金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

セブン&i最高益、100円コーヒーも一役買う?

2014年04月04日 | ニュース

今日(4月4日)の日経新聞朝刊の一面はセブン&iが3期連続で連続純利益の最高額を更新する見込みという話題。

Seven2Seven

消費税引き上げにより消費者が財布のひもを締める中、セブン&iグループの稼ぎ頭である セブンイレブンの売上・利益が好調な理由は、それが消費者にとって景気や税制変更の影響をほとんど受けない消費を担っているからだ、と考えられる。

米国株などのレポートを読んでいるとよく目にする言葉の一つがdiscretionary spendingとnondiscretionary spendingだ。前者は裁量支出、後者は非裁量支出と訳されることが多い。非裁量支出とは食料品などの生活必需品や税金など強制的に払わざるを得ないもので構成される。裁量支出とはそれ以外のもの、つまり贅沢品・嗜好品などの類である。

セブンイレブンの品ぞろえが総て生活必需品であるかどうかは多少疑問が残らないではない。たとえば昨年から販売を始めたコーヒー。ホットコーヒーは100円と150円の2サイズがある。私はたまに飲むことがあるが、シアトル系のコーヒーのようなコク(あるいは癖?)はないが飲みやすいと思っている。

セブンイレブンの一店舗当たりのコーヒーの売れ行きは平均して1日100カップだそうだ。全国1万6千店で160万カップ。金額にして2億円程度。年間で7百億円程度と推定される。この数字は1千店舗の店を構えるスターバックス(日本)の年間売上高に迫る数字だ。

コーヒーがnondiscretionary かdiscretionaryかは人によって違うだろう。だが出勤前の一杯のコーヒーが習慣になっている人にとっては非裁量支出といえるかもしれない。これからの小売業は、時に新しい生活習慣を提案して、裁量的支出を非裁量なものに替えるようなことで売り上げを伸ばす工夫が必要なのだろう。

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