金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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デフォルト懸念でギリシアの銀行から預金流出加速

2015年06月19日 | ニュース

昨日(6月18日)ユーロ圏財務相会議が開かれたが、ギリシア救済の合意に至らなかった。

会議後二人の関係者がロイターのインタビューに次のとおり答えた。

「ユーロ財務相会議のデイセルブルム議長(オランダの財務相)がECB専務理事にギリシアの銀行は明日開くことができるだろうか?と質問したところ、ブノワ・クーレ専務理事の答えは「明日は開きます。しかし来週月曜日開くかどうかは私には分らない」

ギリシアの民間銀行から預金の流出が加速している。今週に入って3日間で20億ユーロの預金が流出した。これは家計と民間企業の預金合計1,336億ユーロの1.5%に相当する金額だ。先週まででも毎日2億-3億ユーロのペースで預金は流出していたが、IMF等からの救済融資の期日が今月末に迫る中、ギリシア国民の懸念が高まっているのだ。

ECB専務理事の発言をギリシア国民の知るところとなると、預金引き出しは加速して本当に来週は銀行窓口を閉めざるを得ない事態が起きるかもしれない。

随分乱暴な発言(財務相会議自体は密室会議だが、その後のインタビュー発言)をしたものだ、と思うが、ひょっとするとECB専務理事は、ギリシア政府に圧力をかけるため、わざとリークしたのではないか?と私は勘ぐっている。

デイセルブルグ議長は「私はギリシアの銀行からの預金流出額を確認できないが、もし国民が預金を引き出しているとすれば、彼等は国の行く末を非常に懸念している。ギリシア支援協議が合意に達することはギリシア国民の大きな利益だ」とギリシア政府に圧力をかけるコメントを述べていた。

ユーロ圏首脳は22日月曜日夜緊急サミットを開く予定だ。月曜日にギリシアの銀行が窓口をあけることができるかどうかは、会議の趨勢に大きな影響を与えるかもしれない。

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