本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

妻の怒り

2006年04月15日 | 日々のこと

日頃は怒ってもさほど怖くなく、総じて大人しいのに、
ある日突然どかんと大爆発するタイプ、
とは、夫による妻の分析。
(それでも、びびっているようには見えませんがな、あなた)

何か、怒ると思わないようなことでキレるらしいです。
我慢に我慢を重ねているうちに、ふとしたきっかけで
「ああ、もう耐えられない!」となる訳ですね。
過去、夫が洗濯の仕方を知らないとか、
うちにいても会話が成立しないとかいう理由で、
きぃーっ!とぶち切れました。
(原因はそれだけではないんですよ。
つまり、家事にまったく非協力とか、
仕事ばかりで家庭を顧みていない等の背景が隠されているのです。
で、それについては明確に表さないで
怒るから、意味が分からない…と夫が困るのです)

今週もね。楽しい飲みなら、ある程度まで、
むしろけしかけるように応援しますよ。
午前様になっても全然平気ですよ。
あくまで、夫が楽しいならね!

でも、会社の“付き合い”はむかつくのです。
二回もぐてんぐてんになって帰宅した夫。
翌日も二日酔いで、例のとうがらし椎茸茶
飲ませる羽目になるのです。

もう、わたしの夫をここまで飲ませるのはやめてほしい!
(怒りの矛先は、夫でなく飲み相手ですね)
疲れているんですよ、この人は。
おうちだと22時ぐらいで潰れる有り様なのに、
一気飲みだの、午前3時まで帰さないだの、
無茶苦茶すぎます!
怒り心頭!
お前ら大人になれ!って感じ。
なんでしみじみと、節度をわきまえながら飲めないのでしょう。
この酒飲みの恥がっ!
家族の前でその姿がさらせると言うのか?
できるってんなら見せてみろってんだ!

本当にねぇ…。
泥酔した夫を家まで送って、着替えさせて、
太田胃酸とジュースを飲ませて、
よしよしなだめながら寝かしつけてくれるってんなら、
飲ませてもいいですよ。

妻、大変なんだから。
起きて待っていれば、
外で「待たれるのも、つらいんですよねー」と言われちゃうし。
かと言って先に寝てれば、
「なんで寝ちゃうのー?」と起こされるし。
(お前が先に寝ろって言ったんだろ!)

やっとお布団に入れたら、
「枕が昨日とちがう…」と言い張ってきかない。
ええっ。干したけど、同じよ。ずっとコレ使ってるのよ。
「酔ってるから分からないって思ってるでしょう~」
同じだってばさ。もういいから、妻の枕でお休み!
そしたら布団の3分の2を占領され、
体重を預けられて苦しくて眠れませんでした。
居酒屋の匂いが染み付いてるしさ(酒&タバコ&食い物)。
こっちのストレスが溜まるわい。

寝床で、夫の飲み相手に怪しい電波を送った(つもり)。
ひどい二日酔いになっていると良いのですが…。
頭痛いですかー?(にこっ

追記:「今夜はもう失礼しま~す」と言えない夫にも、
それなりのペナルティーを科すべきじゃない?と思ったので、
翌日二日酔いでぐったり寝込んでいるのを置いて、
夕方、ひとり本屋めぐりをしました。
最近出た米澤穂信の「夏期限定トロピカルパフェ事件」と、
北康利「白洲次郎 占領を背負った男」、
P・G・ウッドハウス「ジーヴスの事件簿」を購入。
おっほっほっ。腹いせにハードカバーで散財なのですわ。
でも本はお腹に消えるわけじゃないし!
妻の気持ちを収めるにも、とても良い買い物でしたわね?(にっこり



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『おしどり探偵』

2006年04月15日 | 

夫婦共に推理小説好き、ですが、
微妙に好みが重ならない部分もあります。
どちらかといえば、
夫→クイーン派(ロジック重視)。
妻→クリスティー派(心理重視)。

“雪山の山荘”で話が盛り上がる時もあれば、
「やはり推理の組み立てが、きっちりしてるといい」
「うーん、でも動機も重要よ」
と、語り合う時もある。
(しかし、社会派やメタミステリは苦手な二人です。
推理小説と言っても、基本的に本格ものが好きなのかも)

不届きな妻は、クイーン作品はいわゆるキャラ萌えから、
読み出しました…。
(でも、あの隙間なく積み重ねた推理は美しいと思う。
数式の美は分からないが、整然とした論理にはうっとり)

クリスティーには、犯罪を通して描かれる人間性に、
魅力を感じます。
(『ナイルに死す』とか、『鏡は横にひび割れて』とか、
被害者も加害者も、どこか哀しいよね。
『ホロー荘の殺人』などは、
錯綜する各人の思いが、心理小説のおもむき。
逆に論理を求める人には向かないかなぁ、という気もします)

一方で、肩がこらない冒険ものも
たくさんありますよね、クリスティーの作品には。
この『おしどり探偵』も、
(アガサ・クリスティー 早川書房 1978)
推理のエッセンスが含まれているけれど、
気楽に楽しめる短編集です。

〈諜報部の裏方をしているトミーと、妻のタペンスは、
上司の指示で、国際探偵事務所を営むことに。
無謀にも、次々と難事件を引き受けるが、
実は二人とも素人で、
捜査活動のイロハも知らないときている!
唯一の武器は、長年愛読してきたミステリの知識。
そこで、はったりをきかせて依頼人を煙に巻き、
小説上の探偵の手法を真似て、事件に取り組むが…〉

トミーとタペンスが、事件ごとにかわるがわる
名探偵に扮するのが可笑しい。
「これは〇〇〇っぽい事件よ!」って。
そんないい加減な(笑)。
ホームズやブラウン神父、最後にはポアロにまで
なりきりますが、出版当時ポピュラーだった
推理ものを取り上げたらしくて、今の日本では
ちょっとマニアックと感じる探偵も。
(パロディの意味が分からない…という時は、
普通のライトなミステリとしても楽しめます)

少女の頃から親しんだこの本。もうボロボロ。
(新訳もいつか読んでみたいです)
どこが魅力的かというと…
お転婆な奥さん、タペンスの活躍でしょうか。
美人で元気が良くて、口が達者。
直感が鋭いので、夫より先に真相にたどり着くことも。
好奇心が旺盛でたびたび危機に見舞われますが。
とにかく、懲りないのです。その頑健さがグー。

夫のトミーは温厚でユーモアがあり、
妻をありのまま包み込んでいる雰囲気。
地味だけど、結構食わせ者なんじゃないかと
いう気もする、飄々とした振る舞い。
(クリスティーは冒険もので、
よく、こういう青年を書きますよね。
悪漢と対峙しても軽口を叩く、というような)

この夫婦は本当にパートナーシップで結ばれていて、
どんな冒険でも一緒に飛び込みます。

トミー&タペンスのシリーズは、
結婚前の『秘密機関』に、この『おしどり探偵』、
『NかMか』『親指のうずき』『運命の裏木戸』
と続いていて、年を重ねても変わらない
二人の絆と冒険精神が嬉しいのです。

(シリーズ内の時間はかなり流れて、
初めは活発なお嬢さんだったタペンスも、
最後の作品ではお婆さんになっています。
でも、相変わらず無鉄砲で猪突猛進。やっぱり可愛い♪)

『おしどり探偵』の中でも好きな話は、
シャーロキアンならクスッと笑う「婦人失踪事件」と、
クリスティーらしいトリックを使っている「霧の中の男」
「サニングデールの謎の事件」「死のひそむ家」。
「牧師の娘」は、クリスマス・ストーリーとして読んでいます。
いつも仲のいい二人だけど、
ラストの臆面もないノロケっぷりがまた、いいのよ!

    

『おしどり探偵』の原題は“Partners in Crime”、
東京創元社のほうでは『二人で探偵を』という
邦題で出版されています。

英国で製作されたTVドラマもDVD-BOXで出ているのですが、
原作をかなりアレンジしているみたいです。
ざっと観たところ、文章だからこそ成立する物語を、
頑張って映像化してしまった、という印象。
(クリスティー作品の視覚化は難しいですね。
秀逸の出来である『名探偵ポワロ』シリーズの中にも、
トリック分かっちゃうじゃん!と突っ込みたくなるものが…)

トミー役のジェームズ・ワーウィックはまあ、合うけど、
タペンス役のフランセスカ・アニスのアイメイクには参った。
時代背景を考慮しているのでしょうが、
あきれるほどまぶたが黒い、です。
(薄化粧の時は綺麗な女優さんなんだけども)

勝手なイメージを膨らませていたために、
なんかちがーう!と叫んでしまいますが。
これはこれで別物としてとらえると、
軽妙なノリと、華やかな20年代ファッションが、
おっしゃれーな感じ、というドラマなのです。
決して、嫌いではありません。

話題と全く関係ありませんが。
海外ドラマといえば、『ナイトライダー』と
『冒険野郎マクガイバー』のDVDが観たいです。
喋る車、K.I.T.T.のフォウフォウ、という音が聞きたい。
節約主婦も必見のマクガイバーのサバイバル術。
(実生活には役に立たないか
ああ、懐かしいですのう…。



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