期待のニューカマー、DELUHI(デルヒ)のシングルがリリースされた。音源としては二作目。前作はミニアルバムだったが、今回は2曲のみのシンプルな構成。
DELUHIのギターのLedaはガルネリウスのベーシストでもあり、業界、音楽関係者の熱い期待を背負っているバンドでもある。そういえば、ガルネリウスのSyuも、アニメタルのギタリストとして活躍し、ガルネリウスを始動させた。Ledaも同じように、ガルネリウスに加入し、その後にこのバンドを始動させている。ラーメンで言えば、暖簾分けみたいな感じかな。このバンドの腕前は半端じゃない。(しかも、ヴィジュアル的にもかなりぶっとんでいる!)
今回のシングルは、DELUHIお得意のヘビーチューンと、彼らのオリジナリティーでもある民族音楽を取り入れた妖しくダークなマニアック曲。どちらもある意味で超個性的。個性的すぎて、リスナーがこのマニアックさについていけるかが今後の課題となるだろう。とにかくマニアックだ(苦笑)
もちろん演奏力は文句ない。世界観もある。パワーもある。ヴィジュアルも素晴らしい。ただ一言加えるならば、(かなり厳しくみれば)歌にパンチがない。歌そのものはかなりお上手だとは思うんだが、メロディーがちと難ありかなと思わざるを得ない。サウンドプロデュースという点でみると、まだまだいじれるんじゃないかな、と。作曲はセンスにかかる比重が大きい。たくさんの音楽を聴いて、演奏力だけじゃなく、作曲者の感覚を磨かなければならない。巧いだけではダメなのだ。
というわけで。。。
01. Orion once again
ド迫力な出だしで始まるハードナンバー。ギターのリフがガツガツいってて心地よい。シンプルなんだけど、普通のプレイヤーにはマネできないだろうな。で、楽曲。イントロ~Aメロはザクザク響くメタルサウンド。Vo.はシャウト全開。なのに、Bメロになると、めちゃめちゃポップなのだ。ここまでポップに変化する楽曲って知らない。キーボードも美しいし。Aメロのあの激しさはどうしちゃったんだ?!っていう。そして、Bメロとサビの間にメタル的なフィルが入り、メジャーコードで超明るくてポップなサビに続くのだ。この展開は絶対読めないだろうな。Aメロと違いすぎる。その後、また再びメタルコアなAメロに戻り、さらに、ポップなBメロへ。いや~、すごい曲だ。ディルとB’zとジャンヌとラルクを混ぜてミックスした感じ?! その後のギターソロは短いけど圧巻。カッコイイ! ドラムも小技がギラギラ光り、カッコイイ。最後のシャウトはなかなか素晴らしい!
02. NO SALVATION
シタールっぽいシンセ音の後、ヘビーなギターリフへと展開するハードな曲。Aメロは感情を押し殺すような嵐の前の静寂さを感じる展開。Bメロはコード的にかなり妖しい。サビはDELUHIお得意のデスシャウト。こちらはそんなに違和感なく聴けるかな。ところどころに入るシンセ音がカッコイイ。民族音楽とメタルとV系をミックスしたような変な曲ではあるが・・・ 歌詞も曲もおどろおどろしくて、なんとなく人間椅子を思い出してしまう。ディープな一曲だ。だが、サビになると、これまたひっくり返って、さわやかなJ-POPになっちゃうところが面白いなぁ。声がJ-POPっぽいからかな。サビだけはどこかのCMで使われそう(ただ、それで聴いたらたまげるだろうな) 最後の銅鑼の音がカッコイイ!
前作以上に激しいところはより激しく、ポップなところはよりポップに、っていう感じになっていた。より光と影をくっきり描いた楽曲に仕上がっている。これはある意味リスキーかなとは思うが、これがDELUHIだといわれると、たしかに!って言いたくなるし。早くもDELUHIワールドがグングン顕在化されつつある。
メタル型ワールドワイドなV系バンド、そんな感じのDELUHIだが、ますます今後の展開が楽しみになってきた。巧くて、カッコよくて、真面目で、個性的。いい言葉がずらりと並ぶが、今後の課題は楽曲の(特にサビの)インパクトだろうなぁ。具体的に言うと、サビのメロディーと歌詞のブラッシュアップ。これはガルネリウスにも通じるが、歌詞がなんとも共鳴しにくいのだ。というか、どこか陳腐なのだ。
歌詞って、演奏技術よりもある意味、学習が難しいと思う。普段から、色んなことを考えて、色んな本を読んで、というふうに、普段から「言語」に触れていなければならない。DELUHIはただ巧いだけのバンドで留まるべきバンドではない。絶対にいいバンドになると思う。だからこそ、この壁は乗り越えてほしいなと願う。
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