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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

2011-05-30 10:22:41 | 思考錯誤


  

 




この時期、苺とアスパラガスとジャガイモの露店があちこちに立つ。
クリーム色の貴婦人然としたアスパラガスの横に土にまみれたグノームの様なジャガイモが並んでいる。アスパラガスとジャガイモは度々セットで食されるためこういう取り揃えになるのだ。
ある露店で買った苺がめっぽう旨かったので、再びそれを買いに行った。
売り子のおばさんは愛想のよくないタイプでにこりともしない。
しかし苺は美味しいのだ。

「これは昨日と同じの?(同じ種類と聞きたかったのだけど)」と聞くと
「。。。(少し心外そうに)そうよ、新しく今朝摘んだ奴だわ」。。。という。
「私は昨日この苺を買ったのだけど、ものすご~~~く美味しかった。今年食べた苺の中で一番。それでね、今日も来たのね」
というとさすがにおばさんもにやりと笑う。
ほおら、笑えば気持ちいいじゃないか。私も貴女も。気分いいでしょ?
「だから今日は3箱ね」というと
「そ~お?じゃあ、どの箱がいい?」なんてことも言ってみる。
「いくら?」(毎日値段変動するのだ)
「えっと、一箱1,80ユーロだから5,60ユーロ」という
「えっ?」
「5,60ユーロ」
「でも一箱1,80でしょ?」
「そうよ。ほら。。。」(電卓をたたいて5,40の文字を見せる)
「5,40ですね」
「そうよ、5,40」
「。。。。」
「。。。。」
と言う会話をして、甘い香りの立ち上る袋を抱え家に帰った。


土曜日に友人の結婚式があった。
結婚式といっても新郎新婦は若者ではない。既に26年間の共同生活を経て決めたことなので、こじんまりと内輪だけの挙式で心温まる集いだった。
教会の挙式後、彼等の友人宅でパーティーをすることになっており、ケーキを一つ頼まれていたので苺を買ったのだ。
どんなケーキを作るかは決まっていなかったが苺はどうしても使いたかった。
この時期のケーキには”どうしたって苺を使う!”と個人的に決めているのだ。
いわゆる「苺ショートケーキ」にしようかと思ったが、熟考の末パブロバにすることにした。
新郎の好物だということ思い出したからだ。
パブロバにシェリーを加えたマスカルポーネとフレッシュクリームをたっぷり塗り、苺、桃、ブルーベリー、キーウィーを山と盛り上げたところはなかなか見栄えが良い。

苺はやっぱり飛び切り甘くて香りも高くパブロバに盛り上げながら、私の口にも放り込まれた苺が何粒だったのか?