金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

違いの見えない経済政策に選挙民はうんざり

2012年12月05日 | ニュース

昨日(12月4日)衆院総選挙が公示された。テレビを観ていたワイフが「都知事選は告示というけど、衆院総選挙はどうして公示というのかしら、その違いは?」と聞いてきた。後で調べてみると衆院総選挙は天皇の国事行為として「公示」されるので公示というのだそうだ。

それはさて置き、12もの政党が乱立しての選挙戦だが、主要な政策に関する主張の違いはあまり明確ではない。FTはEconomic indecision turns off Japan votersという記事の問題点を指摘していた。タイトルは「経済政策の優柔不断さが日本の投票者の関心を失わせる」という意味だ。

自民党の安倍総裁は日銀が限度のない金融緩和政策を取ることで2%のインフレを達成を目指すと主張していた。一方民主党は1%のインフレで十分と主張。その差は大きいように見えるが、FTは両党の主張の差は見かけほど大きくないという。前原経産相は、日銀に一層金融緩和策を取らせるべく世論の圧力を利用しているし、安倍総裁の過激な見解も少し後退している。

つまり政党間に選挙戦のための「修辞的」な違いはあるものの、選挙民が選択を行うに必要な情報提供という点では、各政党の主張は曖昧であるとFTは主張している。

主要政党間で意見が一致しているのは、消費税の引き上げだが、それ以外の問題は支持者の意向を忖度して非常に歯切れが悪い。TPP参加問題については自民党は農協の圧力により非常に曖昧な態度だ。

個人的には私は今回も自民党支持であることに変わりはないのだが、TPP問題に関しては野田首相の姿勢に与しているので、ここは気になるところだ。

総選挙後の懸念は票が割れて、数多くの政党による連立政権が生まれることだ。各党支持基盤層の既得権を守ろうとするから、国家予算は膨らむ一方となる。

今回の総選挙は政策を選ぶ選挙ではなく、リーダーシップつまり痛みを伴う政策でも、将来にためにやらねばならないことを推し進める力のある政治家を選ぶ選挙なのだろう。善意に解釈すればだが。それにしては12日間というキャンペーン期間は短い。

コメント (2)
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