
写真ブームが去って絵画がこの数年もてはやされてきた。
今度は彫刻の出番なのだそうだ。
彫刻=IN、絵画=Out
そんな風に言い切ってしまう事が変なはなしである。その上、作家が自然に作る流れとも違う。トレンドメーカー(といってもこの場合ものを作り出す人ではなくて流行の流れを提唱する人々、空気の流れを分析してコンセプトを練り上げタイトルをつける事が上手い人たちのことだ。方向指示機のような専門家の意味。)達は定期的に何かしら新しいテーマや素材を常に提供しなければいけないものらしい。
今年はルーズなミニスカートにハイヒールが流行ですよ、ポイントは赤ですよ、と言う話と同じだ。
アートも消耗品か。
「今年は彫刻がトレンディなんだって?それじゃ、そこの大きい奴を一つ貰おうか。でも家の玄関にはもう少し小さいサイズがいいなあ、これSサイズはないの?」なんてね。
トレンドと言うのは面白いものだ。不必要かとおもうと、ある意味で市場の活性化をに役立っているのだろう。
トレンドがどう動いても、なにがどう騒がれても私は別段文句はないし、だからといって追う気もない。
「へえ、そうなんだね。」と面白がったり感心していればよいのだ。
情報はさらっと受けておきながら、キチンと整理して自分に必要なものが無いかどうか検討し、残りはゴミ箱に捨てる。
殆どが捨てる部分であっても、何かしら栄養になるものって何処にでも見つかるものだしね。
要するに我々に必要なのは選択する為の自分自身のものさしである。
それが無ければ振り回されてくたびれる事になるだろうし、何がなんだかわからなくなってしまうだろうね。
「この絵でございますか?奥様が昨年お買い上げになられました油絵はもう流行おくれでございますよ。今年のトレンドはなんといっても立体でございます。此方のボイス など如何でございましょう?いささかかさばるのと、ワックスの匂いが気にはなりますが、何にしろ流行でございますから。。。きっとご友人方々の間で話題になる事請け合いでございますよ。
ほら、この色合いが今日のお召し物とまたよくお似合いじゃありませんか! その脇にちょっと立っていただけますか? ほうら。。。ピッタリ!でございますよ。 ちなみに彫刻は後2,3年は人気が続く予想でございます。。。」