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最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

米国大統領候補の高齢化、高齢者ドライバーで大丈夫?

2019年05月10日 | うんちく・小ネタ

私事ながら先月運転免許証を更新しました。ゴールド免許なので30分の講習で済みましたが、新しい免許証を手渡される時、係官が「次回更新時は70歳を過ぎていますので時間がかかりますよ」と言いました。70歳~74歳の人が免許更新を行う前に高齢者講習を受ける必要があることは知っていますが、改めて聞くとあまり愉快な気がしませんね。係官には今言う必要があるのか?と多少不愉快な気分になりましたが、マニュアルで次回高齢者講習を受ける必要がある人には事前通知することになっているのかもしれません。

さて高齢者というと、来年(2020年)11月の大統領選挙に向けて手をあげる人が増えてきました。その中で目に付くのが「高齢者の大統領候補」です。民主党のバイデン氏は77歳、サンダース氏は76歳です。共和党のトランプ大統領(72歳)も再選に強い意欲を示しています。

米国男子の平均年齢は78.5歳程度ですから、任期中に平均年齢を上回る人が大統領に選ばれる可能性があります。

一般に社会がダイナミックな変革期にある時は若いリーダーが選ばれます。

一方社会が安定を求める場合は老齢のリーダーが選ばれる傾向があります。

たとえば米国の大手企業フォーチュン500社の社長の平均年齢は50代ですが、シリコンバレーのスタートアップの社長の年齢は30代です。

動物の世界では、象は最年長の雌象を群のリーダーに選ぶそうです。何故ならその雌象が、水場や餌になる草原の場所を一番よく知っているからです。

13世紀にヨーロッパに侵攻したモンゴルでは、末子相続が原則だったと聞いたことがあります。遊牧民族では若いリーダーが求められたのですね。

さて以上のような一般論が当てはまるとすると今の米国社会は変革期ではなく安定期にあるのでしょうか?

確かに現在の米国は色々な問題を抱えつつも、経済や雇用は好調です。雇用環境は絶好調ですし、株価もここ数日こそ米中貿易交渉懸念から下げ相場が続いていますが、その前にはS&P500は最高値を更新しています。トランプ大統領の支持率も上昇しています。国民は大きな変革より、現在の環境の持続的発展を希望している可能性は高いでしょう。

でもことはそれ程単純ではない面があります。まず選挙民は実年齢よりも「見た目」で年齢を判断する傾向があります。つまり若く見えることが必要なのでしょう。

トランプ大統領を見ていると、老練さよりもファイティングスピリッツをアピールしているような気がしますね。

また高齢化社会ですから、選挙民の平均年齢が上がり、それに伴って大統領の年齢が上がっていくというのも自然な傾向でしょう。

さて高齢者の自動車事故の原因では「反応の遅れ」や「思い込み」が多いようです。

誰が大統領に選ばれるにせよ、「思い込み」を回避して、歴史に学ぶ謙虚さと知見を持って国家のドライビングシートに座って欲しいものですね。

 

 

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