来週末は久住山のふところ「坊がつる」へ行く予定だ。「坊がつる」は芹洋子の「坊がつる賛歌」で「四面山なる坊がつる」♭と歌われる久住山塊の中の高層湿原だ。
「坊がつる」には昔から憧れていた。その理由は「坊がつる賛歌」の元歌「廣島高師 山岳部の部歌 山男の歌」を私たち神戸大学山岳部も「部歌」として使わせて貰っていたからだ。
【山男の歌】
1.同じ山への憧れを 胸に抱いて行く道は 教えの道ぞ山男 広島高師の山男
2.人皆花に酔う時も 残雪恋いて 山に入り 涙を流す山男 雪解の水に春を知る
3.広島の山は低くとも 夏は故郷の山が待つ 岩を攀ずれば 山男 無我を悟るはこの時ぞ
4.深山紅葉(みやまもみじ)に片時雨 テント濡らして暮れてゆく 心なき身の山男 もののあわれを知る頃ぞ
5.町の乙女等 想いつつ 峰の処女雪 蹴立てては シュテムボーゲン 山男 浩然の気は止み難し
6.同じ教えの道を行き まぶたに浮かぶ山の道 道は一つぞ 山男 広島高師の山男
神戸大学山岳部では1番と6番はカットし、3番の広島は日本に置き換えていた。部の歌位自前のが欲しかったが、わが大学山岳部にはそちらの方面に才能をお持ちの方がいなかったのだろう。
「山男の歌」はメロディも良いが、歌詞も良い。特に私は4番の「深山紅葉に片時雨」というところが好きだ。片時雨はある場所では雨が降っているがある場所では晴れているという状態。恐らく遠くの紅葉には陽射しがあたり自分のテントにはパラパラと雨が降っている情景なのだろう。秋の山の美しい光景だ。
さて来週はミヤマモミジならぬミヤマキリシマの季節。「ミヤマキリシマ咲き誇り山紅(くれない)の大船(たいせん)の」♭と歌われたミヤマキリシマの中を平治岳(ひいじだけ)に登りたいと思う。梅雨の季節だから多少の雨は覚悟の上だが、できれば時雨は歌の中だけで良いと我儘なことを考えている・・・・・