本棚7個じゃ足りません!

引っ越しのたびに蔵書の山に悩む主婦…
最近は二匹の猫の話題ばかりです

『おしゃれ泥棒』

2006年04月12日 | 映画・DVD・テレビ

これは楽しいクライム・コメディですよ♪
’60年代だとこんなのもアリなんだなー、
と思うほのぼのさ。
実のところ、『エントラップメント』や
『オーシャンズ11』のようなハイテク犯罪より、
(ああいうのも、もう古いか。日進月歩ですな)
こちらの方が好きです。
ほら、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で、
詐欺の仕方が、今なら絶対無理!な感じ
だったでしょ?(舞台が1960年代)
あの時代の空気はこんなだったの?と
勝手に思ったりしました。
でも人間心理をよく読んでいる、
と感心してしまいます。

『おしゃれ泥棒』1966
監督 ウィリアム・ワイラー 
出演 オードリー・ヘップバーン ピーター・オトゥール
 

 贋作者の娘ニコルは小粋なパリジェンヌ。父のシャルル・ボネが、制止の声も聞かずに“ゴッホ”や“ロートレック”を売り飛ばすたび、悩んでいる。ある時、調子に乗って美術館に貸し出した“チェリーニ”のビーナス像が(実はこれ、祖父の作)、なんと科学鑑定されることになり、父娘は大慌て。困り果てたニコルは、ひょんなことから知り合った謎の男デルモットと手を組んで、彫像を盗み出す計画を立てるが…。

ひとりで家にいる時に、繰り返し観るのが昔の映画。
オードリー・ヘップバーン出演の作品だと、
『麗しのサブリナ』『昼下がりの情事』
『マイ・フェア・レディ』
『パリの恋人』『パリで一緒に』
そしてこの『おしゃれ泥棒』。
現実感はないかもしれないけど、
ひとときの夢を与えてくれる素敵な作品。
ユーモラスで気の利いた会話も好みなのです。
(『ローマの休日』は、少し切なくて。まあ、
いったん観始めたら止まらないんだけど…)

さて、大概シックに決めているオードリーですが、
今回は実に可愛らしいモダンなファッション。
一番好きだったのは、ピンクのネグリジェです。
これにブーツを履いて、赤いコートを羽織って、
夜の街を暴走するの。
(クレイグ・ライスの小説を思い出しません?
美女ヘレンがやはりパジャマにコートで、
颯爽と車をかっ飛ばしましたね。
そんなことが様になるのは
オードリーとヘレンだけっ) 。。。。。

デルモットも、実業家のリーランド氏も、
ことごとく彼女の魅力に参ってしまうのですが、
あの大きな瞳でじーっと見つめられたら、
そうなるかもね!と思います。

デルモット役のピーター・オトゥールは、
ちょっと図々しいけど、憎めない男を演じています。
知的でスマートなのですね。
おまけに足がながーい!
アップで映るブルーの目がキラキラッ☆
スリーピースがよく似合ーう!
飄々とした雰囲気が、いい味、出してます。
まさしく『おしゃれ泥棒』な二人です。

個性的な脇役も見逃せません。
お金はあるけど鑑定眼はない、
ビーナス萌えーっ!のリーランド氏。
美術館の守衛長も小心そうで、
気の毒だけど笑えます。
そしてニコルのお父さん、シャルル・ボネ。
眉毛とひげのキャラクターだけで、もう、濃い濃い
贋作を売っているのに得意げで、
罪悪感がこれっぽっちもないの。
まっこと、食えない人です(笑)。

              

蛇足ですが。
シャーロット・マクラウドのミステリに、
『盗まれた御殿』という作品があります。
(東京創元社 1990)
その解説に、このシリーズの主人公、
セーラのモデルがヘップバーンかも?とか、
彼女と恋をするマックスは『おしゃれ泥棒』の
ピーター・オトゥールみたいじゃないか?といった、
面白い推理が取り上げられていました。

確かにマクラウドのセーラ・シリーズは、
昔のお洒落なコメディ映画的要素が含まれていて、
登場人物のやりとりや、
芝居がかった展開がほんのり愉快。
(いわゆるコージー・ミステリです。
マッチョなハードボイルドが苦手という
女性に向いております

ご存知の方は、映画のニコルとデルモットの姿に、
セーラとマックスをダブらせても
楽しいのではないでしょうか☆




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