11月にスタートした相続学会の会員が50名を越えた。だが目標の2合目程度だ。およそ◯◯学会などの一般社団法人が安定運営レベルに達するには、最低3百名程の会員が必要だ、と私は見積もっている。3百名からの年会費が、学会を持続していく上で必要な「通信費」等を支えるのである。
当学会の来年の課題は、コアとなる学会員の増員と「通信費」等の削減であり、後者についてはクラウド・コンピューティングの利用を考えることだ、と私は考えている。
個人ベースでは私は既に結構クラウド・コンピューティングを利用している。たとえば写真はピカサにバックアップを保存しているし、業務や個人のknowledgeはEvernoteに蓄積し、色々な媒体から取り出して活用している。またこのブログもそうだ。作成するブログは「読んで貰う」ものであるとともに、自分のメモにもなっている。
この個人ベースで利用しているクラウド・コンピューティングを学会員レベルで活用できないか?というのが課題である。より具体的にいうと、学会では毎月セミナーを行なっているが、セミナーに出席できなかった人のために、講演のビデオを配信したい、ということが第一にあげられる。
会員数が増えてくると、セミナー出欠もオンラインでリアルタイムに把握したい。相続関連の紛争案件の解決事例もリアルタイムに会員間で共有したい、などと活用方法は沢山ありそうだ。
コンピュータ業界調査機関のIDCによると、最初人々がクラウド・コンピューティングに期待したのは「安い電子メールサービス」だったが、関心は「collaboration(共同作業)」に移り、さらに「スケジュール管理」や「オンライン上のデータ蓄積」に進んでいる。
クラウド・コンピューティングで勢力を伸ばしているのは、グーグルだ。グーグルの年間売上380億ドルの内クラウド・コンピューティングの売上は10億ドル程度(事情通の推測)だが、法人ビジネス部門でこの部門の巨人マイクロソフトを脅かすほど勢いを付けてきた。マイクロソフトはグーグルの脅威を公式には否定しているが、米国政府一般調達局のベンダーとの契約状況を見ると42契約の内グーグルが23,マイクロソフトは10契約とグーグルが優っている(ニューヨーク・タイムズ)。グーグルの武器はサービスの安さとプライシングのシンプルさだ。
私のクラウド検討もグーグルアップスから始めることになるだろう。