の都市伝説。
店主さんのチャーハンを作るお姿を見て、分かりました。
ここのチャーハンは只者ではない、と。
とにかく、大きな北京鍋で炒めて炒めて炒めまくります。
これでもか!っていうくらいに、炒め続けて出来上がるチャーハン。
ヘタしたら真っ黒コゲになりそうなほどに、、、
zoom up!
このチャーハン、もう、破格的に旨いです、、、
こんな美味しいチャーハンがこの世にあったのか!?と思うほどに。
いったいどうしたらこんなにも美味しいチャーハンができるんだ!?って。
味は濃い目で強めでパンチがあって強烈です。
化学調味料や塩分もいっぱい入っていることと思われます。
でも、それを単に入れただけの単純な味わいでもない。
一口食べたら、もうその瞬間から無我夢中になります。なっちゃいました。
あまりにも美味しすぎて、失神するかと思いました。
それくらいに、魅力的で魅惑のチャーハンでした。
こうなると、次は単純にチャーハンを食べたいところ。
***
というわけで、、、
久々の「進来軒」の実食レポでした!!
やっぱり、進来軒は凄いお店でした。
日本最古の醤油ラーメンを出しつつ、とんでもないチャーハンも出してくる、、、と。
もう、まいりました、としか言いようがありません。
これからは、もう少し頻度を増やして、このエリアに来たいと思います。
このエリアには、、、
実は、進来軒の他にも、素敵なお店がいくつかあるんです。
進来軒の目の前にあるのが、「大新楼」です。
このお店も本当にレトロで渋くて昭和で素敵なお店なんです。
まだ、一度しか来てないから、食べるべきメニューはいっぱいです。
そして、「大井楼」。
ここは、どちらかというと、新しめのお店です。
進来軒、大新楼と比べると、今っぽさのあるお店。
こちらもまだ二回ほどしか来ていません。。。
このエリアに来る理由はいっぱいあるんです。
更にもう一軒!!
それが、「満留賀」です。
こちらは「そば処」ですが、「冷中華」なるものがあります。
このお店もまた、このエリアで人気のお店なんです。
…
と、このように、幾つものお店が集まる千草台団地エリア。
食べ歩きにもぴったりの場所なんです。
今年の後半は、「原点回帰」として、このエリアのお店を巡りたいと思います!!