実際のところ山スキーヤーが減っているのかどうかは分からない。そんなデータがあるのかどうかも分からない。そもそも山スキーヤーってなんだ?という定義もややあいまいである。
山スキーヤーを圧雪されたゲレンデから飛び出し、人が滑っていない斜面を滑るスキーヤーまで含めると増えていると思う。ゲレンデ外の新雪に向いた幅の広いファットスキーが増えていることでもそれは分かる。
だがシール(最近はクライミング・スキンというのが流行りのようだ)を着けて足で雪山を登り、頂上から滑ってくることを山スキーとするならば、山スキーヤーは減っているのではないか?と思う。少なくとも登山道具店から見て、ほとんど儲からない絶滅危惧種になっていることは間違いないだろう。
その理由は山スキーの道具を扱う店が減っていることだ。以前私は好日山荘の瑞穂店で山スキーの小道具を買ったことがあったが、今年初めに同店を訪れたところ「もう取り扱っていません」ということだった。瑞穂店は少し遠いが車でスキーやスキー靴を持参で来たので重宝していたのに。
最近吉祥寺や新宿に登山専門店が出店することが増えてきた。また私の家の近くでは東久留米のイオンの中に好日山荘が出店した。しかしこれらの店では山スキー関係の道具はまったく取り扱っていない。
最近私は写真のスキー用アイゼンを購入したが、買った店は高田馬場のカモシカスポーツである。
最近大型商業施設に出店する山道具屋さんは道具屋さんといっても取り扱いの中心は衣料品が多いようだ。登山道具屋さんも商売だから売れ筋商品に力を入れることは理解できる。だが専門店を名乗るであれば、山スキーにも多少関心を払って頂戴、と愚痴の一つもでる。
そんな中で山スキーを大事にしているカモシカスポーツには好感が持てる。多少高くても他の商品も買ってあげたいと思わせる店である。