散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

Pastinaca sativa

2009-08-02 16:27:13 | 自然観察


今、パスティナークの花があちこちの道端で咲いている。この黄色、黄緑の沸き立つ霞の様で、その脇にチコリの夕空色の花が並んでいたりするとそれは美しいものだなとつくづく立ち止まる。チコリもパスティナークの花も今がちょうど時期で道端は美しく縁取られている。
パスティナークの根は美味しい。湯がいたり、蒸したりしておいてから塩コショウして刻んでオムレツに入れたりするのが好きだ。もっとも店で売っているように大きな根はその辺の野原では見つからないのかもしれない。
味はニンジンとジャガイモが出会って仲良くなったようなそんな味だ。この地では昔は主食ともいえるほど消費されていたらしいが、やがてニンジンとジャガイモに取って代わられたという話で、ニンジンに比べると繊維も多くカリウム、プロテイン、ビタミンCが多い。クミンに似て食欲昇進作用、利尿作用があるが、医療方面から関心をもたれるほどの成分は無い様子だ。
しかしフロクマリンの所為で葉汁などと接触後日光に当たると皮膚炎を起こすということもあるので注意しなければいけない。
私はそれほど繊細な肌を持っているわけではないので、道端の花を遠慮なく手折ってきた。



白日幻想:参

2009-08-02 16:26:59 | 夢遊


 

豆がつるりと
鞘からこぼれるところを想像して
思わず茹でた枝豆が食べたくなった。
あの茹で上がりのぴかぴかした青さは美しいな。
「。。。ああ、茹でた枝豆のようにするりとこぼれた
言葉達はどうなりますか?」と私は聞いてみた。
「それはもう最初は混乱を来して最前まで
繋がっていた者を探すこともできずに
めくらめっぽう手を取ろうと
いたしますねえ」と
いいながら
鼬のような
シルエットを
持つ陽炎は
ふと消え入りそうになる。
「なるほど文章はすっかりほどけて、
今度はシュールリアリスティックで
目の回るような話になっている
かもしれませんね」と私は
軽口を叩いた。
それを聞いて
陽炎鼬は
それほど
楽しそう
では無い
様子だった。