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山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

予想以上に強い雇用データに金利上昇、株は若干下落

2024年06月08日 | 投資
 昨日(6月7日)発表された米国の5月の非農業部門雇用者増は272千人と事前予想190千人を大きく上回った。また時間給の伸びも前年比4.1%と予想を上回った。これらの数字は雇用市場の強さを示した。
 一方失業率は4月の3.9%から若干上昇し、4%になった。失業率が4%に達したのは過去2年以上で初めてのこと。これは雇用市場が鈍化しているシグナルだった。
 二つの統計は相反するシグナルのように見えるが、市場参加者は調査範囲の狭い失業率統計よりも雇用者数や時間給の伸びに敏感だったと見えて、10年も国債利回りは、4.3%以下の水準から4.4%越えまで上昇した。
 金利先物市場では、連銀が9月のFOMCでも金利を据え置くと判断する投資家が、雇用統計前の31%から40%超に拡大した。
 株はS&P500が0.1%、ダウとナスダックは0.2%強下落した。
 連銀の政策金利引き下げが遠のいたという失望感と米国雇用市場が思っていたよりも強いという安心感が混ざり合った結果とすれば、悪い動きではないだろうと私は考えている。
 連銀は金融政策決定について、雇用統計よりも、物価統計を重視するので、来週水曜日に発表される消費者物価指数が注目ポイントになる。
 
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